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住んで分かった猫の気持ち 田代島の暮らし漫画に 秋水社「ねこじまぐらし」発行

 石巻市の田代島で暮らした漫画家、木月けいこさんが猫に囲まれながら過ごした日常を漫画作品にした。タイトルは「ねこじまぐらし 猫と私と田代島の愉快な日常」。田代島を題材とした書籍は他にもあるが、実際に移住して体験記を描いた漫画は珍しい。季節に応じて変わる猫の生態もユーモアを交えて表現しており、地元だからわかるエピソードも散りばめられている。

 茨城県出身の木月さんは、猫が好きで田代島に移住。単身生活を送りながら猫とのふれあいを漫画にし、主に女性向けコミックの編集、出版を行う(株)秋水社=東京都文京区=から出版。まさに体験を描いたコミックエッセイであり、現在も同社発行の月刊誌「ねことも」で連載している。

 木月さんは平成27―30年まで田代島に住んだ。「ねこマンガ展」として島内でイベントを催すなど島の観光振興にも尽力。島を離れてからも猫たちのことを描き続け、今作は「ねことも」に連載した31話を掲載したほか、作中に出てくる田代島の写真や書下ろし漫画も載せた。

 「ここは宮城県、田代島。数百年前から猫は豊漁を呼ぶ神の化身として大切にされ、人口60人弱の島内には現在も約200匹の猫が半野良状態で自由気ままに生きている。2015年夏、単身移住してきた私の家の周りにも、もちろんたくさんの猫がいるはず…あれっ?」―。物語はここから始まる。

 突然現れ、突然去る猫たちに翻弄(ほんろう)されつつも、おやつを与えることで距離感も縮まる。猫のなわばりや力関係、巨大な猫「デカ男(お)」との出会い。猫にとって居心地の良い場所と言えばバイクのシート、釣り人が釣った魚に目を輝かす猫など田代島ならではのエピソードも満載だ。

 著書はA5サイズで本文132ページ。税込み990円。全国の書店で取り扱っている。【外処健一】





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