見出し画像

くら寿司・矢本東小で出前授業 回転ずしで学ぶSDGs 上手に食べて食品ロス削減

 国内約520店舗、県内では7店舗を運営する大手回転ずしチェーンの「くら寿司」=本社・大阪府堺市=は9月30日、東松島市立矢本東小学校(相沢進校長・児童465人)で海洋資源の活用や食品ロスをテーマにSDGs(持続可能な開発目標)を学ぶ出前授業を開いた。参加した5年生78人は、市場であまり取引されない低利用魚の活用や食品ロスをなくすためにどうすべきかを考えた。

持続可能な漁業へ

 くら寿司は海洋資源の保全と漁業の発展に向け、SDGsに特化した出前授業を本年度から展開し、年度内に全国50校で実施している。90分間の授業では本物と同サイズの6匹の魚の模型を使い、よく食べられているか、それともあまり食べられない低利用魚なのかを児童が判断した。

 くら寿司広報部の岡本愛理さん、戸木田彩香さんが「海には1万4500種類以上の魚がいるが、食べられているのは500種類程度」と明かすと、児童からは「少ない」などの声が上がった。広報部では資源の枯渇や漁業者の減少が進むと将来的には魚が食べられなくなると指摘し、持続可能な漁業の発展をキーワードとした。

作り手と客に分かれ食品ロスが生じる仕組みを体験

 低利用魚の活用もその一つであり、くら寿司はエサの改良や特殊加工を経てシイラ、ニザダイなどの低利用魚を定期的に提供している。魚の付加価値を高めることで漁業者の収入安定や海洋資源の保全、リーズナブルな価格帯を維持している。

 次に回転ずしのレーンとすしの食品サンプルを用いた「おすし屋さん体験ゲーム」があり、児童が作り手と客に分かれた。客は引いたカードに描かれた1皿しか食べられないルール。残ったすしは廃棄処分となるため、作り手は人気のあるネタを多く流すなど考えながら作った。

魚の模型を手に低利用魚かどうかを考えた

 需要と供給のバランスで食品ロスがどのように生まれるのかを学ぶことができ、児童は楽しみながら食べられる量を考えるきっかけとしていた。白鳥裕翔さんは「魚の種類や低利用魚の活用などたくさん学んだ。おすしが好きなので次に回転ずしに行ったときは考えて食べたい」と話していた。

 小林佑光さんは「父親とよく釣りに行くので知っていることが多かったが、それでも初めて知ることもあり勉強になった」と語っていた。
【外処健一】




最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。