見出し画像

野蒜ケ丘の眺望 四大観に匹敵 医療法人理事長・森さん 展望台整備し一般開放

 東日本大震災後の新市街地である東松島市野蒜ケ丘に、松島湾や整然と並んだ住宅地を眼下に収める展望台が完成した。団地西側の森さい生医院から続く階段状の遊歩道を10分ほど行った先にあり、同医院と石巻市新橋の森消化器内科外科を運営する医療法人済生の森理事長の森芳正さん(72)が整備。「松島四大観に匹敵する」という眺望を多くの人と分かち合うため、一般に開放している。

展望台に立つ森さん

 野蒜ケ丘展望台と名付けた場所は標高60メートル余りの丘の上。一度に15人ほど利用可能な3.25メートル×3.7メートルの広さのデッキが組まれている。特に南側の景観が良く、野蒜の海岸や遠く金華山などの島々が目に映る。野蒜ケ丘の住宅地は標高20メートルの丘陵地に造成されており、今までにない角度で見下ろせるのが新鮮。自然景観と人が作った風景を同時に味わえる。

 展望台に至る道も整備され、足元は大部分が擬木の階段。日の光が差し込む林の中で短い尾根歩きが楽しめる。途中の休憩場所からも松島湾が望め、時間が合えば海沿いを列車が走る。

展望台に続く遊歩道

 市が集団移転事業で取得した市有地にある展望台。森さんが資金提供を申し出、展望台と遊歩道を整えた。整備前からこの地の景観に目をつけていた森さんは大高森「壮観」、富山「麗観」、多聞山「偉観」、扇谷「幽観」を合わせて松島四大観と呼ばれるのにちなみ、野蒜ケ丘からの眺めを「塩観(えんかん)」と命名。「ピリッとしたいい風景が見られる。多くの人に見てほしい」と望んだ。

 10日は森さんの案内で、行政や地元関係者に披露された。「日の出も日の入りも見え新たなスポットになりそう」「近くのホテル宿泊客にも近場の散策場所としておすすめできる」と評判だった。【熊谷利勝】





最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。