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思い出と笑顔の4分間 石巻商業で卒業花火 コロナ過の生徒有志企画

 「コロナに振り回されたまま、卒業したくない。皆の笑顔を見て終わりたい」―。石巻商業高校3年の有志3人が中心となって企画した「石商卒業打ち上げ花火」が22日、同校校庭であり、在校生や保護者、教員ら約100人が参加。約80発の大輪が夜空を焦がし、見上げる笑顔を明るく照らした。

 卒業を控えた3年生の菅原魁星さん、阿部ひなたさん、佐々木朱莉さんを中心とした実行委が企画。コロナで入学式や修学旅行が中止を余儀なくされ、十分に青春の思い出が作れなかった世代だ。

 「最後に心に残る思い出を作りたい」。そう考えた3人は教員やまちづくり団体の知恵を借りて花火を企画。OBが勤める企業回りで趣旨や思いを伝え、打ち上げに必要な協賛金を募った。生徒の切なる願いが届き、約30の企業・団体が協力。個人の募金も合わせると約40万円となり、打ち上げ花火と3年生への軽食振る舞いに充てた。

卒業生が企画し約4分間に思い出を刻んだ

 カウントダウンとともに午後6時から花火が上がり、人気歌手Adoの「私は最強」という軽快な曲に合わせて約4分間80発が打ち上げられた。3年生の日野くららさんは「3人の行動力に感服。良い思い出になった」と笑顔を見せた。

 願いをかなえた有志も満足げな表情。佐々木さんは「達成感とホッとした気持ち。企画して良かった」、阿部さんは「お祭りで見る花火よりきれい」、菅原さんは「感動した。協力してくれた大人の皆さんに感謝」と語り、同級生の笑顔を目に焼き付けた。【山口紘史】





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