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北上川にクジラ死骸漂着 体長12㍍のマッコウクジラ 砂浜で埋却処理に

 4日正午ごろ、石巻市北上町十三浜の北上川河口で「クジラが打ち上がった」と河北署や北上総合支所などに地域住民から多数の通報があった。市職員らが確認したところ、クジラはすでに死んでおり、砂浜に打ちあがっていた。腐敗が始まっていたため、市は6日、重機を使って砂浜に埋める埋却処理を始めた。順調に進めばあすには作業を終えるという。

 市によると、漂着したのは雌のマッコウクジラで体長約12メートル、体重約20トン。5日には齋藤正美市長らが現場を視察し、体内から漏れた鯨油を確認した。県や国土交通省北上川下流河川事務所などと協議し、周辺のワカメなど養殖業に影響を及ぼす恐れがあるため、オイルフェンスの設置とクジラの埋却作業を決定した。

干潮で砂浜に埋もれたクジラ。オイルフェンスを張る作業が行われた(6日)

 6日は漂着した周辺に規制線が張られ、同市内の建設業者がクジラの周辺にオイルフェンスを巡らせた。埋却作業はあす以降を予定しており、砂浜に一部が埋まったクジラを重機で掘り起こしながら、尾ビレの部分に縄をかけて引っ張り、50㍍ほど内陸に移動させた後、砂浜に埋めるという。

打ち上げられたクジラ(4日)

 クジラの漂着はSNSなどインターネットを介して広く発信された影響で、週末の4―5日を中心に多くの人が見物に来た。6日も話を聞きつけた地域住民らの姿があり、同市相野谷の男性は「地元で長く暮らしているが、クジラが打ち上げられるのは初めてだと思う。ニュースで最近よく聞く話だったので、自分の目で見てみたかった」と話していた。

 漂着した原因は分かっておらず、市などで調査を進めるという。【渡邊裕紀】





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