見出し画像

北上川・運河交流館 今春再開へ 24日から改修工事開始 展示区画新設で使いやすく

 東日本大震災以降休館していた石巻市水押の「北上川・運河交流館 水の洞窟」が今春、11年ぶりに開館することになり、間もなくリニューアル工事に着手する。新しい国立競技場などを手掛けた建築家・隈研吾氏が設計した特徴的な外観はそのままに、モニター類を撤去して展示スペースを新設。再開に合わせて国交省北上川下流河川事務所から市に管理委託し、より市民に使い勝手の良い施設にしていく。

 同館は平成11年7月、北北上運河と旧北上川が交わる国重要文化財「石井閘門」近くに開館。映像展示機器を通じ、運河と生活の関わりや世界の運河を紹介してきたが、震災で施設に損傷を受けたこともあって休館した。優先してきた河川堤防整備などの復旧復興事業がほぼ完了したため、再開館に向けることになった。

春の再開が予定された運河交流館。隈研吾氏の設計で、再注目されている

 リニューアル工事では古くなった映像展示機器を全廃し、パネルつり下げ式の展示スペースとして活用。展示が見やすくなるよう館内の照明をLED化して明るくする。トイレも改修し、障害者用も設置する。

 再開後は、河川や運河に関して学べるパネル展示だけでなく、市民の絵画、俳句などの作品披露、イベントや集まりの場として貸し出すなどの利活用を想定。市の「いしのまき水辺の緑のプロムナード計画」に盛り込まれた拠点の一つでもあり、散策やサイクリングの休み場所、子どもらの遊びの場とした川を生かしたにぎわいづくりに役立てていく。

堤防に半分埋まったような作りの内部。モニター類は撤去され、つり下げ式の展示スペースにする

 21日に交流館に仮囲いを設置し、24日から工事を開始。3月末までに完了させ、4月上旬から中旬ごろのオープンを目指す。同事務所と市は19日、工事開始を前にした現地説明会を開き、近隣住民ら約20人が参加。管理を市に委託することで、「市民がより使える施設にしたい」との説明があった。常駐の管理人は置かないが、トイレは常時使えるようにする。

 参加した水押町内会の伊藤芳弘副会長(66)は「周辺で散歩する人が多く、人が集まるよう有効に改修してほしい」と望んだ。【熊谷利勝】


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。