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石ノ森萬画館 二十歳の節目 記念式典 鼓笛隊もお祝い マンガ文化発信これからも

 石巻市が取り組んできたマンガを生かした街づくりを象徴する施設、石ノ森萬画館=同市中瀬=が23日、開館20周年を迎え、記念セレモニーが開かれた。石巻小学校の鼓笛隊パレードを皮切りに、くす玉開披や風船飛ばしを行い、節目を祝った。石巻ゆかりの漫画家、故・石ノ森章太郎氏の後押しもあって平成13年7月23日にオープンした同館は、今年2月に来館者累計350万人を記録。これからさらに歴史を重ね、国内外にマンガの魅力を発信していく。

 記念セレモニーのオープニングを飾った石巻小鼓笛隊は、市街地から西中瀬橋を渡って萬画館までパレード。にぎやかな演奏を届けた。続けて萬画館前で式典があり、同館開館20周年記念事業実行委員長の齋藤正美市長が「萬画館は全国から人を呼び込む、市を代表する観光施設。これまでの多くの支援に感謝し、これから30年、40年と地域ににぎわいを創出してくれることを願う」とあいさつした。

note用萬画館20周年記念セレモニー (300)

 漫画家の親ぼく団体「マンガジャパン」で世話人を務める漫画家の木村直巳さんも駆け付け、「20年前に施設の完成を見たとき『夢はかなうものだ』と実感したのを覚えている。世界中の人たちにマンガの魅力を発信する施設にするため、これからも一緒に頑張りたい」と思いを語った。式典では節目を祝ってマンガ文化の発展に寄与した人らに感謝状を贈り、くす玉開披と同時に風船を舞い上げた。

 萬画館は平成7年、石ノ森氏が日本製紙の関係者と共に市役所を訪れて当時の市長と懇談し、「石ノ森記念館」の構想が持ち上がったのがきっかけ。その後、市民運動が盛り上がり、「マンガジャパン」の協力などもあって萬画館が誕生した。

萬画館20周年記念セレモニー (132)

石巻小学校の鼓笛隊がにぎやかな演奏で花を添えた

 震災の津波で大きな被害を受けたが、翌年11月に再開。石ノ森作品の常設展をはじめ、アニメ、マンガなどにちなんだ特別企画展などで多くの人を呼び込んでいる。

 同館を運営する(株)街づくりまんぼうの木村仁社長は「あっという間の20年だったが、数えきれないほどの思い出がある。先人たちの苦労があり、今がある事をしっかり後世に伝えながら、50年、100年先も続く施設としていきたい」と願いを込めた。【渡邊裕紀】



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