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30人新たな顔ぶれ決まる 上位10人現、元職 新人8人当選 立候補最多も投票率51.34%

 任期満了に伴う石巻市議選は22日に投開票され、30人の当選者が決まった。最多得票は無所属現職の山口荘一郎さん(45)。現職は25人のうち21人が再選し、元職1人が返り咲いた。16人立った新人からは8人が初当選した。女性は現職、新人合わせて5人と最多。市議選は43人が名乗りを上げる激戦となったが、投票率は51.34%と前回を0.43ポイント下回り、関心は高まらなかった。

 投票は市内106カ所で行われ、投票箱が午後8時に閉じられた後、開票所のビッグバンに集められ、9時半から職員269人で作業に当たった。開票速報は午後10時半から30分間隔で発表され、初回から800―0と票差がつき、山口さんは2回目(午後11時)の発表で2400票と単独首位となり、その後も票を積み重ねた。

当選者の顔 ※得票順に右から下に掲載(敬称略)

 上位10人は現職、元職が占め、新人のトップは11位に勝又和宣さん(50)が入った。最後の30議席目は確定票が発表された23日午前1時10分までもつれ、新人の早川俊弘さん(62)が滑り込んだ。次点で現職の阿部欽一郎さん(74)との差はわずか10票だった。

 当選者の党派別は公明3人、共産2人、無所属25人。地盤とする地域は石巻20人、河南3人、桃生、河北各2人、北上、雄勝、牡鹿各1人となり、旧町全てに議員を立てた。

 当日有権者は11万7744人(男5万6828人・女6万916人)。期日前投票を含めた投票者総数は6万448人(男2万8267人・女3万2181人)。有効投票数は5万9897票、白票など無効票は551票。

 議員の任期は5月28日から4年間。東日本大震災から11年が過ぎて復興事業も佳境となる中、その先のまちづくりを考えていかなければならず、人口減少や少子高齢化対策を進めながらコロナ禍で疲弊した地域経済を立て直し、産業振興と行財政改革も並行させなければならない。選挙戦では旧町、旧市の地域間格差の是正を求める声も多かった。【外処健一】

3人が供託金没収

 市選管によると、所定の得票数(今回200票)を下回った草島真人さん、豊沢幸四郎さん、藤井秀一さんは供託金(30万円)没収となった。




強い!3度目トップ当選 
山口さん 得票に責任痛感 「政治の場で恩返し」

 現職の山口荘一郎さん(45)が、立候補者で最多の2756票を獲得して4期目の当選を果たした。トップ当選は初当選した平成22年、4年前の前回に続き3度目。山口さんは「このような支持をいただいたことは大きな責任をいただいたということ。新たな気持ちで政治の場で恩返ししたい」と語った。

万歳三唱する山口さん(中央)=22日午後11時20分=

 当選が確実となった午後11時10分ごろ、山口さんは錦町の自宅から近くの選挙事務所に到着。すでに外まであふれかえった支持者でいっぱいで、妻の裕美子さんと共に拍手で迎えられた。花束を受け取った山口さんは「こんな早く結果が出るとは考えていなかった。頼もしい皆様に支えていただき、感謝の気持ちで政治活動をしていきたい」と当選のあいさつをした。

 山口さんは東北電力社員、労働組合などの後ろ盾で手堅く票をまとめた。すでにこの時点で2位と大きな差がつき、山口さんは集まった人たちと高らかに万歳三唱。感染症予防のアルコール消毒をしつつ、選挙中は自粛していた握手を解禁、勝利を分かち合った。

 取材に対して山口さんは「超高齢化社会となる2025年問題を迎えるので、それまでの3年間、政治の中で準備していきたい」とし、市政課題に対して建設的な議論を重ねていく姿勢を示した。【熊谷利勝】





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