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石巻出身俳優、小松準弥さん 「仮面ライダーリバイス」に出演

「1号」との握手が僕を変えた

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門田ヒロミ役の小松さんと「仮面ライダーリバイス」のポスター(©石森プロ・テレビ朝日・ADK EМ・東映)

原点は石ノ森萬画館の開館日

 日本の漫画史に大きな足跡を残した漫画家石ノ森章太郎さん=登米市出身=の代表作「仮面ライダー」の生誕50周年記念作品「仮面ライダーリバイス」(テレビ朝日系、日曜午前9時)に、石巻市出身の俳優、小松準弥さん(27)が起用されている。20年前、石ノ森萬画館の開館イベントで、仮面ライダー1号を演じた藤岡弘さんに握手してもらった少年が長年の夢を果たした。【本庄雅之】

 「リバイス」は今月から放映され、小松さんが演じるのは、悪魔崇拝組織デッドマンズと対決する政府特務機関フェニックスの分隊長門田ヒロミ役。
 第1話では183cmの長身が映えるスーツ姿で変身を試みたが失敗。番組終了後、インターネット上で「変身失敗おじさん」のスレッドがトレンド入りする人気となり、小松さんも苦笑い。「皆さんにいじっていただけて光栄です」と受け止めた。

 仮面ライダー出演を目指したきっかけは、平成13年7月23日に萬画館開館日に藤岡さんと握手したこと。

 「恥ずかしがり屋だったので遠目で見ていたのですが、母に行っておいでって背中を押されて。ちっちゃい手を一生懸命伸ばした時に、大きくてごつい手で力強く握手してもらいました。あの感触は今でも覚えている、これがヒーローの手かって」。日和山公園でライダーごっこをしていた7歳の少年の心に夢が芽生えた瞬間だった。

 それから10年。通学していた仙台の高校にいる時に東日本大震災が起き、5日間、学校で過ごした。母親の和香さん(56)の安否が分かったのは、5日目だった。当時住んでいた南浜町のアパートは居住不能。「人生何が起こるか分からない。絶対後悔したくない」と思い、ライダーへの夢の実現に挑んだ。

 大学在学中の平成25年に初めて受けた「FINEBОYS」専属オーディションでグランプリを受賞。直後に受けた「仮面ライダー」のオーディションでは、最終面接の3人まで残ったが、結局悔しい思いをした。

 その後、上京してドラマや舞台を重ねて今回の「リバイス」のオーディションは、4回目のライダー挑戦。「これが最後。絶対決めてやる」と臨んだ。

 結果、物語の重要な役どころの門田役をつかんだ。素直に「うれしかった」と同時に「先輩方が紡いできた歴史、たくさんの人が愛した作品の50周年記念作、萬画館も20周年というタイミングで携わるのは、相当な覚悟が必要だし、重みを感じた」という。

 初めて撮影所に足を踏み入れた時、「ようこそ」と声を掛けられ、グッときた。あの最初のオーディションの時に審査員だった東映の望月卓プロデューサーの歓迎の言葉だった。

 今は撮影に明け暮れる毎日。「リバイスのチームでしっかり盛り上げ、仮面ライダーを愛してくださる方もこれから知ってくださる方にも輪が広がってほしい」と熱を込める。

 そんな小松さんのリラックスタイムは、おうち時間。「祖母が送ってくれる石巻のギョーザを食べながら飲むお酒が一番好き」だそう。

 石巻の子どもたちには「みんなから見たら僕はヒーローかもしれないけれど、みんなも誰かしらのヒーローだと思うので、親、友達とか周りの人を大切にして感謝の気持ちを忘れないで突き進めば、きっと誰かの心に響くはず。そしていつか必ず自分の夢をかなえられると思うので、いっしょに頑張りましょう」とメッセージを送った。

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