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運転技能検査が義務化 不合格なら免許更新不可 一定違反歴の75歳以上

 5月に改正道路交通法が施行され、75歳以上のドライバーに対する運転免許更新の仕組みが変わった。過去3年間に信号無視や速度超過、携帯電話使用などの違反歴がある場合、新たに運転技能検査が義務化された。従来の認知検査と高齢者講習に加え、技能検査に合格しなければ免許が更新できない仕組み。検査、講習は自動車学校で対応しており、石巻市内でも数週間待ちの状態。更新通知が届いた際は早めの予約が必要だ。

 今回の改正で義務付けられた違反者への運転技能検査は、教習所内で実車を運転し、左右確認や一時停止、段差の乗り越えなどを調べる。一定以上の点数に満たないと合格できず、運転免許センターでの更新時に提出が必要な終了証明書がもらえない。

 高齢者の免許更新に必要な検査、講習は市内の各自動車学校でも実施中。このうち石巻第一自動車学校(佐々木信治校長)では、改正以前から年間1300人ほどの高齢者が講習や認知検査を受けている。違反歴のある人は講習の中で運転技能検査が行われる。

法改正で、高齢の違反者は段差の乗り越えなど一定以上の運転技術を検査される

 違反歴のない同市釜谷の高橋竹也さん(77)は、1日に通常講習を受講。「免許を取って60年。私の住む地域では車が大事な移動手段。動けるうちは乗り続けたい」と話す。地方を中心とした公共交通の未発達地域は「車がなければ生活が成り立たない」という声をよく聞く。

 高齢者の運転免許返納は石巻地方で微増しているが、免許更新を選択する人が大多数な状況は変わらない。通院、買い物など車の代替となる交通手段が乏しく、送迎に伴う家族の負担増を懸念する声も多い。返納後の行政補助も自治体間で差があり、毎回のタクシーやバス利用も金銭的な負担。事故を起こす前に自主返納すべきなのは分かっていても、唯一の移動手段を失うことに抵抗感は大きい。

 同自動車学校に限らず、高齢者講習、技能検査は予約が必要となる。佐々木校長は「今でも2週間ほど日程は埋まっている。更新したくても検査を受けられないという状況にならぬよう更新通知が来たらすぐに予約を」と話していた。【横井康彦、渡邊裕紀】





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