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宮城 最下位から4位に急浮上 車の横断歩道停止率調査 官民の啓発活動功成す

 信号機のない横断歩道での車の一時停止率を調べる調査で、昨年全国最下位だった宮城県が4位に急浮上したことが分かった。調査は日本自動車連盟(JAF)が毎年行っており、宮城県は昨年が5.7%と低い数値だったが、今年は51.4%と飛躍的に向上。度重なる啓発活動が功を成し、歩行者保護の意識が根付いていることが結果に表れた。都道府県別の停止率上位と下位は表の通り。

 JAFは信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとした際、正しく一時停止した車両台数を全国で調査した。その結果、全国平均は30.6%となり、昨年調査と比べて9.3%上昇した。

 前年の調査結果公表後、各都道府県で歩行者保護を呼び掛ける啓発活動や取り締まりが強化され、全体的に停止率が向上。一桁台が解消され、ワースト2の東京も停止率が2倍となった。

横断歩道停止率で全国4位

信号のない横断歩道での停止率が向上した

 飛躍的に上昇した宮城は、県警主導で今年2月から毎月10日を「十〇(とまる)運動」と位置付け、ドライバーに横断歩道付近での減速、横断者がいる場合の停止を訴え続けてきた。春、秋の交通安全運動でも重点項目に掲げ、街頭啓発で周知してきた。

 歩行者向けには横断歩道の活用のほか、横断時の手上げとドライバーに感謝を示す「サインサンクス運動」の実践を呼び掛けており、気持ちの良い横断環境づくりを図った効果も出ている。

順位-01

 宮城は、ここ5年間を見てもワースト5位前後にあり、昨年は最下位と不甲斐ない記録を残し、今年は脱出を図ったが、安心安全なまちづくりには継続性と停止率の向上が大きな課題。石巻署の高橋邦弥交通課長は「約50%とは2台に1台が止まらないということ。実際、今年も400件を超す横断歩行者妨害の取り締まりがある。これからは長野県に追いつけ追い越せでなければ」と分析する。

 その上で「信号のない横断歩道付近は、減速を意味する◇(ダイヤ)マークが表示されている。歩行者の有無を確認できる速度まで減速し、歩行者がいるかもという意識を持ってほしい」と呼び掛けていた。 【横井康彦】


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