谷崎潤一郎「春琴抄」

昔の読書記録ノートの紹介。

谷崎潤一郎「春琴抄」

私が、この作品を読む前に知ってた作品内容は次の通り。

「盲目の女性春琴に仕える佐助は、師を慕うあまり、ついに自ら失明してしまう」

というもの。

この時点で抱いていた春琴のイメージは、美しくてはかない、繊細な女性だった。

だけど、読んでみたら全然違った。

滅茶苦茶わがままで自分勝手で弟子に手をあげるしやりたい放題のお嬢様。

それに比べて佐助は従順でひたすら春琴を慕って仕えている。

しかし、春琴が佐助との子を否定したところとか、春琴の顔にやけどを負わせた犯人が誰だったのかとか、疑問はいくつか残る。

こういう作品こそ、論文を書くいい材料になるんだけど。

(過去の読書記録ノートより)


この本を読んだのは、2012年9月29日〜2012年10月1日。

これは多分、私が読んだ最初にして最後の谷崎作品だと思う。

どうにも敷居が高いような気がして、谷崎作品にはあまり手が出ない。

それは、彼の描く女性像にも一因があるのかもしれない。

彼の描く女性は独特で、私にはなんとなくそれに抵抗を覚えるのかも。

だけど、名作と言われるものはとりあえず読んでおきたいタチなので、自分の中の読まなきゃリストに加えておこう。



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