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喜多川泰「株式会社タイムカプセル社 十年前からやってきた使者」

最近ハマっている喜多川泰さんの本。

今回読んだのは、

「株式会社タイムカプセル社 十年前からやってきた使者」。

主人公の英雄が働くことになった株式会社タイムカプセル社。

その仕事は、10年前に書かれた手紙を、書いた本人に届けること。

英雄が届ける相手は、住所変更やその他の事情で配達困難となった人たち。

英雄よりもずっと若くてベテランの海人とともに、手紙を届ける任務を果たしていく。

行き先は日本国内にとどまらず、ときには海外まで行くことも。

物語の趣旨は、10年前に自分が書いた手紙を受け取った人が新たな人生を歩み出したり、希望を見出したりするところにある。

だけど、そんな手紙を届ける側の英雄自身も人生における葛藤を抱えており、手紙を届ける中でさまざまなことを学んでいく。

学びのきっかけを与えてくれた海人さえも、つらい過去を抱えている。

この物語を読んでいると、

人の数だけ苦労があり、人の数だけ人生があるのだと実感させられる。

同時に、

どんな人でもやり直せるし、どんな人でも幸せになれるのだと励まされる。

帯の文句から、なんとなく面白そうだと軽い気持ちで読みはじめたけれど、喜多川さんの作品ならではの学び、教訓、優しさにあふれるストーリーで、ラストは思わずうるっとしてしまった。

そして、作品を読めば読むほど、著者の喜多川さんの優しいお人柄が想像できる。

素晴らしい作家さん、作品に出会えたことに感謝。

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