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墨田区・台東区と高校野球

大相撲が催される両国国技館が立地することでも著名である「墨田区」

押上・業平地区では、自立式鉄塔としては世界一となる高さ634mの地上デジタル放送用タワー、東京スカイツリーが2012年5月に開業した。観光と防災都市のシンボルにし、世界一の観光都市を目指し、今なお発展著しい。

一方、台東区は23区で最も面積が狭く、当然ながら学校数も多くはない。

「浅草」を始め、日本を語る上では欠かせない歴史と風情を残している。
東側は隅田川に接し、対岸の墨田区との区境となっている。
江戸時代を通じて、東京で最も古い市街地のひとつで、「浅草」にある浅草寺は建立1400年の歴史を誇る。
台東区でも「東京高校野球連盟」に加盟する高校は3校と少なく、内1校(都立浅草)は現在活動しておらず、実質一校のみである。

今回は様々な風が吹き始めている「下町」の野球部達を2区分まとめて紹介させて頂く。

【墨田区】

①両国

両国

江東橋に校舎を置く名高い伝統校。中学受験においては都立中高一貫校の中でも高い難易度を維持しており、一部では小石川・武蔵と共に「都立中御三家」と呼ばれている。「芥川龍之介」を始め、各界隈に数多くの著名者を輩出している都立中学校・高等学校。

野球部は自主練を含めばほぼ毎日練習に取り組む。
野球という勝負事を通し、人間育成に重きを置く。勝利という「成功体験」を積むことでチームの成長にも繋がる。という考えを持ち近年遠ざかっている勝利を追い求めている。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会3回戦
●練習場所/校庭
●練習時間/週4~6日

②立志舎

立志社

各種専門学校を運営する学校法人立志舎により設立された全日型通信制課程の高等学校。校名の由来は「板垣退助」が設立した立志社にちなんだもの。

岩倉や国士舘と言った強豪校とも接戦を繰り広げており、ダークホース的な存在を醸し出している。
2018年に「平成30年度墨田区環境改善功労者・功労団体区長感謝状贈呈式」において、立志舎高校硬式野球部は日頃からの地域の清掃活動を評価され、「美化・リサイクル部門」に選ばれるなど、野球以外の活動での貢献している。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会4回戦
●練習場所/校庭・河川敷球場 他
●練習時間/週6日

③日大一高

日大一

横網一丁目にある「学校法人 日本大学第一学園」が設置する男女共学の私立中学校・高等学校。日本大学が付属校として最初に設置した学校である。

野球部は春夏通算10度の甲子園出場を誇り、特に東西の大会に分かれる以前の単独東京大会として最後の東京代表校でもある古豪。
長らく甲子園からは離れてしまってはいるが、力は確かなものがある。
「千葉日大一高」内に専用球場を持ち、再び「夏の一高」の名声を取り戻しにいく。

【プロフィール】
●夏季最高成績/甲子園出場(ベスト8)
●練習場所/千葉県日大一高グラウンド
●練習時間/週6日
●主なOB /宮田孝将(IL高知FD・コーチ)保坂英二(元日ハム)

④安田学園

安田学園

横網二丁目に所在し、中高一貫教育を提供する私立の中学校・高等学校。
2013年度まで男子校であったが、2014年度より男女共学となった同校は、現巨人2軍監督「阿部慎之助」を始め、多くのスポーツ選手や著名者を輩出。

「千葉県鎌ヶ谷市」に専用球場を持つ。2012年秋季東京大会を見事制覇し、翌年の春の選抜甲子園大会に創部85年を持ち念願の甲子園初出場を果たした。
他ベスト4にも幾数回も進出しており、東京を代表する強豪校として名を挙げて問題ない実力を持つ。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト4
●練習場所/千葉県鎌ヶ谷市専用グラウンド
●練習時間/週6日
●主なOB /阿部慎之助(巨人2軍監督)他

【台東区】

①上野学園

上野学園

東上野四丁目にある私立中学校・高等学校。
男女共学となったのは2007年で、野球部の歴史はまだ浅い。
しかし2019年夏季東東京大会では、強豪「修徳」を打ち破り同校初のベスト4に進出し、台風の目となった同校野球部。

練習グラウンドは「茨城県つくば市」にある。台東区の学校からバスで1時間。午後4時半から3時間練習し、また学校に戻るといった、恵まれない環境ではあるが、創部浅い野球部に歴史を作った。
今後まだまだ目の離すことのできない新進気鋭のチームである。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト4
●練習場所/茨城県つくば市グラウンド
●練習時間/週6日

②岩倉

岩倉

「上野駅」すぐ傍に校舎を置く。鉄道創設に貢献した「岩倉具視」に因んだ校名の同校は、全国でも数少ない鉄道関係の教育を行う日本最古の鉄道学校であり、卒業した多くの生徒が鉄道業界へ進んでいる事でも有名。

1984年の選抜甲子園大会では、当時「KKコンビ」擁するPL学園を破り、全国制覇を成し遂げている。その後1997年の選手権大会にも出場。豊富な実績と名声を持つ古豪である。

西東京市(最寄り:武蔵境駅)に専用球場を持ち、長らく遠ざかっている聖地を目指す。だがその力と可能性は大いに持ち合わせている。

【プロフィール】
●夏季最高成績/甲子園出場(1回戦)
●練習場所/西東京市・専用グラウンド
●練習時間/週6日
●主なOB /水野貴士(BC石川)巽大介(元巨人)