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ここは日本じゃないのね。

異文化に出会うと

それおかしいじゃんと感じるんだけど

自分が異文化に異邦人として入っていくと

おまえが変なんだよと言われてしまう。


インドのAkikoさんは自宅で無くなった物が、友人宅にあるのを発見してしまうことがよくあるらしい。

最初は泥棒~って思っていたけどインド文化ではありふれた光景なんだそう。

珍しい文房具などは子供に学校に持たせたらすぐに盗られるから

持たせないようになったって。


カルロスゴーンの友人のレバノン人と結婚した職場の同僚がいた。

レバノン人と結婚して旦那とレバノンに帰省してみて驚いたのは

私のお金、物を預けようものなら

必ず親戚に使われてしまうという事実だった。

最初は泥棒~って怒り心頭になったんだけど

親族側にはまったく悪気がなく

こちらが怒っている事も理解してもらえなくて

さらに驚いたと言ってた。

商社マンのあいだではレバシリ(レバノン人とシリア人)の金銭感覚に気をつけろというのは有名な話らしい。

レバノン人と身近に接していた彼女はカルロスゴーンはまったく反省していないわよと言っていた。


トルコに移住した人が驚いたのは

家を建てたり、品物を発注して納期はいつかと尋ねると

バカなことを言うな。出来上がった時が納期だ。

と返事が返ってくるらしい。

日本人の感覚を捨てて、自然とゆったりとした時間で生きることになっちゃったらしい。


舞台演出家がロシアでロシア人のカンパニーで舞台公演をしたときに驚いたのは

公演の1週間前なのに舞台美術や衣装などがぜんぜん出来上がっていないことだった。

日本だったらあり得ない進捗状況。

ホントに公演できるのかと思ったらしい。

ところが直前の1週間で一気に出来上がって

しかもクオリティも高いものが創造されていてさらに驚いたと言っていた。

まったく物事の進め方が日本文化とは違う世界。


日本にいながら、そんな異文化の匂いが嗅げるかもと

ちょっと変わったレストランを訪ねてみた。

東京から北東へ、千葉県野田市や茨城県の常総市をバイクで走っていると

アジア系の人を都内よりも目にする。

ランドセルを背負ったインド系?の小学生がいたり

どうやら大規模な工場があるためらしい。


そのためインド、パキスタン、ネバール、ベトナムなどの

エスニック料理店の食べログ百名店が

ものすごく交通の不便な場所にも関わらず存在している。


その中でもひときわ異彩を放つお店を見つけた。

口コミには

日本人客を想定してない店。

トイレが汚い。

まるで廃墟。

口コミがなかったら絶対に入れない。

笑っちゃうくらいネガティブワードがずらりと並んでいる。


ところが今まで食べた中で一番美味しいタンドリーチキンと書かれていたり

なによりスパイスの炊き込みご飯であるビリヤニが美味いらしい。

完全に味だけで高評価を叩きだしているお店だと推測できる。


大宝八幡宮参拝の帰りに立ち寄ってみた。

イスラムの人々の祈りの場所として

工場か何かの廃墟をモスクとレストランとして再生したもよう。




たぶん廃墟からほとんど手を加えていない内外装。

口コミに書かれていたので予想はしていたけど

確かにこれは入りづらい。

内部に入ってもどこがレストランなのかすぐには分からなかった。

しかも照明はついてなくてめっちゃ暗い。


うーん、ここは日本じゃないのね。

廃墟マニアが来店したら心躍っちゃう。


奥に入って右手にレストランを発見。

お昼2時だったせいかお客さんは無し。

すいません~ん、と大きな声を出したら

パキスタンの方?らしき

たぶんワンオペのシェフとおぼしき男性が出てきてくれた。


注文は来店前から決めていた。

メニューに目を通すと、そのビリヤニがない。

口頭でマトンのビリヤニを注文した。


口コミを読んで事前学習していた。

ポイントは

量が多いこと

注文してからご飯を炊くので30分は待たされること

誰もいないので先ほど優勝が決まったWBCの動画を見ながら

気楽に待つことにした。



そういえば値段を聞いていなかった。

確認すると1000円だという。

出てきたビリヤニは都内のお店の倍ほどの量だった。



めちゃくちゃ美味い。

辛くはないんだけどいろんなスパイスが効いていて

頭皮にじわっと汗がにじんでくる。

わざわざ訪ねてみてよかったぁ。


日本じゃない空気のマーフレストランは

廃墟が楽しめる感覚のひとだったら

とっても美味しく食事がいただけるお店でした。

今度はもっとお腹を空かせてタンドリーチキンを注文してみたい。


ちなみに後日再訪したらトイレ全然汚くなかったですよ。





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