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京都へ行こう❣【269】

今回は、『源氏物語図屏風』が初公開されている大徳寺の塔頭『真珠庵』に行って来ました。
(特別公開は、9月20日〜12月8日まで)

【アクセス】
『出町柳駅前』より京都市営バス1号に乗り、『大徳寺前』で下車。

大徳寺境内案内図

大徳寺の総門前にある看板の地図を撮影して、
それを見ながら『真珠庵』へ向かいます。

途中にも看板が出ていています。
迷わず辿り着きましたが、庭師さんが手入れをされていて、こんな状態。
『通っても大丈夫ですか?』と思わず声をかけてしまいました。

混雑を避けて平日に行くので、よく庭の手入れの日に遭遇します。これで三度目!
帰りにはハシゴがない状態で撮れたので、
そちらを載せておきます。

山門

もう少ししゃがめば、奥にある唐門が綺麗に
撮れたのに。ちょっと残念な一枚💦

唐門

こちらで受付をします。
拝観料は、大人2000円。
パンフレットと首から下げる札を受け取り、
靴は下駄箱へ。
今回はちょっと厳しくて、荷物は全部預けないといけません。(文化財保護のため)

初公開の『源氏物語図屏風』や書院、茶室などは撮影不可ですが、スマホに限り方丈の襖絵やお庭の撮影は許可されています。
(フラッシュはダメ)

扁額

一休宗純和尚 筆。

『真珠庵』の開祖は、とんちで知られている『一休さん』こと、一休宗純和尚です。

寺宝である『長谷川等伯』の方丈障壁画が修復に入ったタイミングで、約400年ぶりに襖絵が新調されました。
この新しい襖絵は、現在第一線で活躍するクリエイターたちが手がけています。

『楽園』北見けんいち

室中 十六面

代表作『釣りバカ日誌』で知られる漫画家の
北見けんいち氏が手がけた襖絵からご紹介。
鹿児島県与論島で、北見氏が島民と過ごした
情景が描かれています。

人々がみんな『笑顔』な所がポイント!
この中には、真珠庵の住職の姿もあります。

どこだかわかりますか?

黒い服を着ているのが、真珠庵の住職です。

こちらには作者本人が登場。

お酒を渡そうとしているのが、今は亡き奥さまで、受け取ろうと手を伸ばしているのが、作者の北見氏です。

スタンドマイクで気持ち良さそうに歌っているのも、真珠庵の住職です。

この後ろ姿も、真珠庵の住職。

今回の特別公開は、『京都春秋』のスタッフの説明を聞きながら見てまわるスタイル。
(自由に見てまわる事も出来ます)

天蓋

方丈の仏間の前には、三つの掛軸が掛けられていて、左右は一休和尚の好きな言葉で、中央は一休和尚の直筆の掛軸。撮影は出来ますが、SNSへの投稿は禁止でした。

そのかわりに、美しい『天蓋』の写真を載せておきます。ビーズの天蓋は珍しいかも。
中央の下には『鳥』の姿もあります。

『空花(くうか)』山口和也

※パンフレットより
仏間 四面

仏間に奉納された作品で、撮影は不可。
写真はパンフレットよりお借りしました。

『かろうじて生きている』    山賀博之

壇那の間 八面

大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の制作会社、ガイナックス代表(現在は退任)でアニメ監督の山賀博之氏が手がけた襖絵です。

山賀氏は新潟県出身。能登生まれの長谷川等伯にシンパシーを感じ、日本海を描いています。

ウミネコ
己の心を映す窓の円

長谷川等伯が『線』で石や松を描いたのに対して、山賀氏は『点』を重ねて表現しています。

戦闘機

この『松』は、長谷川等伯の作品をオマージュして描かれています。

※オマージュには、尊敬や賞賛の念が込められていて、元の作品をそのまま流用することなく、独自の表現を加えて創作しています。

半年間、真珠庵に寄宿して描かれた大作です。

方丈東庭(七五三の庭)

村田珠光 作庭

国の名勝及び史跡に指定されている方丈東庭は、通称『七五三の庭』と呼ばれています。
十五個の石を七・五・三に配した枯山水庭園。

この奥が書院になっています。

『寒山拾得』濱地創宗

衣鉢の間 四面

日本画家で僧侶の濱地創宗氏が手がけた襖絵は、唐の時代に天台山の国清寺にいたとされる
『寒山』と『拾得』という禅僧を描いています。

世俗を超越した生活に多くの禅僧が憧れます。仲良く、いつも子供のように遊び回っている様子があまりにも風変わりだった為、人々に特別視され、寒山は『文殊菩薩』、拾得は『普賢菩薩』の化身とする説が生まれました。

寒山(かんざん)

銀杏の落ち葉が丁寧に描かれています。

拾得(じっとく)

『四季耕作図』狩野興以

井戸

紫式部が産湯として使用したと伝わる井戸が
あり、紫式部ゆかりの地としても有名です。

書院【重要文化財】

書院の屋根は撮影可能

撮影出来るのはここまで。
この先の書院に、『源氏物語図屏風』が展示
されています。

『源氏物語図屏風』

※京都春秋さんよりお借りしました

作者は不明。
江戸時代前期の作だと伝わります。
右隻には(―帖 桐壺、三帖 空蝉、二十四帖
胡蝶)、左隻には(七帖 紅葉賀、十七帖 絵合、十四帖 澪標)の六曲一双の屏風。
2人の女性のガイドさんに、じっくり説明してもらいました。

こちらの書院は、正親町天皇の女御の化粧殿を移築したもので、通僊院(つうせんいん)と呼ばれています。
通僊院から茶室『庭玉軒』へと続く書院式の
露地庭園は、金森宗和の作と伝わります。

茶室『庭玉軒』

※パンフレットより

『オトナの一休さん』伊野孝行

大書院 五面

NHK Eテレのアニメ『オトナの一休さん』の
絵を担当している、イラストレーター伊野孝行氏の襖絵です。
アニメのテーマソングを気持ちよく歌う一休
さんが描かれています。

一休さんと森女(しんにょ)

森女は、晩年の一休さんが溺愛した盲目の女性です。

新右衛門
没倫紹等(もつりんじょうとう)

室町時代の著名な禅僧(一休さんの弟子)で、
作者・伊野氏がモデルとなっています。
この立派な松の木は、長谷川等伯をオマージュして描かれています。

養叟(ようそう)

一休さんと仲が悪かった兄弟子です。

一休さんの説明はあったのに、この部屋の上に置かれている屏風についてはスルー。
誰の作品でどこから来たのか不明の様です。

『Purus Terrae 浄土』上国料 勇

礼の間 8面

ゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズのアートディレクターである上国料 勇氏の襖絵
です。

描かれている神仏は、リアリティを表現するためモデルを使用。何度も色を塗り重ねて、納得のいく色彩を追求しています。

幻の仏教都市と、雲海のもとに広がる大地を
完成させています。

襖絵に描かれた神仏をご紹介。

観世音菩薩

観世音菩薩の足元には、彼岸花。

風神
雷神
弁財天 

弁財天の隣にいるのは、ニホンカモシカ。

不動明王
吉祥天
荼枳尼天(だきにてん)
龍王

箱庭

井戸

いかがでしたか?
最初、拝観料の2000円は高いと思いましたが、この素晴らしい襖絵を見て納得。
数年前の特別公開では、全て撮影が不可でしたが、今回はスマホに限り許可されています。

私は1時間半かけてじっくり堪能(*´艸`*)♡
初公開の『源氏物語図屏風』も良かったのですが、『Purus Terrae 浄土』の圧倒的な世界観に魅了され、夢中で撮影✧*。
今回のトップ写真にしています。

たくさんの写真を載せましたが、実際に近くで見ると『迫力』が違います。
この秋は、ぜひ大徳寺の真珠庵へ行ってみて下さい。イチオシです!

最後までお読み下さりありがとうございます❣