京都へ行こう❣【259】
今回は、祇園祭の後祭(7月24日)に巡行する山鉾を見に行って来ました。
京都出身ですが、組み上がった山鉾を各鉾町で見学するのは初めて。
『駒形提灯』は夜の方が綺麗なんですけど、
全国的にまたコロナが流行ってきているので、人混みを避けて早朝に行きました。
三基の神輿
こちらは、京阪『祇園四条駅』から烏丸通りに向かって歩いていた時に撮影した神輿。
17日に行われる『神輿渡御』のために飾り付けられ、28日に行われる『神輿洗式』で神輿庫に収められます。
午前7時15分頃の四条通りはガラガラ。
今回は、下の地図を参考に見てまわります。
大船鉾
新町通りは車両通行止めになっていて、
鉾の前には警備の方が立たれています。
鉾の両側は、自転車が通れるぐらいしかあいていません。
かなり近くから撮影出来ます。
前祭では、鶏鉾のトラブルがあったので『車』にも注目しました。
大船鉾は今年新調した『白木の車』で、後祭のしんがり(最後尾)を努めます。
ちょっと見にくいですが、車輪には令和六年と刻まれています。
懸装品(けそうひん)の名前がわかる資料を
見つけたので、画像をお借りしました。
大船鉾の懸装品は、【有形民族文化財】に指定
されています。
南観音山
北観音山と南観音山は同じ楊柳観音が祀られていますが、『北観音山は男性、南観音山は女性である』という言い伝えから、巡行前日の23日の深夜に、布でぐるぐる巻きにした楊柳観音像を御輿に乗せて町内を走り回る『あばれ観音』の儀式が行われます。
『巡行のときに静かに座っていてもらうために、夜のうちに大暴れさせておく』といわれていますが、諸説あります。
北観音山
八幡山
巡行の際には鳥居の上につがいの鳩が飾られます。この鳩は、江戸時代の名工・左甚五郎の作と伝えられています。
八幡山のトレードマークである『鳩』の前懸。
鷹山
江戸時代に大火や豪雨で被害を受けて休山となっていましたが、2022年に196年ぶりに巡行。本格的に復帰しました。
鷹山の『車』には『船鉾』の文字があるので、
船鉾より譲り受けたと思われます。
電柱には黄色いネットがかけられ、山鉾と直接接触しないようにガードされています。
役行者山
今回、一番綺麗に撮れた『駒形提灯』。
形が『将棋の駒』に似ているのでこう呼ばれています。
こちらは、宵山専用の『宵掛け』。
7月21日〜23日までの山を飾る懸装品です。
Carp is dragon in heaven(幟)
この鯉を見て『あっ♡』と思われた方、いらっしゃいますか?
こちらは『キーヤン』こと木村英輝氏が2008年に描いた誉田屋源兵衛のタペストリー。
創業270年にちなんで270匹の鯉を描いた後、
毎年1匹ずつ鯉が描き加えられています。
現在は、286匹。
黒主山
謡曲『志賀』に因み、大伴黒主が桜の花を仰ぎ眺めている姿を表現。
山に飾る桜の造花は、粽(ちまき)と同様に
戸口に挿すと悪事が入ってこないといわれています。
鯉山
鯉山の警備員さんが声をかけてくれたので、
貴重な懸装品を見る事が出来ました!
まさに『うなぎの寝床』。
間口は狭いのに、細長い間取り。
装飾品が展示されている部屋まで、右側通行で進みます。
瓦にも『鯉』の文字!
社殿
通常、鯉山飾りの展示・参拝は10時からなのに、8時過ぎから見せてもらえた事に感激!
鯉山は、神や人物でなく『魚』をテーマにしています。山に乗るこのお社は『八坂神社』。
木製の鯉
龍門の滝を上る鯉は龍になるという『登龍門』の故事に由来し、木製の鯉が勢い良く水しぶきを上げる様を表現しています。
全長1.5メートルあるこの鯉は、左甚五郎の作。
尾びれや胸びれは、後からはめこむタイプなので動くんですよ!と係の方が教えてくれました。尾びれの上の方にネジがあります。
見送【重要文化財】
山を飾る前懸・胴懸・水引・見送などの懸物は【重要文化財】の指定を受けています。
16世紀ベルギーのフランドル地方で作られた
ゴブラン織りのタペストリーは、古代ギリシャの叙事詩『イリアス』のトロイ戦争の一場面。
鯉山では元は1枚だったタペストリーを9分割にして、主要な場面を見送と胴懸に、左右の端を短冊状にして前懸に、残った上下端を水引にしています。裏面に裂を縫い付けていたため、退色せずに昔の色合いを今に伝えています。
胴懸(東)【重要文化財】
今回は、こちらをトップ写真にしています。
前懸【重要文化財】
胴懸(西)【重要文化財】
屋台以外の宵山の楽しみ方を知って、すっかり
『鯉山』のにわかファンになりました(*´艸`*)♡
永楽屋
『水あずき』に初チャレンジしたかったけれど、お店がまだ開いていません!
橋弁慶山
2012年より『くじ取らず』で、後祭の巡行の
先頭を行きます。
鎧を着た弁慶と橋の欄干のぎぼしに片足で立つ牛若丸。五条大橋で対面する場面を現した山です。
浄妙山
平家物語の一節『宇治川の合戦』で一来法師が『悪しゅう候、御免あれ』と三井寺の僧兵・
筒井浄妙の頭上を飛び越えて先陣を奪った瞬間を表した、アクロバティックな人形の姿が特徴的な山です。
胴懸は、長谷川等伯の『柳橋水車図』を原画にした綴織になっています。
後懸も長谷川等伯の『楓図』、前懸は等伯の子である長谷川久蔵の『桜図』。
どちらも智積院にある有名な障壁画が基になっています。
上の写真は、ピラミッドとラクダの絵柄の
『エジプト風景図』です。
鈴鹿山
烏丸通りに建てられています。
伊勢国鈴鹿山で道ゆく人々を苦しめた悪鬼を
退治した鈴鹿権現を祀っています。
いかがでしたか?
早朝なのでどの山にも人形は見られなくて残念でしたが、キーヤンのタペストリーや左甚五郎の鯉を実際に見る事が出来て大満足♡♡♡
宵山の期間中には、粽(ちまき)や手ぬぐいなどが販売されています。
山鉾によって販売時間はばらばらですが、大体10時〜12時頃からなので、お昼頃に行かれると鯉山のように飾りの展示も見る事が出来ると思います。
今日は後祭の巡行です。仕事があるのでテレビ中継を録画しました。
色々学んだので、山鉾の巡行が楽しみです。