まつもと城下町湧水群めぐり (3/4)
第1回は「お掘りの水をたどる」、第2回は「時代とともに守られた水」というテーマで、まつもと城下町湧水群をご紹介しました。
第3回の今回は「水の産まれる街」というテーマで、女鳥羽川より南側、蔵の街並みのある中町を中心に湧水をご紹介します。
参考にしている「まつもと水巡り」パンフレットは、観光情報センター等で入手できます。裏面の地図も参考になりますので、松本市へお越しの際は、ぜひお持ちください。
~ 水の産まれる街 ~
2017年に開業したイオンモール松本のすぐ近く、「日の出の泉薬祖水」からスタートです。
※イオンモール松本の駐車場は、買い物すれば最大5時間無料。街歩きにもありがたい!
日の出の泉薬祖水
2019年6月撮影
松本薬業会館横に平成19年(2007)に整備された湧水です。薬屋さんの組合の敷地にあるので、「薬祖水」ですね。
2019年6月撮影 神社敷地内右手に湧水がある
同じ敷地に薬祖神社も祀られていて、茨城県にある大洗磯崎神社から、大己貴命(オオナムチノミコト)と少彦名命(スクナヒコナノミコト)が分霊されています。
どちらも出雲の神様で、日本の国土を開拓し、医薬の知識を広めて周ったといわれ、篤く信仰されています。
伊織霊水
貞享3年(1686)に加助騒動と呼ばれる農民一揆が起こりました。当時、松本藩主だった水野忠直の家臣であった鈴木伊織は、その農民たちの助命に尽力したのです。
彼のお墓の前に湧く水が、伊織霊水と呼ばれています。
2019年6月撮影 湧水は写真手前側に流れていく
水は道を渡って反対側へ流れており、ベンチが整備された小さな公園が整備されています。
水巡りルートは、この水に沿って行き、先程歩いていた道へ再度合流します。この小道もまた趣があっていいです。
蔵の井戸
道は蔵の街並みがある、中町に入ります。土産物、飲み屋、甘味処、などなど、多彩なお店が連なります。
よく見ながら歩くと、お店の前にも井戸や湧水があるのに気づくと思います。街並みと相まって、とても風流です。
中町の中程に整備されているのが、中町蔵の井戸です。
2021年6月撮影 もちろん、手押しポンプも使えます。
蔵の井戸の正面の大きな蔵は、造り酒屋だった大禮酒造さんの母屋・土蔵・離れの三棟を移築し、イベントスペースとして利用されています。
源智の井戸
おそらく松本市内で最も有名な井戸、源智の井戸です。この記事の冒頭画像が源智の井戸の写真です。
下記の記事でご紹介しましたので、よろしければこちらも読んでください。
この井戸に来る際に脇を流れていた川は、この源智の井戸の湧水も含んでいます。
古民家の前の水路
地図に沿って歩いていくと、目の前に本棟造りの立派なお屋敷が現れます。
2019年7月撮影 お屋敷前の水路 実は名前がついている川
このお屋敷を右手に折れるのですが、この先の道では、常に水の湧く音、流れる音が聞こえます。
道が狭いのですが、夏であれば耳からも涼を感じられる場所です。
源地の水源地井戸
今回のルートの終着は、源地の水源地井戸です。
2019年7月撮影 清水に水草が揺れる
ここは江戸時代から松本市の重要な水源のひとつで、すぐ隣には実際の給水地があり、現在もこの水が水道水として使用されています。
ベンチもある日本庭園風な公園として整備されています。
まとめ
水の産まれる街というテーマで、女鳥羽川南側の湧水スポット豊富なルートをご紹介しました。
昔ながらの蔵が並ぶ中町など、湧水以外にも見どころスポット満載なので、今までのルートで一番オススメです。
3回に渡って「まつもと水めぐりマップ」をもとに、まつもと城下町湧水群を見てきましたが、ルートではご紹介しきれない湧水が、まだまだたくさんあります。
次回はそんな湧水をご紹介します。
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