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現物投資の競争戦略

こんにちは、Hi_Kickです。
本日は文言通り「現物投資」について書きたいと思います。

株・為替などの金融投資から、カメラ・時計・不動産などの現物投資まで色々と触ってきました。「儲けたい!」というより興味から始まったものが多く、特に現物投資は目に見える面でも面白いなぁと感じるところです。

投資も事業です。以前にも書きましたが、会社と同じく「売上・コスト・投資」これらを意識することは勿論ながら、特に「売上」に当たる部分を失敗すると元も子もありません。

どんな現物投資を触ってきたか?現物投資を成功させるためには?事業運営と相似する部分は?このあたりをお話ししたいと思います。

どんな現物投資を触ってきたか?

下記以外にもデニムやスニーカーなど、初めは売るつもりじゃなかったが、結果的に儲かった物も多々あります。ほとんどが趣味であった為、いくら儲けたかは分かりませんが、結果的には楽しくできました。

大学時代:カメラ・レンズ
写真サークルに所属しており、中古カメラを購入する機会がありました。一時は写真で飯食べていこう!と本格的にやっていたこともあり、自分の作風に合うレンズを買い、お金がなくなっては売りを繰り返していました。
(東ドイツ製のカールツァイスが抜け感が良く好きでした!)

2、3年前まで:腕時計
1960~2000年前半くらいまでの幅広く見ていました。沢山ほしいが…それなりの値段しますので、売り買いしてその時に欲しい時計を買っていました。中には倍の値段で売れる物もあり憧れの時計に一歩一歩目指していました。
(手放してしまいましたが、60年代ロレックスの枯れ感が好きでした!)

最近:不動産
自宅マンションの売却がきっかけでした。タイミングも良く利益が出て、2年半を無料で住めた感じでした。現在では土地の魅力にハマり、築25年超のアパートを買ってインカムを得ながら、将来のキャピタルを狙っています。
(築古アパートはまだ売ってません!建替え時に売るか考えます!)

現物投資を成功させるためには?

2~3年、腰を据えて株でやっていましたが、やはりは水物。大きな投資家が動いたり、ミサイルが飛んだりすると相場がガラッと変わってします。

最終的に年末に売ってしまいました。相場のサポートもあって期間計で+25%程度。自身の月給以上の金額が動く日も多々ありヒヤヒヤしてました。

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よくあるリスク vs リターン表で見ると、現物投資はちょうど中間。
株・投資に比べると原資が0まで燃え尽きることはないが、平均して1桁%程度のリターンが期待できる分野かなと思います。

この現物投資、極めて事業運営に近い。物を調達し、運営して(インカム)、売却する(キャピタル)。考えて動けば大誤算がない領域です。

そして何より、
物である以上、最後は売却を考える必要があります。

不動産投資では「表面利回りXX%」という宣伝で商品を売ります。当然それも大事だが、最後に売れないとダメ。客付けもできず空き家になってしまうとただのコストセンターになります。(固都税やメンテ代が掛かる)

それでは、なるべく高く売る為に必要な要素は何か?
・高値を付けても値切られない魅力があること
・需要の流行り廃りが少なく、売り時をコントロールできること
・最低限、安くすれば即座に売却できるだけの需要があること

平たく言ってしまえば、「世界限定1,000足のスニーカー」が発売すれば原宿に列ができ、二次流通でも数倍の値が付き、いざとなればすぐに売れます。
(トラビスのJordan1、、いつかほしいです。。)

対して白のコンバースを2,000円と安く調達できても、良くて売価3,000円。安売りして在庫を捌こうとしても利益を考えると2,500円程度。これでは下手すると売り切るまでに数ヵ月かかりそうですよね。。
(まぁこれはこれで好きですよ。結局2,3足持ってますw)

現物投資では、調達する時点で全てが決まる。

一見するとオイシイ案件だな、と思っても結果的に高値掴みのケースがあります。本当にオイシイ案件はあまり表には出てこないので、しっかり見極めましょう。自分が参入する業界の人脈を作っておくことをお勧めします。(私が時計を買う時は値付け失敗案件や、馴染みの店で裏在庫品を買うことが多いです。)

事業運営と相似する部分は?

コモディティが進み物余りの世の中になる一方で、技術の進歩により便利で高価な物や、変わらない価値を持ち続ける伝統的な物もある。

現物投資の勝ち所として、マーケットにある代替品の中からどの様な差別化を図るか、というところに尽きると思います。

これって、企業や事業におけるポジショニング戦略に極めて近く、3C・4Pの世界で表現することができます。
3C
・自社(company)
・競合(competitor)
・市場(customer)

4P
・製品(Product)
・価格(Price)
・流通(Place)
・プロモーション(Promotion)

古典であり、結局のところ全てこれであるポーター教授の競争論。コンサルタントの必読書ですね。若手の時に分厚いポーターシリーズを半分寝ながら頑張って読んでいました。。(エッセンシャル版でてますね。。)

私がコンサルティングの導入時に良くやるフォーマットがこちら。
お客様は何を求めているのか?競合に何で差別化するか?自社の現状はどうなっているか?会社や事業の方向性を話し合う際に使います。

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先ほどのJordan1(自社)とコンバース(競合)の比較で見てみましょう。

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コンバースは「一般人」マーケットに対して価格面でウケが良い一方で、Jordan1は流通/製品面で「フリーク」ウケが良い状態とします。

一見すると双方良いところがありますが、より競争を激化させる為にVANSを登場させた場合にコンバースは優位性を保てるでしょうか?
このJordan1も二次流通は20万円を超えますが、一次流通時は1.5万円程度であり、一般人の市場でもギリギリ狙えるレンジだったりもします。

一般的に、自社と市場の接続を4Pクロスで結ぶ(Jordan1なら流通と製品)と競合との差別化が図れる状態です。(競合にとって模倣が難しい)

この例はあくまでシンプルにしたものですが、一般人とフリークを比較して「年間の購入金額が大きいのはどちらか」(市場の大きさ)や「限定品でもよりフリークに刺さるものは何か?」(特徴の強化)等を見定めていくことになります。

将来的に競合に負けない物を調達する

その点では事業運営でも現物投資でも同じです。不動産投資で「タワマンはやや危険」と言われるのも、「建物は唯一無二でも部屋数が多い≒競合が多い」状態だったりするからです。

最後に、
現物投資は金融投資に比べ、総じて利回りが低いと書きましたが、案外そうでもない。株は現金でしか買えないが、不動産や時計はローンで買える。少額の原資でレバレッジを効かせ、利回りが低くても金額では勝てるケースがあります。CFだけでなくBSとして見ると不動産投資は結構面白いですよ。

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