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人間が人間的に生きること。

 みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 いかがって言われてもねぇ・・・。って感じですね。芸能人やアーティストが「おうちで明るく楽しく自粛しよう!」と、様々なことを発信されているのを見て、私にはなかなかできないなと思ってしまいます。

 務めていたお店がコロナウイルスの影響で休業になり、最初のうちは「いましかできないことを!」と奮起してメルカリに和装小物出品したり、着なくなった古着を出品していました。でも、お休みが続くと”朝起きて、夜に眠る”ってことができなくなり、今度は体を起こすのもだるくなって、頭が回らなくなってきて、なんだか手に力が入らなくなってきたりしているような気もしてきて。簿記検定の勉強や、着物の知識、組みひもだって組み途中のものがあるのに手につかなくて。所謂完全な無気力状態。

学生時代から、日々忙しくしていることが私のモチベーションだったものですから、本当に困ったもんです。

お金が入らないから、仕事を探してみるも、いまはどこも問い合わせが多いみたいで、なかなかすぐには見つからず。こうなると、生きてる意味って何?とすぐ考える私なので

情けなくも、そんな自分を変えられずただただ泥沼に飲み込まれて窒息しそうになるだけ。

そんな中、ふと再放送をやっていた「野ブタをプロデュース。」をテレビで見ていました。昔は毎週放送を楽しみにしていた番組で、当時は9歳だった私。小学校3年生です。大好き過ぎて母親にノブタが履いていたグレーのハイソックスを買ってもらって、それを、チェックのプリーツスカートに合わせて履いて、それがすっごく嬉しかった。

そんなことから、鮮明に当時の私の記憶が蘇ってきて。早く高校生になりたかったし、可愛い制服が着たかった。(せっかく公立の高校に入学して、赤いリボンにチェックのスカート、紺のブレザーっていう可愛い制服だったのに中退したけど)困ったらキャサリンみたいな教頭先生が助けてくれたり、何かに向けてみんなで努力して、喧嘩したり、それで絆を深めたり。そんな憧れが胸いっぱいだったな、と。

それになんとなくですが、当時は願ったり祈ったりを純粋にしていたし、それが叶ったり、今よりもっと目に見えているものがファンタジーだったなぁと思います。

そして、2週目の野ブタ第2話を見て、その頃の気持ちを少し味わいたくなってきて…

普段着物が多いし、お洋服の時も中々履かないスニーカーを履いて気分転換にもなるかな、と散歩に出かけました。

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マスクはほんとはすごく嫌いなんですが・・・仕方がないですよね。でも、たまに鼻だけ出して空気を吸い込んでみたりしてました。小学生ぶりに敏感になって、土のにおいや、葉っぱのにおい、吹いてくる風を積極的に感じて。スニーカーの、紐がほどけるうっとおしさや、冷えた指で中々靴紐を結びなおせない感覚とか(笑)そんな感覚を味わうと少しだけ純粋な心の自分が戻ってきたような気分になれたのです。単純に体を動かしているということも要素の一つだとは思いますけれど。

本当に、タイトルに書いたように”人間が人間的に生きる”ということには困難なことがたくさんあって、忘れてはいけないことがたくさんあって、強くなくてはならなくて、たまに弱さをさらけ出さなくてはいけなくて、朝起きて夜に眠り、お風呂に入って清潔でなければならず・・・心得なければならないことがあまりにも多いことに改めて痛感させられます。

上に書いたように、”人間が人間的に生きる”条件を一つ失い、二つ無くし、そうしているうちに自分を殺してしまったり(精神的にも物理的にも)ということが起こるんだと思います。

だから、たまに立ち止まって、過去を振り返り、自分が何に憧れて、どんな存在になりたくて、どんな夢を抱いていたのか。何に心が動かさて、トキめいていたのかを体感として思い起こす作業が必要なんですよね。

私たちはまだ「なぜ現状こうなってしまったんだ」という原因を探すんじゃなく、「一体どこを目指して走ってきたのか」途中経過を思い出す所に立っているんです。

それはきっと失っているわけじゃなくて、大人になるにつれて、心の奥の部屋に閉じ込めて封印してしまっているだけだから、”気づく”というよりも”思い出す”ということ。

そして、思い出し易くするためには頭でグルグルと考えるよりも、体感した方が早いから、原点になった場所を訪れてみたり、好きだった駄菓子を買って食べてみたり、当時流行っていた音楽を聴いてみたり。

今苦しい人、ほんっとうにたくさんいると思います。

そんな人は、少し過去を振り返り、自分がどこを目指していたのか思い出す時間として使ってみてください。

もしかしたら、忙しく過ぎてしまっていては思い出せなかった深い部分のピュアな感覚まで思い出せることがあるかも。そして、両親に感謝したり、当時のお友達を懐かしく思ったり、昔の恋人との淡い時間を振り返って、美しい涙を流すことも、きっと浄化になると思います。


私たちは、まだまだ走り続けている途中・・・!!!