話し方は遺伝する? 信頼を得る話し方と損する話し方
今回は子育てからビジネスまで様々な場面で使える「話し方」について考えていきます。
「話が上手い人」になるにはどうすればいいのでしょう。一緒に考えていきましょう!
※この記事は発達心理学、社会言語学、心理学の論文や文献を参考に生活に役立つ知識を共有する目的で書いています。
最近は自分で表現する人が増えてきたようです。
各種配信やYouTubeなんかで個人が発信するコンテンツが増えたからかなーなんて思っています。
「話し方」というのはたくさんの方に関連のあるテーマなのかもしれません。
さて、会話に正解はないと言われています。しかし、「あの人は話がうまい」「あの人は会話が下手」そう言われるのは何故なのでしょうか。
話し方を自覚しよう
まず一つ、質問です。
貴方は自分の話し方、自覚できてますか?
完璧ですという方は戻るボタンを押してもらって大丈夫です。あれ?と思った方、一緒に頑張りましょう!
さて、話し方は専門用語で「会話」もしく「談話」と言います。
ここでは、わかりやすく「会話」という言葉を使っていくことにします。
私たち人間は絶えずコミュニケーションをとる生き物です。
子育てや仕事をしていて、一日誰とも話さなかったという人は珍しいかもしれません。
では、会話について考えて考えていきましょう。
だいたい調べようと思ったものはすでに論文や文献が出来ているもの、調査やまとめをしてくれた過去の偉人たちに感謝です。
ここではイギリスの哲学者であり言語学者であるポール・グライスさんの知識をお借りしましょう。
それは「グライスの公理」と呼ばれるものです。
これって何かというと、会話をうまくこなすルール。人が「この人、話が上手だな」と判断する要素です。
-量
-質
-関連性
-様態
この四つをバランス良く満たしている人は話がうまいということになります。
一つづついきましょう。
量
・必要な情報を適切に提供する。
必要以上の多くの情報を提供すると混乱の元です。
話すぎてもダメだし、話さなすぎてもダメってことですね。
質
内容が真実であるかどうかということです。
十分に根拠のないものはダメですよってことですね。正しいと思っているものでもちゃんと根拠を用意しましょう。
関連性
相手が話したことに関係のあることをしゃべりましょうということです。
話題が飛びまくる人は信頼されにくいです。
様態
内容の話し方やまとめ方についてです。
話が無駄に長かったり、結末が曖昧では人に話を聞いてもらうことは難しいでしょう。
そして、会話の前提ルール
「一人で場を独占しないで、発言の番(ターン)の交替がスムーズにいっている状態であること」
この「ルール」と「グライスの公理」
これを理解してしまえば、会話の土台をつかんだも同然です!
話を聞くことから始まる最高の会話術
では、どうすればいいのか。
それは、相手の話を聞くということです。
会話というのは人の知性を示すと言われるほど、脳の機能と密接な関係にあります。
つまり、提供すべき「量」や「関連性」「様態」といったものは相手の中にあるのです。
ここでワンポイント。
この公理を理解した上で、相手の話を傾聴すると、突然、公理を逸脱した会話になったりすることがあると気づくはずです。その時は相手の言外の意図があるという合図です。うまく汲み取って反応することで、相手との信頼も向上することでしょう。
振り返り
では、知識を得たところでもう一度、ご自分の会話の仕方を思い出してみてください。
どうでしたか?
相手に合わせた会話が出来ていたでしょうか。
こんな簡単なことですが、会話のレベルアップになるのです。
こんなことならもっと早くに教えてくれよ、って感じです。
でも、貴方は会話の仕方を教えてもらってないのにこれまで会話していたわけですよね?
それって実は誰から学んでいたってことなのです。
心理学者のヴィゴツキー氏は「人と人との関わりから言葉やコミュニケーションの方法は作られる」ということを示唆しています。
つまり、人は人との関わりの中で話し方を成長させていくのです。
貴方が初めて会話した相手は誰でしょうか?
そう、育ててくれたご両親です。
貴方は無意識に親の語りかけから話し方を学んでいたのです。
細かな言い回しや言葉遣いだけでなく、コミュニケーションのスタイル、会話の仕方なんかも。
もし、あなたがお子さんをお持ちでしたら、会話を大切にしてあげてください。
あなたを見てお子さんは学んでいるのです。当然、友人や同僚の方も同じですよ。
これを読んで、あなたにつられて周囲がおしゃべり上手になりますように。
一つでも参考になるものがあったら幸いです。最後までお付き合いくださってありがとうございました!
面白かったら笑ってやってください。わかりにくかったら言ってください。参考になったら使ってください。またお会いできたら嬉しいです。
言語聴覚士、へいへいでした!
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