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57.介護のお仕事

日本では、福祉と言えば なぜか“高齢者に対する介護”のイメージが強いです。

福祉=介護みたいな…。

それだけではないことは、これまでもお勉強してきました。

福祉業界は、この5年で高齢者福祉では有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、障害福祉では放課後等デイサービスや児童発達支援事業に代表されるように…急速に施設が増加しています。
 
それに伴って、人材不足や事業譲渡、廃業が起き、社会問題になるなど深刻化しています。

施設が増えると、その現場で働く人の数が多く必要になります。

その分だけ、現場責任者である施設長や管理者も必要になります。
 
一方で、現場経験の浅い人材をやむを得なく抜擢しなければいけないこともあり、マネジメント経験や学習不足などによって現場マネジメント業務が滞り、組織が崩れて離職が増加するという場合もあります。

その結果、現場が疲弊するという悪循環を招くケースも多くあります。
 
それは今後も続き、先行きが不安な状態が今後も拡大していく可能性があります。

そもそも、人員配置基準を満たしたとしても、それによって利用者にとって充分なサービスを受けられているとは限りません。
 
人員配置基準に問題があるのではなく、施設によっては内部の実情を把握しないで、儲けの為に無理のある受け入れ方をしてしまっている所が多いのかもしれません。
 
ここで、現状の人員配置基準について少しお勉強してみます。

ここからは、高齢者福祉に絞って……特に介護施設の現状を中心に改めてお勉強してみます。
 
入居する施設を決める際に“職員の質”や“人員体制”を基準の1つにする人が多いようです。

介護施設が介護の質を担保するには、一定の労働力の確保が必要です。

厚生労働省により、介護施設には人員配置基準が義務づけられています。
 
介護施設の人員配置基準は、入居者に対して配置すべき職員の人数を定めたものです。

多くの施設の介護職員(または看護職員)の人員配置基準は“3:1”の比率になっています。

つまり、入居者3人に対して最低1人の常勤の介護職員(または看護職員)を配置する必要があることを意味します。
 
介護施設が適正なケアを提供する為には、一定数以上の人員確保が必要です。
 
人員配置基準に沿った充分な人員確保によって、想定外のトラブルを防ぎ、万が一事故などが発生しても早期発見と迅速な対処ができるように体制を整えておくことが求められているということです。
 
代表的な介護施設を例に、定められている人員配置基準を見ていきます。

どの種別の施設でも、“入居者3:介護職員1”のルールは変わりません。
 
一方で、医師や介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリを担う機能訓練指導員の配置が異なる場合があります。
 
・介護付き有料老人ホーム

代表者/管理者:1人(専従)
介護職員:入居者3人に対して常勤1人以上
看護師:入居者30人までは1人以上、それを超えると50人ごとに1人追加
ケアマネジャー:入居者100人までは常勤1 人以上
生活相談員:常勤1人以上
機能訓練指導員:常勤1人以上
 
・認知症グループホーム

代表者:1人(認知症の介護従事経験者に限る)
管理者:1ユニット(5~9人)ごとに1人(3年以上の認知症の介護従事経験者に限る)
介護職員:入居者3人に対し1人以上
ケアマネジャー:1人以上
※1つの事業所における入居者の上限は18人となっています。最大で1ユニット9人…それを2ユニット設けているところが多いです。
 
・特別養護老人ホーム(特養)

代表者/管理者:1人(社会福祉事業に2年以上従事した者に限る)
医師:入居者の健康管理および療養上の指導に必要な人数
介護職員または看護師:入居者3人に対して常勤1人以上
ケアマネジャー:入居者100人までは常勤1人以上、それを超えると追加
生活相談員:入居者100人に対して常勤1人以上(社会福祉主事、社会福祉事業に2年以上従事した者などに限る)
機能訓練指導員:1人以上
栄養士:1人以上
 
・介護老人保健施設(老健)

医師:常勤1人以上
介護職員または看護師:入居者3人に対して1人以上、うち看護師は7分の2程度を確保
ケアマネジャー:入居者100人までは1人、それを超えると追加
支援相談員:入居者100人までは1人、それを超えると追加
機能訓練指導員:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかが入居者100人に対して1人以上
栄養士:入居者100人以上の場合に1人以上

…となっています。
 
人員配置基準を重視して施設選びをする際に気をつけたいこととしては、
 
1.介護職員や看護師は常勤とは限らない。

食事や入浴時の介助は多くの人手が必要なことから、忙しい時間帯にパートタイマーを入れて現場を回しているケースもよくあります。
 
2.夜勤の人員配置基準は“3:1“”より少なくても良い。

人員配置基準“3:1”は、あくまで日勤の時間帯に適用されるルールです。
夜間はこれより少ない人数で現場を回すことになります。
ほとんどの入居者が眠りにつく夜間は、見守り、急病への対応、トイレの誘導など業務が限られる為、日中ほど人手が必要ないと考えられる為です。
加えて、近年、ICT・IOT化で人員の省人化が進んでいます。
 
3.“上乗せ介護費”が必要な場合あり。

手厚いサービスを提供する為、中には人員配置を“2.5:1”以上にしている有料老人ホームもあります。
介護職員や看護職員の数が増えることで、職員がゆとりを持って介護業務にあたることができます。
それによってミスが減り、職場の雰囲気が良くなることも期待できます。
“2.5:1”以上の人員配置を行っている施設の場合、“上乗せ介護費”が発生する場合があります。
人員を厚くすると人件費がかかる為、利用者の負担もその分重くなるというわけです。
また、“2.5:1”以上の人員配置は義務ではない為、“上乗せ費用”は介護保険の適用外となっています。
つまり、全額が利用者の自己負担になります。
上乗せする介護費用は、施設側が自由に決められます。
具体的な費用については、各々の施設のパンフレットや入居前の説明会、見学時などに確認する必要があります。
 
“3:1”の人員配置基準について違反があった場合は、事業者が罰せられます。

6年以内に1度行われる施設の実地指導の際、人員配置基準の違反が疑われると監査が入ります。

そこで違反があると判断された場合、以下のような処罰が課せられます。

・事業の一時停止
・減算
・新規入居者の受け入れ禁止
・指定取り消し
 
介護施設が事業の停止や指定取り消しの処罰を受けると、当然のことですが…入居者の生活にも影響が出てくるので、こうしたルールについては知っておく必要があります。
 
現在は、人員配置基準の見直しが検討されています。

厚生労働省は、2040年に必要となる介護職員数を約280万人と試算していて、それまでに約69万人増員を目指すと発表しています。

人員の確保と業務の効率化が急務になっています。
 
現状の人手不足も深刻です。

厚生労働省は対策として、介護ロボットや見守りセンサーなどのICT(情報通信技術)の活用を条件に、人員配置基準を緩和する実証事業を行っています。

対象になるのは、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどで、昨年の4月から開始されていて、業務の効率化や職員の負担に関するデータなどがまとめられる予定になっています。
 
ここで心配なのは…、それじゃなくてもギリギリ感のあった人員配置基準の緩和が介護保険サービスの質の低下に繋がるのではないか…ということです。
 
しかし、一方で、介護職員の人材不足は深刻な状況でもあります。

今後は、介護ロボットや見守りシステムの活用やデータと根拠に基づいたケアなどが一般的になっていくと考えられます。
 
介護業界を取り巻く環境は、これから数年で激変する可能性があります。

こうした変化も考慮した上で、現状の人員体制を理解し、施設の方針や雰囲気、職員の方の人柄や対応力にまで視野を広げて、入居施設を選ぶ必要があります。
 
そんな中、介護施設はどんどん増えています。

厚生労働省が2021年末に公表した新たな“社会福祉施設等調査”の結果では、有料老人ホームの施設数が引き続き増加傾向にあると報告されています。

2020年10月1日時点で全国の都道府県、指定都市、中核市の有料老人ホーム数は1万5956施設でした。

前年から822施設(5.4%)増えていて、伸び幅は前年(4.7%)より大きくなっています。

有料老人ホームの定員数は60万9472人で、前年より3万3356人(5.8%)増加しました。
 
有料老人ホームの常勤換算の介護職員数は、前年の12万4105人より9535人多い13万3640人でした。

施設数の増加とともに介護人材を多く吸収している状況がわかります。

有料老人ホームだけで約1万人増えたとは凄い話です。

この調査は全国の都道府県、指定都市、中核市の全施設を把握したものです。
 
有料老人ホームのデータからはサービス付き高齢者向け住宅が除外されていますので、そちらも含めるともっと増えているということです。

施設は有料老人ホームや高齢者向け住宅だけではありません。

介護老人福祉施設の施設数は2021年の10月の時点で8414施設になっていて、2020年から108施設増加しました。

介護老人保健施設は4279施設で前年より25施設減少しました。

職種別の従事者数では、医師が介護老人福祉施設で1万2615人(前年から12人増加)、介護老人保健施設で8406人(前年から73人減少)。

看護師は介護老人福祉施設で2万7418人(前年から396人増加)、介護老人保健施設で2万9732人(前年から102人減少)。

准看護師が介護老人福祉施設で1万6515人(前年から595人減少)、介護老人保健施設で1万9344人(前年から1123人減少)でした。

また、介護職員は介護老人福祉施設で29万5957人(前年から3082人増加)、介護老人保健施設で12万7611人(前年から1608人減少)となりました。

介護老人福祉施設で従事する看護師に絞ると、2020~21年にかけて108施設増えて看護師は396人増加しましたが、准看護師が595人減少しており、合わせると199人の看護従事者が介護老人福祉施設から離れていることがわかります。

介護保険施設における看護師の人手不足が特に深刻だということがわかります。

2022年の介護施設や介護事業の倒産は、143件と過去最多になっています。

2022年以前で最も倒産件数が多かった年が2020年で、件数は118件でした。

介護事業所別に見るとデイサービスが最も多く、次いで訪問介護の順でした。

倒産の理由として最も多いと見られるのが、新型コロナウイルスの影響です。

収束が見えず先行き不透明な状況から、利用者の利用控えから来る収益の減少や、新型コロナウイルスへの対策コストが経営を圧迫したものと見られます。

新型コロナウイルスが世界中に蔓延したのが2020年のことで、2020年はその影響から倒産件数が急増しましたが、助成金などの支援策があったことで、翌2021年には倒産件数は大幅減に転じました。

しかし、対策コストを介護サービス料金に反映できないことや、人員が確保できないなどの反動が増したことで、2022年になって過去最多の倒産件数に繋がってしまったと考えられています。

倒産を免れた介護施設、介護事業所も決して余裕のある経営ができているわけではなく、多くの介護事業所が経営難に苦しんでいると考えられています。

倒産理由は、新型コロナウイルスの影響以外にも、原油代の高騰、相次ぐ値上げラッシュが介護事業所の経営を大きく圧迫しています。

特にデイサービスおよび認知症対応型デイサービスでは約半数の2件に1件は赤字経営に苦しんでいます。

デイサービスが不調の理由は、デイサービスの数が飽和状態にあると考えられていて、事業所数が多いことで利用者が分散しているところに新型コロナウイルスの影響から来る利用控えが重なったことが挙げられます。

また介護事業所が経営難に苦しむのは利用者数の減少だけではなく、経営コストの増加も大きく影響していて、特に光熱費の高騰と人件費の上昇が影響しています。

人材獲得の為に人件費を上げたとしても、介護業界は増えたコスト分をサービス費用に転換することが難しい業界です。

介護報酬の基本単位は一律で決まっていて、光熱費のコストや人件費のコストが上昇しても収益は変わらない事態が発生しています。

新型コロナ対策にかかるコストや物価高、人件費の上昇の上り幅に介護報酬の対応が追い付いていない状態であると考えられます。

特に老人保健施設や特別養護老人ホームといった大規模な介護施設はその規模に比例して人件費などのコスト負担が増して、多くの介護施設が経営難に陥っていると見られ、経営難から倒産に至る施設が増えるのでは…との見方もあります。

これらのことから、2023年も前年に引き続き、介護事業所の倒産や事業の売却、合併を図るM&Aは多くなると見られています。

休業・廃業・解散となった事業所は過去最高の495件です。

このように高齢者の増加に伴って、民間を中心に介護施設は増加していますが、場合によっては経営難で倒産に陥る場合があります。

民間の介護施設に入る為には、家賃の前払いのような“入居金”という制度があります。

この前払い金を保全する制度が2021年4月1日からすべての有料老人ホームが対象になって義務化されました。
 
介護施設が倒産した場合は、老人福祉法によって、この前払い金の未償却分が返還される制度があります。

公益社団法人有料老人ホーム協会の“入居者生活保証制度”は、倒産で全入居者の契約が解除された場合に協会から登録された入居者に保証金が支払われる制度です。
 
高齢者の増加に伴い、民間を中心に介護施設は増加しました。

介護施設が増えてくると同業者の競争が激しくなります。

介護や看護に経験が少ない民間企業の場合はニーズが合わなくなって、介護・看護経営破綻、つまり倒産が起こる場合があります。

せっかく入所できた家族や介護施設の職員も倒産になると大変です。
 
倒産しても介護施設を別の運営会社が引き継ぐことがよくあるので、急に退所命令や、介護職員がいなくなることにはなりませんが、この場合は利用者として注意点があります。
 
それは、経営者の変更によって、入居基準・条件の変更や介護サービスの内容変更、または介護職員側の体制変更もあると予想されます。

無料サービスだったものが有料制に変更、介護支援内容や食事内容、スケジュールの変更などが発生する場合があります。

介護職員の方もサービス担当人員の変更や別の職種への異動が考えられます。
 
そして、倒産で介護施設の経営が運悪く引き継がれない場合もあります。
 
介護施設が閉鎖になった場合は、入居していた家族を別の入居場所に移す為に新たな介護施設を探すことになります。
 
介護施設が倒産するかどうかは、稼働状況や介護人員の様子を知ると、それぞれ特徴が見える場合があります。

倒産しそうな介護施設の特徴としては、次のような兆候が見られるかもしれません。
 
・稼働率が低下している

老人介護ホームの場合、空室が多すぎると経営の危険な兆候と考えるべきです。
設備の賃借料や維持費が滞っていることが考えられ、長期間になると倒産の危機となります。
 
・職員数が減少している

介護施設の職員が減少している場合は、退職者が多くなってきているか、運営の採算をとる為にサービスを低下させて、人員削減を実施している場合が考えられます。
その為、いずれ倒産の危機に繋がってくると考えられます。
 
・設備投資がなくなる

介護施設にある設備が故障のままになっている場合や、旧式の設備のままである場合、食事の内容が急に粗末になって来た時も、設備投資やサービスへの経費削減が進んでいると考えられます。
その為、いずれ倒産の危機に繋がってくると考えられます。
 
民間の介護施設が、倒産などで不運にも閉鎖になってしまった場合には、入居中の家族を新たな入居先に転居させてあげる為、介護施設を探す必要が出てきます。

介護士不足の問題に戻りますが、訪問介護事業所数は3万5612事業所で前年から537事業所増加、訪問看護ステーションは前年から1161事業所の大幅増加で1万3554事業所になりました。

介護予防訪問看護ステーションも前年から1106事業所の大幅増加で1万3221事業所になっています。

看護師の不足は上記した通りですが、やはり、介護職も不足しています。

特に問題なのは、在宅介護を支える訪問系です。

介護施設は既に安くて安心なところはどこも満室で、特に公的な(自治体や福祉法人が運営している)介護施設の特別養護老人ホーム(特養)は、入居するのに27.5万人近くが待ちの状態になっている状況です。

2019年の32.6万人というピークに比べると5.1万人減少していますが、まだまだ多い状況です。
 
そうなると、ほとんどの人は在宅介護を選択しなければならなくなります。
 
しかし、そこに圧倒的な介護職の人材不足が重なってきます。

更に、現在の介護職は高齢化してきており、今後はその世代の退職も重なると考えられています。
 
そのような状況が解消されないと、雇い主間で介護職の取り合いが発生します。

その場合に介護保険の適用外であっても、優秀な介護職を雇えるお金をたくさん持っている方が他の人よりも高い報酬を提示して、介護職はそこに集まるようになると考えられます。

ますます、普通の人の所には、在宅介護の為のヘルパーが来なくなってしまう可能性があります。
 
これは、介護施設でも同じことが言えます。

より大きな待遇を提示できる介護施設のところに人材が集中するようになるので、結果として安くて安心な介護施設というものは、なくなっていくと考えられます。
 
自宅に来てくれるヘルパーがいない、介護施設にも入れないとなると、自分たちで全ての介護を行うしかありません。
 
これからの時代は、仕事をしながら主たる介護者として親の介護をしなければならない人がどんどん増えると見込まれます。

“ビジネスケアラー”とも呼ばれますが、その問題から派生して、ヤングケアラーの問題も拡大していくのではないか…と考えられます。

本来は、そうした事態に備える為に国民は40歳の時から介護保険を支払っています。
 
しかし、このまま行けば、在宅介護に限らず施設にもヘルパーが確保できない時代がやってきます。
 
そこには経済原理が働き、保険適用外であってもヘルパーを雇えるだけのお金をたくさん持っている方だけが、仕事と介護の両立ができるという極端な格差が生まれてしまう可能性があります。
 
結果として、お金をたくさん持っている方だけが更に充実した仕事を進められるようになり、生活が豊かになるということです。
 
逆に、一般の人は、ヘルパーも雇えない状態になるので、仕事を続けられるにしても、非正規やパートに近い仕事しかできなくなる可能性があります。
 
これが日本の格差社会の進化形です。
 
介護ロボットなどもこれからどんどん出てきますが、当然、安くはありません。

お金を持っている方だけが、ますます富むという世界が維持…拡大することになるとも予測できます。
 
介護職の人材不足の原因は、職場内の人間関係や“3K(汚い・きつい・危険)”などいろいろ言われますが、結局のところ待遇の悪さが根強くあります。
 
普通に考えても、夜勤があり、家族でさえも見切りをつけてしまうような状態にある要介護者の面倒を見るという仕事で、手取りで20万円を切るようなところに人は集まりません。
 
現在の大学生の就職先人気ランキングで、コロナの影響もあり人気面で復活を遂げたのが公務員です。
 
理由は簡単で、社会情勢に左右されずに安定していて待遇が良く昇給も約束されていてやりがいもあるからです。
公務員の年収は介護職のそれと比べると、だいたい2倍以上になります。
 
選択できるのであれば、普通は2倍の方を選びます。

医療や介護に経済原理が働いてしまうと、結果としてお金をたくさん持っている人しか助からないという状況が生まれてしまいます。
 
これを避ける為に、福祉先進国のデンマークなどでは、医療や介護に従事する人々はほとんどが公務員です。

公務員は、相手の貧富によってその対応を変えません。
 
しかし、経済原理が働く世界では、顧客の貧富によって対応を変えるのは当然のことになってしまいます。
 
経済原理の全てが悪いということではなく、むしろ第2次世界大戦後の日本の高度経済成長を支えたのはこの経済原理でした。

ただ、社会福祉には馴染まないのではないか…と思うだけです。
 
福祉は幸福や豊さを意味する言葉であり、全ての国民に最低限の幸福と社会的援助を提供するという理念を表します。
 
社会福祉は、狭義には基本的人権(特に生存権)の保障の観点から生活困窮者の生活保障や心身に障害があり支援や介護を必要とする人への援助を行う公的サービスをいいます。
 
広義には、全国民を対象に一般的な生活問題の解決を目指す取組をまとめて社会福祉といいます。
 
福祉は理想論で成り立つべきだと思いますが、社会はキレイごとや理想だけでは成り立たないという現実とのギャップが何ともたまりません。

待ったなしで進む少子高齢化による人口減少です。

社会情勢は劇的に変わっていくと思われます。

10年後には今と全く違う時勢になっているかもしれません。
 
今はこうやって介護施設がどんどん乱立していますが、50年後にはその多くが廃墟になっているかもしれません。

これから数年のことももちろん大事ですが、もっと先の将来も見据えて計画的に物事を考えていかないと、今の子ども達が幸福になるか不幸になるかの選択ではなく…不幸だけしか選択肢がない状況になっているのかもしれません。

今の子ども達の世代はもっと厳しい状況になるかもしれないと考えると、今ちゃんと、国が主体になって福祉という視点で正しい判断をしていかないと先行き不透明ではなく、先行き真っ暗になってしまうのかなと恐怖を感じます。


写真はいつの日か…恵庭市で撮影したものです。




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