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78.緊急車両と公共車両、そして一般車両

近頃は救急車に道を譲らない人が増えました。

緊急車両が現場に到着する所要時間と病院収容所要時間が年々伸びているという事実があります。

緊急車両に道を譲ることをマナーの範囲だと思っている人も多いようですが、道路交通法で定められている義務です。

車を運転する人の義務であり、救急車を含む緊急車両に道を譲らないなど走行を妨害をする行為は悪気はなくても交通違反になります。

緊急走行中の緊急車両の走行を妨げる行為については、道路交通法で“緊急車等妨害違反”と“本線車道緊急車妨害違反”という2つの違反があります。

緊急車等妨害違反は緊急走行中の緊急車両が自車に近づいているのに、そのまま走行を続ける違反行為で、反則金は普通車の場合で6000円、交通違反点数は1点になります。

本線車道緊急車妨害違反は緊急走行中の緊急車両が一般道や高速道路などで、本線車道に車線変更する時や本線車道に合流する時に進行を妨害する違反行為で、反則金は普通車で6000円、交通違反点数は1点になります。

大型車や2輪車などサイズによって罰金の内容は変わります。

緊急車両に該当するものは、道路交通法第39条第1項で定められていて…、

“政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう”

…と規定されています。

緊急車両(緊急自動車)は、人命救助や火災対応、事故対応など急を要する事態に利用される自動車のことです。

緊急車両は道路交通法によって特例が付与されていて、他の車両の追い越しや右側車線へのはみ出しが許可され、赤信号や横断歩道などでの徐行や停止義務が免除されています。

道路交通法の規定で、緊急車両はサイレンを鳴らし、赤色の警光灯をつける義務があります。

緊急車両になるのはパトカーや救急車など公的なものだけではなく民間の場合もあります。

公共の緊急車両としては、警察車両(パトカー)、救急車両(救急車)、消防車両(消防車)、自衛隊用車両などがあります。

民間の緊急車両には、電力会社、ガス会社、水防機関、道路管理会社、電気通信事業者などの応急作業車両やJAFなどのレッカー車両、病院からの医師派遣用のドクターカー、日本赤十字社や製薬会社の輸血用血液製剤や臓器の運搬車両などがあります。

他に、緊急自動車である警察用自動車に誘導されている自動車、緊急自動車である自衛隊用自動車に誘導されている自衛隊用自動車も緊急車両に該当します。

ややこしいものに、他の色の警光灯をつけた車両もありますが、それは緊急車両とは異なります。

それぞれ役割が決まっていて、黄色の警光灯は道路維持作業用自動車、青色は自主防犯パトロール車、緑色は輸送車両車です。

緊急車両が近づいてきたら、基本的に車は交差点を避けて、道路の左側へ寄らなければいけません。

しかし、一方通行や緊急車両が左側を走っている場合など…左側に寄るとかえって邪魔になってしまう場合は右側へ寄る必要があります。

緊急車両へ道を譲る際にも注意が必要であり、柔軟な対応が求められます。

二次的な事故は本末転倒です。

・急ブレーキをかけない。
・渋滞時は二車線道路の中央を空ける。
・高速道路では右側車線を空ける。
・交差点に入る直前であれば渡ってから一時停止する。
・歩行中の人も邪魔にならないよう避ける。

…などの、こういったことを気にかけることで、余計な事故を防ぎます。

もし、緊急車両から“少し前へ進んでください”などの指示があれば、安全を確認しながら協力する必要があります。

緊急走行中は赤色の警光灯が点灯している時であり、その車を発見した時には道を譲らなければいけません。

救急車のサイレン音に関しては“聴こえづらい”という意見もあり、問題になっています。

サイレン音の基準は1951年から変わってなく、“前方20メートルの位置において90デシベル以上120デシベル以下”となっています。
 
72年前と今では状況が変わっていて、現在は、カーエアコンを使用するのが当たり前のことであり、窓を開けて走行する車が少なくなりました。

そして、車のサイドガラスに遮音ガラスを使っていることも多く、車中は静かですが、車の外の音がシャットアウトされてしまうことで、70年前よりもサイレンは聴こえづらくなっています。

サイレン音は高齢者には聴きづらい周波数でもあるようで、救急車に道を譲らない運転手が多くなっている原因には、運転手の高齢化が進行していることも関係していると考えられています。

あとは近年は、救急車のサイレン音がうるさいとの苦情も多いようで、サイレンを製造するメーカーが、決められた基準の中で、音量を下げたり音質を柔らかくしたりと工夫をしているようです。

サイレン音にはいろんなモードがあり、救急車が走行する場所によって音を使い分けているようですが、耳障りでなくなったとすれば、逆に言うとそれは気づきにくくなった…ということにも繋がります。

救急車のサイレンに関しては、サイレンが聴こえても、どの方向から聴こえてくるのか瞬時に判断ができず、どこから救急車が来るのかわからないということもあります。

これは、音が広がらないようにスピーカーの位置を工夫していることに原因があると言われています。

やはり、サイレン音の見直しは必要なのかもしれません。

音量や音質、またスピーカーの位置など…。

カーナビに緊急車両の位置情報を表示させるという技術開発も進んでいるようで、位置が分かることで早い段階から対応ができるようになると考えられます。

緊急走行中の救急車を含む緊急車両に道を譲らなければ道路交通法違反となりますが、やはり、“違反になるから”という理由ではなく、人命がかかっているから…という感覚で道を譲ってほしいものです。

もし、自分が道を譲らなかったことで救える命が救えなかった場合に交法違反なるばかりではなく、損害賠償責任を問われる可能性もあります。

いつかは自分や家族が、緊急車両に乗る側になるかもしれません。

善意でもって緊急走行中の緊急車両に道を譲る習慣が求められます。

やはり、社会で生きる為には“おもいやり”が必要です。

もう1つ最近気になるのは、バスへの対応の質の低下です。

私も電車やバス、地下鉄の公共交通機関で移動するようになり、バスに乗ってて停留所から出ようとしたバスに対して、ほとんどの車が譲らないことに衝撃を受けています。

それも、クラクション鳴らして反対車線を越えて追い抜かす車が多いことに唖然としています。

実は、バスの合図についても法令で定められています。

道路交通法の第31条の第2項では…、

“停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため、進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路を妨げてはならない”

…となっています。

バスが発車でウインカーを出していた場合は、周囲の車は譲る必要があります。

この法令を知らないで、バスに対してクラクションを鳴らしたり、急加速して追い越しをしたりといった人が増えているということです。

バスなど乗合自動車を妨害した場合には、乗合自動車発進妨害違反で、普通車で違反点数1点、反則金6000円が科せられます。

このように、バスは公共交通機関なので一般車よりも優先権があります。

そんなに急ぐなら、普段からもう5分早く家を出る努力するのも良いかもしれません。

車で5分はかなり距離を進めることができます。

そんなに車でスピードを出したいなら頑張って一生懸命訓練積んでレーサーとかになるのもオススメです。

あとは車でスピード出したい人には、ドイツに引っ越すのも得策です。

アウトバーンは速度無制限です。

そして高速の料金は無料です。

事故を起こさないということと車の性能が許す限りは、どんなにスピード出してもOKです。

200km/hでも300km/h、400km/hでも出せます。

でも、400km/h台はわかりませんが、150km/h以上は体感的には麻痺して、ほとんど変わらないですけどね。

気をつけるべきことは、バックミラーで後ろを確認した時に判断ミスをしないことです。

アウトバーンでは他の車も猛スピードを出してます。

日本の道路での感覚で、のんびりと追い越し車線に出ると衝突事故になる可能性もあります。

そして、そこまでスピードを出すと、運転操作を少し間違えれば即死です。

そんなドイツでは普通の公道に出ると、譲り合いの安全運転をする人がほとんどです。

クラクションなんてほとんど聞きませんし、1車線道路が多いですが渋滞にもなりません。

とにかく、日本でも公道は自分も他人も安全・安心に利用できるようにしていただきたい…ということで、第78項目の おべんきょう を終了します。

写真はいつの日か…札幌市手稲区で撮影したものです。

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