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☆ふくしのおべんきょう☆

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もぐりのソーシャルワーカーですが、こそっと福祉のお勉強をしています。
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2023年7月の記事一覧

70.2025~ reprise

いよいよ、日本社会が突入した2025年問題です。 今後、少子高齢化がもっともっと深刻化していき、2030年、2050年と時が経つにつれて、これから四半世紀のうちに日本は現在のような社会の維持が困難になる可能性があります。 ちなみに、私は2025年には46歳、2030年に51歳、2050年に71歳になっています。 生きていれば、おそらくまだまだ現役でこの不幸な時代に働いていると考えられます。 2025年には総人口の約30%が高齢者に達する見込みで、800万人の団塊世

69.社会と育児 ~ 完全版

少子高齢化と言われますが、日本の高齢化率が高くなり続けている大きな要因は、どちらかと言うと長寿化より少子化にあります。 日本の高齢化率は世界2位に君臨していて、29.1%になっています。 通常は21%を超えると超高齢社会と呼ばれるのでとてつもない数字です。 これはまだまだ途中段階で、2065年には40%近くまで上昇すると予測されています。 総人口に占める子どもの割合は1950年に3人に1人だったのが、現在は8人に1人と低下し続けています。 平均寿命の延びも高

68.大まかな日本の社会問題

社会問題は、社会の欠陥や矛盾から生じる諸問題のことです。 労働問題、人口問題、人種問題、都市問題、農村問題、住宅問題、自然災害問題など…多岐に渡りますが、これからの日本には少子高齢化による人口減少が猛スピードで進展していることに由来する問題が山のようにあります。 まずは、自然……海や空から考えてみます。 海洋プラスチック問題です。 既に世界の海は、1億5000トンものプラスチックのゴミで満たされています。 そこに少なくても年間800万トンが新たに流入しています。

67.生活保護制度のこと

現在の日本は、生き辛い時代になりました。 既に“生きる”ことが大変というか…“生きる”ことに莫大なお金がかかるようになってしまいました。 日本は払った税金に対して、充分な還元を受けられているという実感を感じられない国として有名です。 その結果、国民は自国の政治…政府を信頼していない人が大勢いますし、“自己責任で生きていくしかない”と考えている人も多いのかもしれません。 “自助社会”です。 国の流れとして、今のままを維持・継続するのであれば、今後もその状況は酷く

66.役割理論とノーマライゼーション

最近は、インクルージョンという言葉がよく使われます。 ソーシャル・インクルージョンのことで、元々はフランスを中心にEU諸国での社会的経済格差の問題から生まれた言葉です。 1970年代のフランスでは戦後復興と福祉国家の諸制度が整いつつも、その中で排除されている人が大勢いる…という状況になり、それを“社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョンsocial exclusion)と呼んだことから始まりました。 その後1980年代に入って、ヨーロッパ全体で若者の失業問題がクロ

65.福祉用具と住宅改修

ノーマライゼーションは“標準化”や“常態化”を意味します。 すべての人が平等に生き生きとした生活を送れる社会を目指すということです。 ノーマライゼーションと同様の障害の有無を問わず同じ日常生活を実現する為の取組は他にもあります。 中でも、よく知られているのが“バリアフリー”と“ユニバーサルデザイン”の2つです。 バリアフリーは障害のある人や高齢の人をはじめとする“社会的弱者”と呼ばれる人にとっての日常生活における障害となっているものをなくして、より暮らしやすい社

64.VUCAに福祉

“当たり前のことを当たり前にこなす” 日本の社会では今でもよく言われます。 その“当たり前”とはどういうことを言うのでしょうか…。 実際のところは人それぞれで“当たり前”という基準は違います。 多様性が求められている現代は、何かを伝えようとする時にはもっと言葉を選ぶ必要があるように思います。 同時に、自分が“当たり前”だと捉えていることが、相手の“当たり前”と一致しているのか…そういうことから考えないといけないものだと思います。 ひとつひとつの動作に根

63.XYZと学校教育

同じ日本人でも、生まれた時代とその環境…社会の変化による影響から、世代間で異なる特徴が見られ、その世代によって肩書があります。 昭和の勝ち組世代が名付けたかっこいい名称です。 “団塊世代”、“団塊ジュニア世代”、“バブル世代”、“就職氷河期世代”、“ゆとり世代” などです。 そこで“Z世代”…、今これからの社会の中心に立つ世代の特徴を少し見てみたいと思います。 Z世代は既にインターネットが普及していた時代に生まれた、デジタルネイティヴと呼ばれる世代のことです。

62.社会と育児

社会の変化が、子どもの成長に大きな影響を与えていると考えられます。 まずは地域社会の中での子どもが育つ環境の変化を見てみます。 子どもが成長して自立する上で、多様な経験をすることが不可欠です。 実現や成功などのプラス体験だけではなく、葛藤や挫折などのマイナス体験もとても重要な経験です。 しかし、少子化や核家族化が進行して、ここ数年は新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、子ども同士が集団で遊びに熱中したり、時には葛藤しながらお互いに影響し合って活動する機会が減少

61.働き方改革

“働き方改革”は働く方達が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で“選択”できるようにする為の改革です。 …と、厚生労働省が公表している“働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて”には書かれています。 働き方改革が必要とされる背景には、大きく2つの社会的要因があります。 “少子高齢化による生産年齢人口の減少”と“育児や介護との両立など働き方のニーズの多様化”です。 まずは、少子高齢化による生産年齢(15歳以上65歳未満)人口の減少が挙げられます。 日本

60.入職⇄退職=人生∞

退職や転職について、少しお勉強してみます。 会社を辞めて転職したいと考えても、気になってしまうことがあります。 今の時代は転職も珍しいことではなくなりましたが、やはり気になります。 周囲の目……他者の目です。 周りの目が気になってなかなか転職に踏み出せない…という人も多いのではないかと思います。 周りの目が気になった時の1番最初にくる感情は“恥ずかしい”という気持ちでしょうか。 周りから、転職することに対して“逃げ”、“負け”という風に見られたくないはずです。

59.労働者とお金

コインや紙切れに人生左右されるなんて、人間なんてチッポケなものです。 今の福祉業界の問題点は、その業界で働く職員が社会福祉に携わる仕事をしているのにも関わらず、職員にとっての福祉は蔑ろにされているということだと思います。 様々な理由で困っている人の、その困っていることを解消して、なんとか豊かな生活をしてもらおうと頑張っているのに、その支援をしている側の人が豊かでないことが多々見られます。 そこが大きな問題です。 各職員の善意…自己犠牲に頼っていて、その職員の生活

58.学歴社会の“学歴”とは何?

日本の社会は、未だに“学歴社会”と言われています。 幼少期から“お受験”を経験する子どもたちがいたり、大手企業に就職する為に超有名大学に入ったり、人生の“勝ち組”になる為に頑張ります。 人生の選択肢として高学歴卒になる大学へ進むことを目標にしている人は、まだまだ多い傾向にあるということです。 小学校や中学校、高校で学校教育の勉強を頑張っている人の多くが“なぜ、勉強をしなければいけないのか”と考えた時に、“親に怒られるから”という話もありますが、親が“勉強しなさい”と言

57.介護のお仕事

日本では、福祉と言えば なぜか“高齢者に対する介護”のイメージが強いです。 福祉=介護みたいな…。 それだけではないことは、これまでもお勉強してきました。 福祉業界は、この5年で高齢者福祉では有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、障害福祉では放課後等デイサービスや児童発達支援事業に代表されるように…急速に施設が増加しています。 それに伴って、人材不足や事業譲渡、廃業が起き、社会問題になるなど深刻化しています。 施設が増えると、その現場で働く人の数が多く必要になり