横顔に恋をした

aikoさんの曲で、好きなフレーズうちのひとつだ。

たぶん、私が人生の中で、いちばん一目惚れに近い気持ちを持った日の話。



「適当に〇〇駅にいますね🙋‍♀️」

そんな連絡をもらい、9月のとある日、私は某駅にいた。

「どこにいる?」

「パスタ屋の前です!」

待ち合わせ場所が噛み合ってないことに、笑いをこらえきれないまま向かった。

そこの角を曲がれば、パスタ屋の緑の看板が見えるーーー。


「あ。」


携帯を片手に、ややうつむき加減のスーツさん。

そして、

横顔。

ベストアングル。

かっこいい、かもしれない。

と思った。


しばらく恋から遠ざかりすぎて、こういう感情を忘れていた。

だから、かすかに指が震えた。

「見つけた、かも」

そう打ち込んで、携帯の画面をオフにする。

2秒後。

ちら、と左手を確認したその目は、私の顔をとらえる。

その時の彼の表情は覚えていない。

ふわっと笑ったような気もするし、

無愛想な顔だった気もする。


「はじめまして。ナノハナさん?」


「はい。はじめまして、すぬーぴーくん」


すぬーぴーくんは右手で頭を掻いて、横断歩道へと歩き出した。

「…じゃっ、行きますか」

とかなんとか言った気がする。

ちょっと、寝ぐせがついていた。



後に、私の彼氏となる人。





ありがとうございます。 あなたの一押しでわたしの幸福度があがります。 そんなあなたにも幸あれ。