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平安京 妖の始まりの都

いつも、有難うございます。

今回は、妖の都、平安京のお話しをさせてください。

宜しくお願い致します。

この国の、全ての怪異、スピリチュアル、オカルト、不思議は、この都から始まりました。

体系化が始まる「始まりの都」です。



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今を遡ること、1200年前。

神代の名残を引き連れ、天皇陛下を中心に、上級官僚、公家たちは、この世の贅を極めきろうと、栄華を誇り、発展していく。


光は、闇を生む。


都に住まう人びとは、困窮していた。

蔓延する貧困と疫病。


繁栄を願い、約束するために造られた呪術都市は、かなり早い段階から、その機能を失い、死の影を落とす。


外敵から身を守ることにこそ、特化した最強の結界。故に、内から涌き出でる黒い力に、対応できずに、閉じ込めていく。

強い力で。

人心は乱れ、この世ならざる者達の跋扈が始まる。

それが、神でも、百鬼でも。



この都は、後の日本に、数々の伝説を残し、妖怪、怪異の温床となる。

現代に繋がる「目に見えぬものたち」への畏怖の念は、この時代から、急速に形成されていく。


繁栄と死が隣合わせだったから。


それ以前には、神代の神話に由来する「ケガレ」への思想があるだけで、幽霊、怨霊的な概念はなかった。

丑寅、鬼門のような方位への思想も、占いに通ずる天文学的思考、理論も、国内に於いては、この時期に形成されていく。


中華思想、長安の都を模倣し増設された都は、四聖獣に代表される「神秘的」且つ「呪術的」な護りを持って、鉄壁をし、その後の英雄たちにも影響を与え、更なる結界の完成へと導いていく。

 

面白いことに、この大結界、外敵に対しては、どんな形であるにせよ、現代に至るまで、ある程度の成功を納めている。


かの世界対戦時でさえ、歴史的価値感からなのか、原爆投下計画のためなのか、いずれにせよ、東京大空襲や、広島、長崎、沖縄のような莫大な被害と悲劇だけは避けた。

当時、軍事施設と、その需要、名声があったにも関わらず。


近代までの英雄たちも、この都に関わっていない者は、ほぼ、いない。歴史上、名を馳せる者達は、皆、一様に、この地に関連していく。

それが、武士であっても、僧侶であっても、民衆から現れた者達でも。



現代のスピリチュアル思想、オカルト思想も、この妖の都、平安京から始まったものではないか。


1000年の昔、鬼や、怨霊が跋扈し、それを封じるために、真剣に戦い、時には、共存してきた者達がいた。

疫病は、祟りであり、成功は、神や仏のご加護の賜物。


結界により、または、思想により、繁栄した平安京。それは、同時に自ら行った「外界からの隔離」でもあった。


これにより、特殊な思想が生まれていく。


「まじない」が、生活の隣にあり、光の脇には、闇が寄り添う。疑う余地すらない「目にみえぬ者の存在」が当たり前のように語り掛けてくる時代。


百鬼夜行が練り歩く、闇の世界。

神仏が光り輝く世界。

生と死が共存する思想。

武士と僧侶、陰陽師が協力していた時代。

精神論と物質的価値観が、交錯した時代。

これらの矛盾が、同時に存在できた世界。



これらは、私たちがどんなに忘れようとも、どんなに想像できなくなろうとも、本当にこの国の歴史、記憶に存在したのです。

本物の生活として。


当時の方たちも、私たちも、人間です。当たり前に笑。

ただ、環境、時代というものが、(生活は当たり前だとして)同じ人間である私たちの価値観、思想をこんなにも変えていきました。


時は違えど、同じ日本に、このような思想があったと思うと、何か、ロマンチックな心持ちがしませんか?

きっと、そこに、「不思議」が、隠れているのです。


お読みくださった方々、本当に有難うございます。

皆様が幸せでありますように。

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