あなたの「疲れた〜」は鉄不足かも?鉄不足についてとホリスティック栄養学的対処法
疲労について書こうかなぁと思っていたのですが
その理由の一つの「鉄不足」が
意外と見逃されがちなので
今日は「鉄不足」についてホリスティック栄養学的な点も含めて
書いてみようと思います。
「鉄不足」とは
もちろん「鉄」が足りない状態ですが
「貧血」とは違います。
「鉄不足」は「貧血」の原因の一つなので「鉄欠乏性貧血」になります。
でも鉄は「赤血球(ヘモグロビン)を作る」以外にも多くの働きがあります。
なので研究文献やリサーチなどを見ると
「鉄不足」は一つの疾患
的に扱われています。貧血がその中に含まれる、といった感じです。
「鉄」は結構取り扱いがめんどくさいミネラルです。
少なすぎてもダメですが、多すぎでもダメなのです。
多いと、体が錆びちゃう。
稀にヘマクロマトーシスという病気で鉄の異常蓄積が起こる場合があります。蓄積された鉄が内臓に影響し細胞に障害をもたらします。
オーストラリアでは結構多い(主に白人層で200人に1人)ですが、日本では2000人に1人ほどらしいです。
自覚症状が出るまでに時間がかかることから発見されにくいです。鉄が多すぎると問題になるということが顕著に現れる例です。
症状
▷ 疲労
▷ 眠気(昼間の)
▷ 血色が悪い
▷ 動悸や息切れ
▷ 頭痛・めまい
▷ 手足が冷たい
▷ 舌が赤い・痛い
▷ 爪が弱い・割れやすい
▷ 食欲が減る(特に子供)
▷ 免疫力が下がる・風邪をひきやすい
▷ 氷を食べたくなる
▷ 月経の出血が増える
最後の二つで「あれれ?」と思った人もいると思います。
ピカ(異食症)という面白い症状の一つで、「氷や泥を食べる」など食べ物でないものを食べる症状です。(ピカは鉄不足以外でも起こります。)
飲み物の後、氷をいつも食べる人は要チェックです。(だからと言って鉄不足とは限りません!他の症状もある場合です)
私は氷をガリガリするのが好きなのですが、いつも鉄不足です 笑
生理の出血過多は「原因」と考える人がほとんどですよね。
確かに子宮内膜症や子宮筋腫などが原因で出血過多が起こり、鉄不足になることはありますが
実は「鉄不足」が「出血過多」の原因でもあります。
実際に「鉄不足」が解消されると「出血過多」が治るケースがあります。
原因
▶︎ 需要が増える:妊娠・授乳・成長期
▶︎ 摂取不足:偏った食事や鉄を含む食品を十分に食べていない、
▶︎ 吸収の問題:胃酸が減り吸収が悪い(加齢・薬など)、亜鉛不足
▶︎ 出血:子宮内膜症などの婦人科系の疾患、生理、がん、胃潰瘍、痔など
あまり知られていない鉄不足の原因に
「胃酸不足」が挙げられます。
日本人は胃が繊細と言われますが、
加齢・薬(PPI) ・亜鉛不足などなど、胃酸不足は結構見かけます。
亜鉛は、胃酸を生成するのに必要ですが、胃酸がないと吸収が悪くなります。
「鉄不足」がなかなか解消されない時、「亜鉛不足」や「胃酸不足」も考えの中に入れておくのも大事です。
不足かな?
上記のような症状があり、「鉄不足」が疑われる場合は、
必ず検査することをお勧めします。
前に述べた通り、多くても問題になるからです。
また、隠れた「鉄不足」もあることから、
検査するをする際は、
貯蔵鉄「フェリチン」も必ずチェックしてもらいましょう。(普通の定期検査では測らないと思うので医師に伝えましょう)
鉄不足で「フェリチン」の数値が低くなることがあります。
ヘモグロビンが正常値でも貯蔵鉄が少ないってことも起こります。
もし、MCV(Mean Cell Volume:赤血球の大きさ)の数値が高くなっている場合は、B12の不足も考えられます。(ベーガン要注意です!)
注意点:「フェリティン」は体に炎症がある時(風邪や感染症など)一時的に上昇します。ものすごい高い数値が出たらその値は普段の数値かかかりつけ医とチェックしましょう。
鉄のサプリを利用する
「鉄不足」が疑われる場合は、もちろん食事で鉄を多く含む食品を摂ることが一番です。
でも「不足」が確定したら上手にサプリを取り入れると回復は結構早くに見られます。
ヘム鉄を選ぼう
処方される鉄剤は「非ヘム鉄」で硫酸鉄からなるものが多いです。
吸収が悪く、
◻︎ 便秘(一番多い)
◻︎ 吐き気
など胃腸不調の副作用があります。
もう一つの弊害は
「亜鉛の吸収を邪魔する」
吸収の悪い多くの鉄(50−100mg)を含む鉄剤は、亜鉛にも影響するので考えものです。
そして亜鉛不足がさらなる鉄不足の原因ともなるのでこのバランスを崩さないことが大事です。
「ヘム鉄」(鉄20mg目安)を4ヶ月摂取
することがお勧めです。
赤血球を作るのに120日間かかるので、4ヶ月続けることが大事です。
その後、血液検査をもう一度受け、
すべての数値が正常になっているかをチェックします。
最後に
鉄について、結構盛りだくさんになってしまいました。
鉄を多く含む食品などは
ネットなどで情報が見つけやすいので今回は省きました。
鉄不足になりやすい人は日頃から
食事に気をつけるのはもちろんですが
定期的に検査をし、上手にサプリを使うのも良いと思います。
くれぐれも摂りすぎは注意しましょう!
おまけ
鉄のサプリと亜鉛のサプリ両方を飲んでいる場合は、
朝と夜に分けるなど時間をあけて摂るようにしましょう。
一緒にとらないように!(吸収が悪くなるから)
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