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お口の中の健康は全身の健康へとつながっている:歯周病と病気の関係

むか〜し昔、学生の頃、私は歯科助手として歯医者さんでバイトしていました。

私が患者なら絶対について欲しくな助手=私

バキューム(水やよだれを吸い込むやつ)でほっぺを外から吸ってしまったり

セメント(詰め物をくっつけるやつ)がねれなくてびちゃびちゃだったり

先生がめっちゃ優しくて、なんとかクビにならなかったのですが

毎回何かやらかしては友達との笑い話のネタになっていました。患者さんは笑えないよね!

クビにならなかった本当の理由は人手不足だったと考えられますが

とにかく忙しかったです。歯医者さんって混んでるとこ多くないですか?

好き嫌いは別にして、日本では歯医者さんに通うのは結構一般的ではないでしょうか。

保険で歯科医療がカバーされているのも大きな理由だと思います。(本当に素晴らしいです!)

ですが、多くの他国がそうであるようにオーストラリアでも歯科治療は自己負担。プライベートで保険に入っていても負担額は結構します。

ちなみに歯のお掃除だけで諭吉さんが1、2枚軽く飛んでいきます。

虫歯とか他の治療となるとお会計が恐ろしくて心臓に悪い。

そしてお口の中の不健康は本当に心臓に悪いことを皆さんご存知ですか?

金銭的なダメージが歯の健康に気を遣う十分なモチベーションになりえますが、

健康に気を使うなら、お口の健康も忘れてはならいということで

今日は、歯周病と病気の関係について書いてみようと思います。

歯周病とは

私の祖母は決して体は強い人ではなかったのですが 認知症や大きな病気にもならず99歳という長寿でした。

祖母の健康の秘訣は「無理をしないことと、自分の歯でご飯を食べること」

歯は健康寿命に必須ですが、80才の平均残存歯数は日本は8.9本!8020運動(80歳まで20本の歯を保とうという運動)の目標の半分以下です。

歯を失う一番の原因が歯周病だと言われています。

歯周病は

磨き残し食べ残しなどから、細菌の塊、歯垢(プラーク)が繁殖

細菌は毒素を作る

歯肉が炎症

歯周ポケットができる

歯周病菌がさらに繁殖

毒素が歯槽骨を溶かす

歯がぐらつく・抜ける

厚生労働省は歯周病は「歯周病は歯そのものではなく、歯を支える歯ぐきや歯槽骨に炎症性の変化が起こる病気」と言っています。

つまり、歯周病があるということは、お口の中で常に炎症が起こっていることを意味します。

慢性的な炎症は、病気や老化などにもつながると考えられるため

歯周病が体全部の健康とつながっていると言われるのも理解できますよね。

また、口の中は血管が多く、心臓・脳など大切な器官とも近いです。

口の中の細菌やその毒素、炎症反応物質などが血中に侵入して影響が及ぼすというのも頷けるのではないでしょうか。

ちなみに、歯周病は全人口の11%ほども占め、一般的な病気では第6位だそうです。

日本でも、「65歳未満の成人では概ね15%前後、65歳以上の高齢者では10%強の人が歯周関連の自覚症状を有」と歯科疾患実態調査から明らかになっています。

日本だけに限らず、とても多くの人が持つ病気の一つですが

あまり深刻に捉えられていない病気だという印象があります。


血糖値・糖尿病と歯周病

糖尿病患者は3倍も歯周病になりやすいといわれ、疫学調査などからも糖尿病は歯周病のリスクファクターとして知られてきました。

関係性の原因のメカニズムはまだ不明ですが、

高血糖と歯周病の関係は明らかで

最近では、歯周病の炎症が血糖値に悪影響することも理解され、その関係性が相互のものだと言われています。

つまり、

糖尿病⇄歯周病

負のスパイラルに陥りやすくなります。

重度の歯周病がある糖尿病患者は歯周病がない糖尿病患者と比べ心臓や腎臓への影響が3倍も出やすい

とも言われ、糖尿病患者の人は特に歯周病やオーラルケアが大事になってきます。

「私、糖尿病でないので関係ない」と思っているあなた!

ちょ〜っと待った〜。

もうちょっと突っ込んで

予防医学・自然療法的な考えでいくと、

▶︎日頃から血糖値に気をつる食事をすることで歯周病予防にもつながる
▶︎歯周病予防やオーラルケアをきちんとすることで血糖値が整いやすくなる

とも捉えられると思うのです。

もちろん、糖尿病がある人や血糖値が高い人には気をつけてもらいたいですが

なっていない人も予防策としてこの情報を理解してもらえたらと思います。

心臓循環疾患と歯周病

狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの心循環器疾患と歯周病の関係はとてもよく知られていると思います。

  • 歯周病菌の感染による心内膜炎

  • 血栓への影響による動脈硬化への促進

  • 炎症メカニズムの類似点

など関係性が強いことがわかっていても、歯周病が心・循環器疾患の原因になることは証明されていません。

ただ疫病調査では歯周病がある患者に動脈硬化がみられる割合が高いことは示されています。

アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症と歯周病

National Institute on Aging(NIA)の研究所が歯周病の原因になるバクテリアがアルツハイマー病やその認知症にも関係しているかもしれないという研究分析を発表しています。

バクテリアと炎症物質が口から血中に入り脳に達すくることが一つのメカニズムではないかと言われていましたが、人に対する研究は行われていませんでした。

6000人以上を26年間追跡調査して歯周病と口内バクテリアがアルツハイマー型認知症の診断と死亡率に関係しているかが分析された結果、歯周病と口腔内の感染症がある高齢者は調査期間中にアルツハイマー病になる確率が高かったこと報告されています。

残念ながら、歯周病菌が認知症やアルツハイマー病の原因となるかは結論としてはわかっていません。

というのも、認知症により歯磨きやフロスなどオーラルケアができなくなり結果、歯周病になるということも考えられるからです。

研究者は歯周病菌の治療が認知症の軽減になるかを調べる研究が重要であると指摘しています。

アルツハイマー病と歯周病に関しては色々な研究があるようで、原因では無いですが、歯周病と病気の進行の速さなどとても興味深いです。

予防が一番

これらは一例で、

歯周病と炎症系の病気全般、そして全身の健康に深く関わりがあると考えられています。

歯周病が直接原因になる、ということは証明されていませんが

疫病調査などからも病気との関係の深さが予想されます。

また歯周病は

病気(または予備軍)を加速させる因子

の一つにも入るのとも考えられています。

バランスの取れた食事・睡眠(休息)・運動など一般的に言われる健康のために大事なこと以外に

きちんとした歯磨き&フロスで、口腔ケアをしっかりすること

を私は入れるべきだと思います。

病気は予防するのが一番ですよね!


実はマウスウォッシュのレシピを載せようと思って書き始めた記事が

研究文献などを読んでいると興味深くて

結局めっちゃ長くなってしまい次回載せようと思います。

あなたのおすすめ口腔ケアのアイテムがあれば教えてくださいね!


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