見出し画像

中小病院に電子化の選択肢を。お客様と一緒に「慣習」を超え、業界を変える | セールスインタビュー

株式会社ヘンリーは、「社会課題を解決し続け、より良いセカイを創る」というMissionのもと、クリニック・中小病院向けの基幹システムであるクラウド型電子カルテ・レセプトシステム「Henry」を開発・展開しています。

今回お話を伺ったのは、営業執行役員としてセールス全般を担当している武藤正樹さんです。

中小病院向けの「Henry」を医療現場の方々に提案する武藤さん。日々感じている医療業界が抱える大きな課題やヘンリーだからこそ届けられる価値について、お話を伺いました。

難易度の高い課題がたくさん残っている世界


— まずは、武藤さんがヘンリーに入社された経緯について教えてください!


入社前の話からすると、15年間ほど無形商材の法人向け企画営業に従事していました。その他に、採用人事やアプリ開発ディレクションなど7社10職種の経験があるため、キャリアの主軸はセールスですが「ナンデモ屋」とよく名乗っています。

ヘンリーは21年6月に入社したのですが、きっかけは以前の職場で一緒に仕事をしていたCEOの逆瀬川に声をかけてもらったことです。私は「謎解き」が好きなのですが、ヘンリーが解こうとしている課題が大きく、複雑で、意義があることに素直に惹かれました。

「ノーベル平和賞を受賞する」ことをゴールに掲げている会社ですから、チャレンジしがいのある課題をいつまでも追い続けられることも魅力でした。

— いま、皆さんが立ち向かっている医療業界の課題とは簡単に言うと何でしょうか?

一言では表現しにくいですね……。

前提として、日本は国民皆保険ですよね。そのため診療報酬を定めるのは国であり、定期的に国がルールを変更するわけです。ただでさえ時間が足りない病院経営ですが、そのうえで診療科目の最新ルールをキャッチアップすることが求められる。

だからこそ、IT技術を活用して少しでも業務の改善・効率化を図りたい。けれど電子カルテの利用率はクリニックや中小病院でまだ50%程度に留まっており、業界全体ではまだまだ進んでいるとは言えません。総じて、古くからの慣習が残っていて「変えたくない」「変える必要がない」といった声が根強いのも実情です。

とはいえ、誰かが動かないと変わらないじゃないですか。だから「俺たちがやるんだ」と。まだ小さな会社ですが、そのくらいの気概を持っていた方が仕事はおもしろくなると思っています。

「Henry」なら電子化を実現できるかもしれない

ヘンリーでの仕事について語る武藤さん

ー 具体的な営業先はどういったところでしょうか?

昨年までは主にクリニックでしたが、最近では病院が中心になっています。クリニックは院長先生と直接やりとりするケースが大半でした。一方で病院は企業と似ています。事務長から順番に院長や理事長へと話を上げていただいたり、看護部に説明に伺ったり、病院によって最適な営業ルートを選択しながら、いわゆるキーマンと呼ばれる方の味方になれるかどうかが肝です。

ー お客様は「Henry」というプロダクトにどんな価値を感じてくれていますか?

競合の大手メーカーと比べて低価格で提供しているため、まずお見積りの段階で興味を持っていただけることが多いように思います。大手は大病院向けに作ったプロダクトの機能を切り崩して、いわば「引き算」して、中小病院に販売します。一部、大手基準の機能や運用体制が残るため、中小病院には高価格かつオーバースペックになることも。

一方で「Henry」は、もともとクリニック向けに作った外来とレセコンの機能にオーダリング・入院管理の機能を「足し算」しているプロダクトのため、シンプルで安価に提供することが可能です。見積もりでは大手の1/2以下になることもあります。価格だけでなく余分な機能がなくシンプルな操作画面も評価いただいており、先日は70歳を超えた先生が2日間のレクチャーで使えるようになっていました。

こういった点からも、堅牢で個別カスタマイズに柔軟に対応できる大手のプロダクトも素晴らしいのですが、電子化を進めたいが電子カルテを入れられなかった中小病院が、具体的な検討に着手するきっかけを生み出せることが「Henry」の一つの価値だと感じます。

営業の現場で感じる難しさとは?


ー 様々な会社を見てきた武藤さんが感じるヘンリーの営業の難しさは何でしょうか?

難易度の高いことをしていると思いますね。

例えば、お客様とのコミュニケーションにおいては医療現場のことを知らなければ話がかみ合わないことがあるため、医療が遠い世界に感じる人にとっては難しさの一つかもしれません。ただ、私自身は分からない医療知識はお客様に素直に聞いています。ちなみにヘンリーには医療現場で働いて学べる「現場体験制度」があります。現場の方もいろいろと教えてくださるので、未経験の方でも安心してほしいです。

別の難しさもあります。それは、中小病院向けの「Henry」をリリースしたばかりの現時点では、感覚的には受託開発に近い営業となる点です。例えば、内部のロードマップを確認したうえでの「できる」「できない」「いつまでにできるか」といったことのお客様への適切な回答や、外部とのコミュニケーションと並行した様々な社内調整が必要となります。いわばプロジェクトを成功に導くためにアクセル全開で走りながらも、上手にコーナーリングすべく常にブレーキも意識している状態ですね(笑)。

― 立ち向かう課題は巨大で複雑なものですが、きっと解決できると信じる気持ちはどこから来ていますか?

「Henry」のデモをよくお客様にご覧いただくのですが、プロダクトの価値に否定的な意見を頂戴したことはないんですね。現場の方の反応を見ていても「Henry」のコンセプトは間違っていないという自信になります。お客様はこういうプロダクトを待っていたと思うんです。

もちろん、医療業界を変えるには相応のエネルギーや仕組みが必要でしょう。でも変えられるはずという確信があります。それは私が、まだECが一般的でなかった2000年代の楽天に勤務したときの経験から来ているかもしれません。当時の業界では「インターネットでモノは売れない」という声が多数でしたが、皆さんの知るように、業界の常識は変わりました。

「問題」を「問題」のままにしない

営業の仕事について語る武藤さん

― 武藤さんが仕事をするうえで大切にしていることを伺いたいです。

手の届く範囲の人を幸せにすることです。

正直、今の私には人生をかけてやりたいと思えることがないんです。だからこそ、やりたいことがある人と出会うと、羨ましく思うと同時に「尽くしたい」と思ってしまうんですよね。CEOの林も明確にやりたいことがある一人。なので、今は彼のやりたいことが実現できるようにと私は私のできることを全力でしたいと思っています。

そうやって始まった今の仕事ですが、一生懸命で誰かのためにまっすぐな人との出会いは医療現場にもたくさんあります。ただ、医療に従事する方々が追求する理想の前には、ルールや病院経営といったTVドラマでは描かれない現実が立ちはだかっています。そのギャップに悩む人も多く、結果的に病院は人材の流動性が高い場所になっているんです。

だからこそ、優秀なエンジニアたちがつくった「Henry」でみなさんの仕事を少しでも楽にしたい。「電子カルテ導入では業務改善にならない」と懐疑的な方には「本当にそうか?」という仮説レベルから寄り添いたい。そのためにも、現場を理解したうえで、さらに先を見据えた提案ができるよう努力を続けていこうと思います。

― 謎解きが好きな武藤さんがいま向き合っている「問い」って何ですか?

現場にいると「現状のままで回っているから問題ない」という意見も理解できます。国民皆保険制度により国から一律の指示が出て、診療科目も設備もスタッフも異なる環境下でそれぞれが工夫を凝らして作ってきたのが「今」ですから。そこで守られている命があるので本当に素晴らしいと思います。その前提で「その『今』を乗り越えていくにはどうしたらいいの?」という問いが自分のなかにあります。

楽天時代の成功体験はあれど、医療業界は特殊です。医療の質を上げると、入院患者の回転数は落ち、病院経営の観点では利益が小さくなります。つまり、ここには葛藤が存在します。今の私はまだ答えを持ち合わせていません。でもいずれは病院経営の現場を理解したうえで、手助けとなる選択肢を提示できる人間になりたいと思っています。

― ありがとうございます。最後に、営業チームではどんな方と一緒に働きたいですか?

自分が大事だと思ったことに対して「何とかしたくて何とかしてきた人」でしょうか。新卒のときの私はもう本当にできない人間でした(笑)。でもこれまでの経験を振り返ると、できるまでやればできるようになるんですよね。医療業界には助けたいと思える人がたくさんいます。助けられなくて悔しいこともありますが、悔しさをバネに力をつければ市場すら変えられるかもしれません。

一緒に悩んでくれる優秀なメンバーもいるので、「問題」を「問題」と思わずに「じゃあ、どうやったら解けるだろうか?」と考えることが好きな人と一緒に働きたいです。問題は山積みですが、実績、現場の声、ストーリーを一つずつ生み出しながら、業界の認識を変えていこうとしています。興味を持った方は、ぜひ一緒に電子化の先にある景色をつくりましょう!

インタビュー:中田 達大


ヘンリーでは、さらなる成長に向けて採用も積極的に行っています。ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。