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お掃除おばちゃんゴム手袋

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 アパートビルの掃除内職を始めた、
 2019年から20年頃の記事を、
 Pixivからnoteに移していましたけれど、

 今現在も変わらず続けております。

 という事で、
 今振り返って思い出す分だけでも記録します。

 ええもっと様々な事柄が日々多種多様に起こりますけれども、
 キリもございませんので。

(文字数:約1900文字)



2021年は地震が来た

  確か同じ年に台風も来て、
  アパートビルも揺れた。

  我々お掃除おばちゃんは、
  日々住人の皆様の健康に安全を気遣い、
  お話も伺って人となりを把握しておりますので、

  それはまぁ、
  怯えて涙を浮かべる猫ばあちゃんに寄り添い、
  ビル前道路に吹き散らされた看板等を撤去し、

  いざ何事か起きた際には、
  洪水時は猫ばあちゃんはうちに避難させるか、
  最寄りの避難所に行く時は声かけて誘導せななと、
  避難計画も相談し合っているのです。
  
  ええ。人知れずの涙ぐましい奉仕なのです。
  ご自分たちであったらと考えてごらんなさい。

  加えて数ヶ月の間は掃除の合間に、
  記憶の限りではそれまで無かった、
  亀裂や歪みを見つけ次第報告する作業に、
  追われておりました。

  おかげで特殊作業料金も、
  時給分ですが頂けましたけども、

  保険適用とか修理とかの話にもなってきて、
  これ本来私らがやるべき仕事じゃない。
  大家さん見に来て下さい。


  あとゴミ出し場に対する、
  カラスの被害が尋常じゃなかったので、

  大家さんに訴えても、
  ビルに併設できるスペースは無いし、
  なるべく予算は使いたくないという事で、

  100円ショップで買える材料を駆使して、
  自作しましたよ我々お掃除おばちゃんで。
  ゴミ出し日だけ道路脇から引き出せる、
  ゴミ出しカゴ的スペースを。

  とりあえずカラスからの被害はマシになったが、
  住人じゃなくても道路を通る連中よ。

  なぜそのカゴに向かって、
  犬にトイレさせて許されると思う?
  その間飼い主どもは携帯いじって知らん顔してやがる?

  動物や虫はもう仕方がない。
  言葉も通じない別種の生き物だから。
  しかし貴様らは人だろう!
  人様の御心くらいお持ち合わせでしょうが!


2022年は死にかけた

  なぜかって熱中症で。

  更に言えば、
  経年劣化で日夜浴びている雨水が、
  外に突き出した階段部分に染み込み、
  建材を腐らせ崩落させる危機がある、
  という事で、

  階段全体を覆うアクリル板が建てられた、
  おかげで階段部分は保護されたけれども、

  我々お掃除おばちゃんは、
  掃除中に吐き気がするほど暑い。

  訴えてアクリル板に窓を付けてもらった。
  ってかおい温室的密閉空間になる事くらい、
  取り付け前後に察しといてくれ。


  あとアパート併設の花壇に植えられた、
  結構な高さの木にアオムシがいっぱいいて、
  「ベランダに入る」という苦情が、
  住民からも寄せられ駆虫を頼んだ。


2023年は人が亡くなった

  気象庁から公式に発表があった通り、
  異常な暑さであった。

  我々も二、三の工夫を講じて乗り切ったが、
  それでも2回ほど軽めに熱中症だった。

  アパートの住人はお年寄りが多い。
  クーラーを取り付けない人すらいる。
  救急搬送された結果痴呆症を診断され、
  特養ホームに移った御夫婦がいた。

  自室で急に倒れて亡くなった方もいた。

  我々お掃除おばちゃんも日頃から接していた方で、
  配偶者は既に亡くなられ子供もおらず、
  親族の方が駐車場で簡易的にだが執り行ってくれた、
  お別れ会的なものに参加した。

  駐車場と言えど運良く車が出払って広く使えて、
  住人の中のお友達も参加して、
  わりと悪くも無かった気がする。


  あとアパート併設の花壇に植えられた、
  結構な高さの木に、
  今年もアオムシがいっぱいいるはずだ。
  それなのに姿が一匹も見つけられない。

  葉は食われまくっている。
  フンも地面に落ちまくっている。
  絶対いるのに、
  去年はあちこちに姿を見せていたのに、
  今年は連日目を凝らしてもさっぱりだ。

  「絶対前の世代から何か伝わってるわ」
  「どうやって伝えてるんでしょうねぇ」
  「不思議やなぁ」

  見つけ切れないので証拠が出せず駆虫も頼めない。

  すげぇなコイツら、
  と我々お掃除おばちゃんは内心感嘆している。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!