見出し画像

明智抄『始末人シリーズ』

 ドラマも大好きでしたけど、
 1980年代当時の高校・大学生に置き換えた、
 マンガ作品が何でか分からんけど好きで、
 基本短編なんですけど全5冊集めていました。

 ちなみに作者本人のあらすじは一切参考になりませんので、
 
検索しても内容が反映されていない場合があります。

 余談ですが私の感覚では、

   大好き << 何でか分からんけど好き

 です。


 大学生の白市高屋(しらいち たかや)と、
 後輩で高校生の河内入野(かわうち いりや)と、
 途中で加入する「小鳥さん」。

 上記2名はやったら美形な上に、
 「仕事」に臨む際はきらびやかな仮装(女装込み)という、
 要はBL風味のコメディーなんですけれども、
 明智先生独自の味わいが複雑な旨味を醸し出していて、
 コマの端々まで熟読していました。
 作中歌『白い哀しみ』が暗誦できるほどに。

 本来「コメディーで人が死ぬのはよろしくない」、
 と考えている堅い人間なんですけれども、
 このシリーズに関してはオッケーかなと。

 依頼する側もターゲットになる側も、
 まぁひとクセある人間性に事情揃いで、

 依頼の理由も、
 「パンツ(白ブリーフ)を盗まれたから」とか、
 「ペットのサンショウウオが苦しんだから」とか、
 「うちのイグサ畑に転がり落ちただけでなく、
  歩き回って苗をダメにしたから」とか、
 一見ふざけたものばかりなんですけれども、
 依頼者達にとっては、
 そうとしか言いようがない真実、かつ真剣で、

 善悪は気にしない。
 正義とは言わない。
 稼いだ金で暮らし振りが変わるわけでもない。

 ただ自分達が「向いている」からやっているだけ、
 という始末人達の基本スタンスが快かった。

 「仕事」シーンが美しいから許されてはいます。
 何せ美形が着飾っているので。
 「小鳥さん」は何のかの言ってカシコ可愛いですし。

 最終話近くでもう一人が加わって、
 謎が深まったような解けたような辺りで終わります。
 もしかすると雑誌には載ったのかもしれませんが、
 単行本に収録されていない。
 しかしまぁそれはそれで構わないかな。

 次作『図説オカルト恋愛図鑑』も好きでした。
 「珠美おばちゃん」の話が特に。

 この記事を書くために調べましたら、
 先生2020年に亡くなっておられた。
 ご冥福をお祈り致します。

#マンガ感想文

この記事が参加している募集

マンガ感想文

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!