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「親を選んで生まれてきた」という無慈悲

 ⚠︎注意⚠︎
  この記事は、
  人によっては極めて不快に感じられる事が察せられます。

  しかしながら私、偏光にとっては切実な実感である事を、
  心に留めつつ読み進め切れる方にのみ届けたい内容ですので、
  批判や削除依頼等がありましても容易には応じ切れません。
  御了承と御分別を願います。


一族待望の跡継ぎ

  まず我が家系をざっくり説明しておきますと、
  曽祖父に生まれた7人の娘の、
  末娘(つまり祖母)にようやく、
  南方戦線の負傷兵を婿養子に迎えて生まれた3人の息子、
  その長男(つまり父)に生まれた2人目が、
  私、偏光です。

  長子は女性(つまり姉)、ですけれど、
  「一姫二太郎」が理想像とされていた事もあり、
  祖母の姉、父にとっての伯母さん達(6人も!)は、
  それはもうえらいこと可愛がって、
  姉の事も両親の事も褒めちぎってくれました。

  私が女児に産まれるまでは。

  私が産まれた途端に伯母さん達は、
  それまでの我慢に負担への恨みが噴出したのでしょう。

  私を「悪魔の子」であり「呪いを浴びた」と決め付け、
  両親にも末の妹にも会いに来なくなり、
  一族からの酷評を真に受けた両親からも、
  私は「失敗作」として扱われ続けるのですが、

  私の方では、
  本来男子に生まれるはずだったものを、
  「この家で男に生まれては剣呑だ」と、
  寸前で女子を選んだ感覚がある。
  幼い頃からやたらと付きまとっている。


生物学的見解

  誰に話したとて苦笑され否定されるばかりでしょう。
  「女性として魅力に欠けた者の哀れな妄想だ」
  と父からは鼻で笑われました。

  生物学、また発生学から見ても有り得ません。

  ヒトはまず女性体として形作られ、
  男性染色体Yを有する場合にのみ、
  男性体に特化して行くわけですから。

  しかし40も過ぎた近年ふっと思い当たったのです。
  私には、同い年の従兄弟がいる。

  父の弟(つまり叔父)の子で、
  私より一、二週ほど先に生まれた男子で、
  脳性麻痺で動く事もしゃべる事も出来ない従兄弟が。
  (余談ですが先日投稿を終えた小説の登場人物、
  「アース」も従兄弟をイメージしています。)

  障害が明らかになった時点で彼もまた、
  一族から「呪われた」と決め付けられ、
  とてもこの環境では育てられないと、
  叔父夫婦は県外に移住したので、

  私が会えたのは現在までに、
  数回の数日程度なのですがそれでも、
  叔父夫婦が彼のために懸命に、
  環境や将来を整えてきた事は良く分かる。
  (彼が「就職」出来ている時点で、
  本人も親もどれほど力を尽くしてきたが分かるでしょう。)

  彼が私として生まれる女子だった可能性はないだろうか。

  彼もまた、
  「私の両親の下で女子に生まれては最悪だ」と、
  私よりも先に男子に生まれてくれたのだとしたら、

  私個人の、しかも、
  叔父夫婦には無礼な思い付きとして、
  片付けるにはどうにも恐ろしいまでに、
  現状は、上手く行ってしまっている。

  私が男子で生まれても、
  彼が健康体で生まれても、
  否応無く跡継ぎが押し付けられていただろうし、

  双方男子として生まれた日には、
  我が一族は跡継ぎを巡っての、
  骨肉の争いにまみれる地獄絵図になっていた。

表題に対する私個人の見解

  「親を選んで生まれてきた」のは、
  私の従兄弟にとってはその通りかもしれず、
  叔父夫婦には一服の安らぎになるかもしれない。

  私自身もああ確かに選びはしたかもしれないが、
  貴様らを、
  望んだものだとなぜ言い切れる。

  ヒトは土地に先祖にある程度縛られて生誕するものだ。
  そこは親とて先祖とて同じだろう。
  そして生まれた以上は本来どこに行こうと、
  他者からは留め切れないものだ。
  一人一人が異なる身体を有しているのだから。

  そもそも我が一族は関西からの移住民であり、
  先祖自体が「もうこんな土地イヤ」
  「こんな家潰して関西に帰りたい」
  「せめて子孫の代には関西に帰したい」
  と思っていた可能性すら、
  調べれば調べるほど充分に有り得るんだよなぁ我が家の場合。
  
  もちろん、
  九州が性に合っている、素晴らしい良い所だ、
  親は子供を愛するものだし家庭に家族はあたたかいものだと、
  それが人生の大前提になっている方々は、
  もちろん多くいるだろうしそれはそれで構わない。
  おめでとうございます。どうぞ先祖に家に感謝して下さい。

  一方でそうではない人々も、
  存在する事くらいは認めてもらいたい。

  心の冷たさ云々ではなく、
  運の良し悪しですらない。
  土地や先祖との結び付きに、
  如何に対応するかが異なるだけだ。

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