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SAKURA幼稚園ツアーの感想と質疑応答

こんにちは!Piece of Syriaのへむりです。
9月26日に、クラウドファンディングご支援者さん限定の「SAKURA幼稚園ツアー」を実施しました。
今日はその感想と、出てきた質問へのご回答をさせていただきます。

ツアーの流れ 

幼稚園の中を周って、教室、プール、プレイグラウンドを見ていただきました。
ちょうど幼稚園が卒園・入園の時期ということもあって、ツアー当日は生徒があまり居ない状態でしたが、「SAKURA幼稚園が好きだから」と幼稚園に遊びにきていた子ども達がいましたので、先生だけでなく子ども達にも直接質問することができました。

2022年9月に205名の園児が卒園しました

特に好きなアクティビティは空手、水泳

先生によると「体を動かす楽しいアクティビティ」が大好き。空手が好きな理由としては、日本からの支援でできた幼稚園なので、日本の文化を知りたいと言う好奇心からだそう。そのほかにも、心身ともに鍛えること、護身術として習ってほしいという親の希望もあったそうです。

必要なものが手に入るなら「広い場所」がほしい

幼稚園は「安全」な場所です。自由に遊べる安全な場所である幼稚園は貴重です。
ですが、「できるだけ多くの子ども達に教育を提供したい」という思いもあって、可能な限りの子ども達を受け入れているので、スペースが狭くなっています。
卒園生からも「もっと広い場所で、もっと自由に遊べたらよかったね!」という声がありました。


先生が子ども達に関わる中で大切にしていること

幼稚園があるのは国内避難民が集まる地域。そのため、子ども達は地域の方言・アクセントが異なり、時に意思疎通ができないほど。フォーマルなアラビア語を使うようにするほか、写真やストーリーを使って理解しやすいための工夫してします。

子ども達の夢は「お医者さん」「先生」「エンジニア」

ちょうど遊びにきていた卒園生に将来の夢を聞きました。
「先生になった子ども達を教えたい」
「お医者さんになって、シリアの人たちの病気や怪我を治したい」
「エンジニアになって、難民の人たちがテントじゃなくて普通の家に住めるようにしたい」と教えてくれました。


幼稚園で一番の思い出と嫌いな教科は?

「勉強が好きだったよ!空手も、水泳も。嫌いな教科はなかったなぁ」
「全部好きだったよ!勉強は得意だしね。でも絵を描く時間が一番好きかなぁ」
「卒園してしまったけど、空手コースをやってほしい!」との声が。

カリキュラムを作るのは幼稚園のスタッフ

スーパーバイザー(パートナーNGOのシリア国内での運営監督)のアナス氏と園長のラナさんが方針決定をする立場にあります。加えて、経験のある教育アドバイザーが幼稚園を定期的に訪問し、先生への助言を行なっています。

幼稚園運営の難しさは「生徒の受け入れ」?

幼稚園を運営する上での難しさはなんですか?という質問に対して、園長先生の答えは「生徒の受け入れよ」と話します。
なぜなら、地域で唯一の無料で通える幼稚園であり、教育の質も高いSAKURA幼稚園には、募集をかけるとすぐに定員を超える応募者が集まります。ですが、スペースは限られており、すべての生徒を受け入れることはできません。
そのことを、入園できなかった園児の親に説明しますが、「どうして私の子どもが入園できないの」となかなか聞き入れてもらえません。

(下記の質問はツアー終了後のアンケートにていただいた質問への回答です)

ご質問①子どもたちは、お昼ご飯はどうしているのですか?お弁当を持ってきているのでしょうか?

幼稚園は午前(9:00-12:00)と午後(12:30-15:30)に分かれていまして、それぞれ100名ずつの合計200名の生徒を受け入れています。
そのため、お昼ご飯は幼稚園が終わった後か、始まる前に食べてきているので、お弁当はありません。

ちなみに一般的にシリアの学校は給食はなく、14時頃まで授業があって、帰宅後に昼食を家族と一緒に食べていました(中野が見聞きした情報)。

ご質問②定員200名に対して申込数は235名ということでした。もっと多いのではと想像していたので、2割増し程度ならなんとか全員受け入れられないかとも思ったのですが、200名より増やせないのは、どういうことが一番ネックになっているのでしょうか?

実は、新規生徒登録の申し込みは受け付けないようにしています。
と言うのも、申し込みを受け付けてしまうと、最低でも500名を超える申し込みが来るのは間違いないからです。
(前回も定員をはるかに超える希望者が殺到し、受け入れてもらえなかった家族からのクレームが多くあり、理解してもらうのが大変だったと聞いています)

より多くの人数を受け入れるためには、より広いスペースと家賃、より多くのスタッフの給与が必要なため、そこがネックとなっています。


ご質問③教育カリキュラムは自分たちで作っているとのことでしたが、苦労する点や課題などはありますか? 


私はここで教育の専門家と共に、カリキュラムに沿って活動をしています。私たちの目標は、子ども達が質の高い教育を受けられることにあるので、科学的な根拠を持って適切なカリキュラムを選ぶ必要があります。
カリキュラム内に政治的な主張が強いものがあり、それに沿った写真や情報を掲載することがあります。私としては、政治的な思想から離れた形での教育を通じて、次の世代を築こうと考えています。


参加してくださった方のご感想(一部ご紹介)

・思いがけず卒園生の子どもたちに会えて、しかも彼らが元気に小学校に通っていて、将来の夢をしっかりと持てていることがわかって、とても感激でした!嫌いな科目がないということは、子どもたちが楽しめるように先生たちが努力されているのだろうなと思いました。開設当初は大きな施設だなと思っていたのですが、生徒が増えたことで早くも手狭になっているようで、ニーズの大きさを感じました。今回のクラファンも何としても成功してほしいです。

・とてもよかったです!現地の運営担当の人や活動担当の先生の話を直接聞くことができたのがとてもよかったです。本当に子どもたちのことをよく考えてくれている話を聞けて感動しました。
日本の園児たちが普通に得られる機会を提供することでこんなにも子供たちが喜んでくれて、嫌いな科目はないというほど幼稚園での時間を楽しんでくれていることがわかって、支援側としてはとても嬉しかったです。
現地のネット状況が思ったほど悪くなかったので、子どもたちや先生たちとつないで交流するイベントもできるかも?という希望が見えました!

・実際に子どもたちがどのような場所で過ごしているのかを見学できてとても有意義でした。子どもたちが勉強の楽しさや将来の夢を楽しそうに語っている姿を見て、さくら保育園のみならず、学校や保育園など子供のための施設、設備がより充実なものになることをさらに願っております。


「今回のような現地との交流をまたしていただきたい」とのご感想もいただきましたので、是非、今後もこのような機会を作っていければと思います。
ご参加いただいた皆様、そして、ご支援してくださった皆様、本当にありがとうございます!引き続き、どうぞ宜しくお願い致します!

ご参加、ありがとうございました!

<クラウドファンディングへのご支援はこちらから↓>

 

幼稚園の状況について現地パートナーによる解説


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