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時候のあいさつ

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季節の瞬間瞬間を切り取っていきたいと思っています。解像度もシャッタースピードもまだまだぼんやりしていますが、そのトレーニングも兼ねて… 「あ、いま(その季節の風を)感じた!」と言… もっと読む
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樹の年輪のように

樹の年輪のように

 母は優秀な人間である。
 でもそれ以上になぜだろう、きっと私の方が優秀だという
根拠のない自信がある。

 それは肌のケアの仕方だったりスマホの使い方という時代の技術の恩恵もあるけれど、きっとわたしの中には母の記憶がすでにあるからなんじゃないかと思っている。

 ちいさい頃からなんども聞かされてきた「お母さんは昔ね...」ではじまる数々の思い出たち。嬉しいことも、悲しいことも。

 母の記憶を追

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夏は空が高い

夏は空が高い

「夏だなぁ、空が高いなぁ!」

散歩の途中、空を見上げながら主人がしみじみと言いました。

え、と声がでてしまいました。

「空が高い」というのは秋の専売特許のような気がしていたからです。

ほら、”天高く、馬肥ゆる秋”っていうじゃありませんか。

主人にそう言うと

「そうか!」とだけ言って笑っていました。

そんなざっくばらんな笑顔を眺めていると、さっきまでの自分の違和感がだんだんとちっぽけに

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季節のお知らせ

季節のお知らせ

この時期になると、スイカやももを切った端っこのほうを台所でほおばるというのが私の「夏だなぁ」という瞬間です。

今日は風鈴を掛けました。ますます夏です。

たくさん出てくるシャボン玉も買いました。…夏?…です

ひとつ新しいのは、息子用の水鉄砲も買ったことです。今年は二年目の川遊び。水鉄砲は使えるのかな。おまけにお風呂で遊ぶ、船のおもちゃも買ってしまった。

くるくるくるくる。夏がくるぞ。

気持ちのいい風。役目を終えた花殻をすべて振るい落としてまっさらにして、風で踊った枝葉が冷たい水をどんどん先まで行き渡らせて、伸びていく、伸びていく。
少し遠くに行けそうな気持ちになる。