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日本の男女平等が遅れてると言われても世間に響かない理由

現代ビジネスでこのような記事を読んだ。

簡単に言えば、日本の男女平等のレベルが遅れてるというか、むしろ何考えてんの?というレベルで遅れているというものらしい。

世界経済フォーラムという所が出したジェンダーギャップレポート2021で日本は見事156カ国中120位にランクインしたらしい。

もちろん中国にも韓国にも負けているし、アジア20カ国で見ても日本より下はフィジーとバヌアツとパプアニューギニアが名を連ねている。

ちなみにパプアニューギニアという国は日本が青年海外協力隊で経済援助しに行くような国である。

2006年からこのレポートがあるらしいが、かつて80位だった日本は見事にあらゆる国に追い抜かれて120位にまで没落したということになっている。

じゃあ何が原因なの?と気になるところだが、結論から言うと「政治」と「経済」の項目が明らかに順位が低くなっている。

政治というのは言うまでもなく女性議員の少なさが原因ということになる。

これについては日本でも度々話題に取り上げられる。

ただ、その根本的な原因についてどうも解決策を見いだせないでいる感はある。

まず前提として政治家に男と女が丁度いいバランスでいたほうが良いというのはなんとなくわかる。

男性の気持ちは男性がわかりやすいだろうし、女性の気持ちは女性がわかりやすいだろうし、LGBTならLGBT、障害者なら障害者目線を持つ人がいいということで、男女平等という以前にいろんな人がいたほうが良いというのはわかる。

ただ、政治家の場合、立候補者を見てみると男性が圧倒的に多いと思う。

立候補していない人に投票することは出来ないので、女性を見つけたら優先的に投票するべきなのかイマイチよくわからない。

女性だからといって投票するのは、それも逆に男女平等に反する気もする。ただ、女性が全然立候補していないとしたら、女性議員を増やす手段がない。

そもそも日本人は選挙に無関心な民族である。それが何よりもまず大きな原因の1つであることは確実である。

そんな国で女性議員の数などと言われても、「いや選挙行かねぇし知らねぇよ」となってしまう。多くの国民は、男女平等とか先進的な議論の前にまず不祥事起こす役立たずの議員辞めさせろよ。と思っている。それはまた男女平等とは別の議論である気もする。

ただ、東京都知事選で小池百合子都知事が圧倒的大差で他の候補者を蹴散らした事実を考えると、別に女性だから投票しないとかそういう意図は無い気もする。

絶対数として女性議員は少ないが、国民は男女平等に反対しているということではないと思う。

じゃあ何が障害になっているのか。といえば、おそらく政治家の人達の考え方であると思う。

確か菅総理になる前の総裁選で、野田聖子議員が総裁選に出馬へ意欲と取り上げられてたが、結局出馬したのは岸・石破・菅の3氏だった。

こんなことを言うのもあれだが、私達の世代が普通に一般的に生きていたら、別に男女平等とかいちいち考えなくても当たり前にやることだという意識が根付いていると思う。

同じ仕事しているのに男女で給料が違ったらそれはオカシイというのは当然の感情である。ただ、一部の頭がおかしい人が紛れ込んで反対しているのも事実としてあると思う。

能力があれば男女関係なくリーダー的な立場に立って良いと思うのが普通の人間である。ただ、それが日本では実現しない。

それはなぜかと考えた時に、日本のリーダー的な立場に立つ人はそもそも能力を考慮されてないからである。

能力があって優秀な人がちゃんと上に行く仕組みが出来ているのなら、日本がこんな30年以上経済停滞するわけがないし、セクハラやパワハラが日常茶飯事になるわけがない。

男女平等が進まない根本的な原因は、そもそも日本で人の能力などの査定の基準が確立されてないからである。

それだから別に優秀な人に給料をたくさん支払うという仕組みも出来ていない。江戸時代のような身分制度がいまだに残っている。

部長に能力があろうが無かろうが、「この人は部長だから」という理由で給料が決まる。全然偉くない人なのに、急に偉い人になる。それは能力とかどれくらい成果を上げたかではなく、「部長だから」それだけの理由である。

その文化が色濃く残っている日本は「新卒だから」月20万円になるし、「女だから」給料が上がらないし、「非正規だから」ボーナスも退職金も無い。なぜかわからないが交渉の余地もない。交渉しようとしても、ヘラヘラして誤魔化されるだけである。

日本で男女平等の問題を語る時に、そもそも原因が男女平等の問題じゃないという根本的な間違いを犯していることになる。

データで見ると男女に差があるので、男女平等だという議論になってしまうが、男女平等を是正しようといろいろ改善を試みても上手く機能しないのは、ガン細胞と関係のないところばかり切除しているからである。

もちろん昔の昭和を生きてきた人からしたら、女性は結婚したら家庭に入るものという刷り込みがあるので、私達の世代とは考え方が違うだろう。

いくらバカでもそんな時代錯誤を今言っていたら、「なんでちょんまげ付けてないんだ!」と言っているようなもんで、社会に出て働いている50~60代の人らは多少気をつけてはいるだろう。

ただ、その世代の人達は役職的に上の立場にいて、森喜朗氏のように女性蔑視をしている原因が浮いているように見えるので、そこを切れば問題が解決すると思いがちではある。

そこを切っても改善されないのは、日本の状況を見てよく分かると思う。私達は身分制度のような文化を当たり前だと思って生きている。

男女比べてわかりやすい例が何かないかと考えたら、アナウンサーという仕事が思い浮かんだ。

テレビのアナウンサーには男女両方同じくらい数がいるんじゃないかと思う。もしかすると、女性の方が多いかもしれない。

ではあの人達がアナウンス能力でテレビで起用されているのかと考えると微妙なところである。

私の主観かもしれないが、女性アナウンサーでテレビに出ている人は男性に比べて年齢層が若い気がする。男性アナウンサーはベテランの人でも結構ニュースを読んでいる人がいる印象である。

アナウンス能力というのは別に年齢に関係なくあるかもしれないが、単純に考えてベテランの方が経験があって、聞き取りやすいアナウンス能力があると思う。

じゃあなぜテレビで若い女性アナウンサーばかり起用されるのかと考えれば、「若い女性アナウンサーがMCの横について補佐するもの」という身分的な見方が文化になっているからだろう。

そもそもが日本全体的に人の能力を見ようとか、そういう意識があまり働いていない。カッコいいとか、かわいいとか、キモいとか清潔感があるとか、そんなことばかり気にして、核心的な人間の能力がどこにあるのか見失っている人がほとんどだと思う。

プログラマーにコミュニケーション能力を求めても仕方ないし、お茶汲みは男性でも女性でもお茶を美味しく入れられる人がやるべきである。

身分制度に頼って、人を偏見で見て、勝手な評価を下すのが日本の文化の根底にある。その上に乗っかっている一部である男女平等の問題だけとりあげても、日本人の多くの人には響かないだろう。女性の給料が低い!と言っても、俺の給料だって低いよ!となってしまう。

普通に仕事を頑張っている人が評価されて、信頼される人がリーダーになる仕組みさえ出来ていないのに、型にハマった評価ばかりの悪しき風習を続けていても、この先どんどん男女格差は開いていくし、経済的にも諸外国にどんどん追い抜かれていくと思う。

日本は東大に入れば在学中の成績は考慮されないように、ひとまずそこに入って椅子に座れば評価される文化である。

海外は大学に入って成績が悪ければ落第するし、与えられたポジションの椅子に座って結果が出なければクビになって入れ替わる。ノブレス・オブリージュという言葉があるように、高い地位にいるということはその能力があるという担保になっている。当然ながらその責任がある。

人間の身体には60兆個の細胞があり、3ヶ月で新陳代謝して生まれ変わると言われている。海外が積極的に新しい細胞に生まれ変わっているとしたら、日本は3年も4年も同じ細胞で活動しているようなものである。

もちろん男女平等の問題がすぐに解決できるなら、いち早く解決すべきだと思う。コロナでパート労働者がクビになったところも多いだろうが、男性より女性パート労働者の数は当然ながら多い。

大学進学するのも女性より男性が多いし、正社員の数や会社役員の数、国会議員から何から何まで女性の方が少数派というものは言うまでもないだろう。

身分による差別や偏見をやめるべきである。それしか解決策はない。

年齢とか、役職とか、学歴とか、性別とか、見た目も含めて何から何まで評価の方法を考え直したほうが良い。

もちろん仕事を得る際には学歴が評価されるだろう。ただ、それは会社に入る時であって、向こう5年も10年も効力を持つものではない。

iPS細胞の山中伸弥教授が「私達が大学で習った事や研究結果が全く役に立たないくらい、現代の医療は発展している」とテレビで発言していた。

それは医療に限らず当然ながら、一般企業でもそうだろう。だが未だにFAXを使っている企業もあるし、女性にお茶汲みをさせる企業もある。

昔とった杵柄という諺があるが、杵柄なんか誰も今の時代使ってないのに、今だに凄いと思って使っている人が日本には溢れているような感覚である。

男性教諭が女子生徒の下着の色をチェックするという行為を何の疑問も持たず実施する学校もあるらしい。コントでもAVでもなく教育の指導と認識している人間がいるような国は、むしろ男女格差が最悪の国として世界中から笑い者にされてほしいくらいである。

世界は新しいものをどんどん取り入れて進化している。日本だけが杵柄を使い続けて世界から取り残されている。日系グローバル企業が世界にまたがって活躍しているから、世界の力を借りて経済が発展していると思い込んでいるが、日本にいるほとんどの人はラッキーで椅子に座って甘い蜜を吸う事しか考えていない。

こう言っている私も男女格差を広げる無能な張本人であるに違いない。

ゴミのような状態の日本をなすりつけて次世代の子供達にバトンタッチすることになるかと思うと、本当に申し訳ない気持ちになる。そうならないように考えていきたい。





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