見出し画像

2000スキ記念式典! 分冊でお届け(1)

【あわせて読みたい:これは付録付き一話完結連作短編集『大人の領分』の完結記念&こんにちは世界アカウント2000スキ記念エッセイです。ありがとうございます!唐突に始まります、大人ですから大人な感じの催しをしてみます、こんにちは世界はこういう機会のたびに大好きなみんなと会えてテンション上がってます、続きます ほか】

1500スキ記念の控室中継はこちら

柏木:ええと…「お忙しいなかお集まりいただき、ありがとうございます。お時間になりましたので、主演のみなさんは式場中央にお集まりください。」。あ、すみません、最初のイベントなんですが、「彼と彼女」のおふたりは仮面をつけていただいてる都合上、参加免除となっています。また、こちらのイベントは主演のかたと読者様のお楽しみコーナーとなってますので、関係者の皆さんはどうぞおくつろぎになって、歓談なさってお待ちください。
蓮:はーい。質問あります。おれは?お子さまワクじゃないの?
柏木:「という人」のタイトルをお持ちのかた全員にご参加いただけます。あ、はい…作者から補足です。「蓮くんはちゃんとお子様メニューになっていますので、大人の皆さんは安心して《大人の領分》を存分にお楽しみください!」。…はあ…いえ、それはちょっと僕からは、言いたくないっすね…ええ。じゃあそこだけ…。すみません皆さん、「なにがあっても、私には皆さんへの敬意と愛情しかありません、信じてください。」だそうです。(咳払い)さてと。で…今から「シャッフルのくじ引きをしますので、呼ばれたかたは順に、あの仮設ブースの中にお入りください。」。はい、こちらのガラガラに、お名前の入ったボールが入ってます。勝手ながらペアダンス式で、こちら男性、こちら女性と分けました。では同時に…回します…

1番…薫さん、ユキさん。
2番…茅瀬さん、蓮さん。
3番…敦さん、佳奈さん。
4番…澪里さん、詢さん。
5番…。…!5番は、晴人さん、梨恵さん、ですね。
6番…智史さん、柚希さん。

と、いうことで…では、ご移動願います。カーテンを引き、各自、ヘッドホンをつけて向かい合わせにお座りください。…皆さん、ヘッドホンをご覧になって、思われるところがあるようですが、「今からブース内でお聞きになることは決して、決して口外しないでください。」。…はい。次に、テーブルの上に両手を置いていただきまして、お相手と手のひらを重ねてください。どう重ねても、どちらのかたが上でも構いません。指示に従ってください。反則はいけません…(プールの監視員的なはしご椅子に登り)僕がここから反則がないか、見ていますので。皆さんの準備ができましたら、次に進みます。

1番ブース   薫・ユキ
ユキ:キレイな人で俺、超ラッキー。おいでどうぞ(にこ)。ただのイベントだし、無理しないでね。
薫:あ、はい…。(よかった、あんまり、オスっぽい感じの人じゃないや…←)

2番ブース   茅瀬・蓮
蓮:せっかくだから「こいびと」つなぎ、したいな♡
茅瀬:(わ、かわいいな…)いいよ。どういうのが「こいびと」?
蓮:(肘を立てて)右手は右手、左手は左手で…指はいっぽんずつ間に入れて…こう(ぎゅ♡)。
茅瀬:(手、綺麗だなぁ繊細な感じ…子どもって、こんななんだ…←)がっちり、つながってるね(笑)。
蓮:うん。(にこ)
茅瀬:…。(♡)
蓮:キレイな色だね。お花みたい。(茅瀬のネイルにやさしく、ほっぺをつける)
茅瀬:…!(♡)

3番ブース    敦・佳奈
敦:俺、上希望です。
佳奈:…?(きょとんとした感じで、掌を上に向けて置く)
敦:… ♪(あ。握っても、嫌がんないんだ…?)

4番ブース    澪里・詢
澪里:(かっこいい…♡ かっこいい…♡ かっこいい…♡ おっきそう♡←)あ、の、…どっちがいいとか、ありますか?
詢:(薫…(嫉)うぅ…)いえ。
澪里:あ、…じゃあ、ここに、どうぞ…。
詢:はい…。
澪里:…♡

5番ブース    晴人・梨恵
梨恵:(無言で手を浮かす)…。
晴人:(無言で梨恵の手を取る)…俺がいま、何考えてるかわかる?
梨恵:ううん…。もうずっと、会ってないもん、晴人にはきっと、色々なことがあったでしょ。わかんないよ。
晴人:…悔しいけどやっぱり、会えて、…嬉しいって、言ったら?
梨恵:(寂しげに微笑)つらいよ。晴人に会えて嬉しい自分がつらいし、私に会えて嬉しい晴人を見るのが、つらい。
晴人:それ。素直にさあ、「ごめんね、けどやっぱり好き」って言ってくれれば、俺だってもう少し素直になれるじゃん。
梨恵:えー、やだよ晴人には負けない〜。
晴人:ふざけんなよゲームでも勝負でもねーよ。…それに勝負でもさ、嬉しい時点で、どっちも負けでしょ。
梨恵:…。かもね。

6番ブース   智史・柚希
智史:(事務的に手を出し)話した内容、覚えてます?
柚希:(事務的に手を乗せ)うん。覚えてるよ。
智史:楽しい内容?ひどい内容?
柚希:楽しい内容。
智史:俺も。きっと全員分、録ってるよね。茅瀬とあとで二人で聴きたいんだ。そういうの、いいのかな。
柚希:いいね。頼んでみようかな。まあ…そうは言っても、澪里の考えてることって、なんとなく、わかるからなぁ。
智史:ああ…あの子、あなたのことすごく、好きそうだよね。
柚希:うん。いま私、澪里のパンツ預かってるよ。
智史:へえ…。……。うーん…そういう…楽しんでるなあ。
柚希:ね。いいよね、恋愛。私、恋愛って、好き。
智史:はは、明るくて、いいね。
柚希:(微笑)…ねえ、手を触ってやっとわかった、あなた、…不思議な人なんだね…?
智史:そうかな。自分では、わからない。つねづね、魅力的な人間になりたいとは、思ってるけどね。


柏木:…はい。準備が整ったことを、確認できました。イベントですが、ルールは、いたって簡単です。いまから5分間、そのままお相手と見つめあっていただきます。手を離してはいけません。目を逸らしてはいけません。

全員:………。(なんとなく見つめ合う)

柏木:とはいえ、5分というのは長いですので、まず2分、練習していただきます。用意はいいですか。スタート。

全員:…。

(1分経過)

晴人:なげーよ…。
梨恵:だめだ笑っちゃう。めっちゃ恥ずかしい。

柏木:あ、薫さん、アウトです。必ず、見つめ続けてくださいね。
薫:あ、…はい…。(え…? やだこのひと、かっこいい…)
ユキ:(ちょっぴり手を揺らして、にこ)
薫:(詢ちゃん…)

敦:そんなに見られると恥ずかしいな。
佳奈:人の顔じっと見るの、趣味なの。
敦:何かわかる?
佳奈:さあ。多分、私が気づくこと、本人にはピンとこないと思うよ。
敦:ふうん?
佳奈:噛み癖、早く直した方がいいと思う。左側に親知らずのトラブルか虫歯、あった? 始まったの、最近3年くらいじゃないかな。
敦:へえ…。他には? 何かおっきいの隠してるでしょう、たとえば、俺があの二人のどっちとやってるか、気になってるとか。
佳奈:まあ、私にも、自分で気づいてないこと、たくさんあるのかもね…?

柏木くん:2分経過しました。一旦、手を離して大丈夫です。

詢:…。
澪里:(そっか、心に決めた人がいるんだな、つらいけど、ルールだからちゃんとやるんだ…真面目なんだな…♡←)

蓮:えへへ。
茅瀬:どうしたの? 手、離さない?
蓮:んー。このままでいいや。チセはどんな気持ち? こんな気持ちかな。
茅瀬:どんな気持ち?
蓮:ずっと見てたい気持ち。
茅瀬:…。(…♡)うん。5分なんて、きっと、すぐだね…。

柏木:では本番に入ります。すみません、言いそびれましたが本番では私語は無しでお願いします。重ね重ねになりますが、耳に入った音声に関しては以後、絶対沈黙を守ってください。ご用意をお願いします。カウントダウンします。5…4…3…2…1…はい。始めます。


全員:…。…? ………………………!!


続きます。


みんなは、ここに:



今日は明日、昨日になります。 パンではなく薔薇をたべます。 血ではなく、蜜をささげます。