母は偉大だ。

「弱い姿を見せられないなんて、本当に弱い人間ね。」

母は私に冗談混じりでこう言いました。

「幸せとは」

「豊かさとは」

「学びとは」

「グローバル人材とは」

そういった答えを自分自身で見つけ出し、プレゼンテーションをするといった大学での課題に、私は頭をずっとずっと悩まさせれていました。

ちなみに悩まされたのは2回目のプレゼンテーションを作る時。

前回の課題では、「幸せとは」をテーマにし、

プレゼンテーションをしました。

プレゼンテーションでは、自分の実力以上に力を発揮してしまい、いつも厳しく指導して下さる先生の評価はまさかの100点。

「よっしゃっっ!」

と、満足感と達成感で喜びが隠せないのもつかの間。

再来週にはまたこういったプレゼンテーションをしなければなりませんでした。

前回よりもいいものを。

そう想い、考えて、考えて、考えてみたものの、

全くプレゼンテーションの流れが思い付かないのです。

それもそのばず、

よりいいものをと言われても100点という評価を頂いた私は、それ以上の点数をとることは出来ない。

ですが、ここで評価が下がり、

「あ~やっぱりお前はここまでだよな。」

そう言われるもの嫌でした。

何とかしてよりよいプレゼンテーションを披露したい。

そんなこんなでいっぱいいっぱいになり、発狂する寸前の私に、母は先程の言葉を言ったのです。

「弱い姿を見せられないなんて、本当に弱い人間ね。」

いつもだったら、イラッときている言葉です。

わたしの苦労をなにも知らない母に言われたくない。

そう思っていたでしょう。

しかしこの時私は、不思議と違う感情が湧きでてき、

ふわーっと私の気持ちに余裕が広がったのです。

母は、プレッシャーに負けそうな私を罵倒したわけでも、落胆したわけでもありません。

母はただ私に

失敗しても大丈夫。

そこで、失敗したとしてもこれからの成長には必ず繋がる。

そんなことを教えてくれていたような気がします。

そして、少し余裕のできた私は、「学びとは」をテーマにし、前日の3:30AMまでかかった故にプレゼンテーションを完成させることが出来ました。

発表が終わった後、

先生からは、クラス最高得点だと、そう言って頂くことが出来ました。

私の母は高学歴でも、勉強熱心でもありません。

ただ、私は一言二言で私の心をコントロールしてくれる母に

いつまで経っても頭があがりません。

そんな母は、今日で父と結婚して26年を迎えました。

ケンカは多いけど、信頼し合うパパとママ、

結婚26周年おめでとう。

これからもこんな娘をよろしくね。

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