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山手のドルフィン

「パーソナルなところを深く掘り進めていくと、ある時から急に一般性を帯びていくって法則を持ってます。その歌の中のパーソナルなところに入り込んでいくと、「ああ、ある」となってくるんですよね、不思議と。」

先日、NHKのSONGSに出演していたユーミン。「どうやって優れた歌詞を思いつくのか」という質問への答えだ。私は作詞家ではないけれど、大きく、大きくうなずいた。

たぶん私のユーミン歴は、5歳頃からだ。すごくませた子どもだったと思う。母が持っていたCDをこっそりぬすんでは、くりかえしくりかえし聴いていた。荒井由実と松任谷由実の音楽は、私の音楽的な嗜好だけでなく、人生そのものにかかわってくれた。

大好きな「海を見ていた午後」に出てくるレストランに、なんだか遠い昔行ったことのあるような気がしていた。私はうまいこと、「ユーミンの法則」にはまっちゃったのだろう。

あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上って きょうもひとり来てしまった
山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を貨物船がとおる
小さなアワも恋のように消えていった
荒井由実『海を見ていた午後』

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