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仕事復帰inシンガポール(第2子)

シンガポールでは住み込みメイドさん(以下ヘルパーさんと呼ぶ)を雇うのが一般的。物価が高い国なのにヘルパーさんは安く雇える仕組みになっていて、そのおかげで女性が職場復帰しやすい。ヘルパーさん達はみんな外国から出稼ぎに来ていて、フィリピン、インドネシア、ミャンマーから来ている方がほとんど。(シンガポール人はいない)現地の人からすれば手頃に雇えて、ヘルパーさん側からすると良い給料をもらえるwin-winの仕組みなのだ。

ヘルパーさんの生活

3ベッドルームがあるファミリー向けの家だと大体ヘルパーさんの部屋が備え付きである。広さは2.5から3畳くらいで、窓がついていたらラッキー。高層マンションは大きめのクローゼット程度の窓のない部屋が多い。あと専用の小さいトイレとシャワーがある。メインの玄関ではなく、ヘルパーさん用の勝手口があるところが多い。つまり生活スペースはきちんと分けられている。

基本の働き方は、朝は家族が起きる少し前から開始、夕飯後の片付けまで済ませて終了、という家庭が多いと思う。お休みは週休1日(日曜日)と祝日が基本。でも各家庭によって契約時に労働条件を決めているから、これよりきついとこもあれば(月に1回の日曜日だけ休み+祝日休み無し)、これよりゆるいとこもある(土日祝休み)。シンガポール人、中国人、インド人がきつい条件のお家が多いという悪い評判がある笑

仕事内容は「なんでも屋さん」である。これもまた各家庭で条件を決めているから違いはあるけど、家中の掃除、庭の手入れ、洗濯、アイロンがけ、料理、買い物、子供の世話、ペットの世話と散歩、洗車、学校や習い事への送り迎え、老人の介護等。家庭によっては子供の面倒を見ることは一切求めない家もあれば、料理は作らなくていいから片付けだけやって、という家もある。週末に家族の外出にもヘルパーさんを連れて行く家もある。

ヘルパーさんの給料は毎月600〜1000ドル程(5万円〜8万円)で、これはすべて本人のポケットに入る。全くの未経験の人だとこれよりも低い給料かも?住み込みなので家賃や光熱費はかからず、また生活に必要な消耗品(歯ブラシ・歯磨き粉・シャンプーやせっけん・生理用品等)、基本の食費までも雇い主がカバーする決まり。あとは誕生日や旧正月のときにボーナスがあったり、里帰りの往復チケットを1年に1度出す家庭もある(主に欧米人家庭)。雇い主によって大きく条件が異なるのだ。

ヘルパー文化のない国から来た欧米人expat達は現地の人より優しい&ゆるい&長期旅行もするし休みも多くて楽だから、多くのヘルパーさんは欧米人ファミリーに雇ってもらえることを希望している。だから典型パターンは、キャリアが浅いうちにシンガポール人・中国人・インド人あたりの激務で条件が悪い家庭からスタートし、ある程度経験を積んだら欧米人家庭へスイッチしてそこからはずっと欧米人家庭を渡り歩く人が多い。

雇い主とのマッチング

ヘルパー文化のない国から来た欧米人expat達は現地の人より優しい&ゆるい&長期旅行もするし休みも多くて楽だから、多くのヘルパーさんは欧米人ファミリーに雇ってもらえることを希望している。だから典型パターンは、キャリアが浅いうちにシンガポール人・中国人・インド人あたりの激務で条件が悪い家庭からスタートし、ある程度経験を積んだら欧米人家庭へスイッチしてそこからはずっと欧米人家庭を渡り歩く人が多い。

雇い主にとって一番人気がある国籍は、英語も上手で国民性としてホスピタリティある人が多いフィリピン人。給料もフィリピン人の方が多分スタート時から高め。インドネシア人がその次、ミャンマー人が給料的には一番低い気がする。

仕事内容としてヘルパーさんから人気があるのは、赤ちゃんや小さい子供のお世話、逆にあまり人気がないのは老人のお世話。だから街中でお年寄りの車椅子を押しているヘルパーさんは若手で経験が浅そうな人が多い。未経験だから選択肢がなく、とりあえず雇ってくれるところに行ったのだと思う。

ヘルパーさんの年齢も20歳前後から40代後半くらいまでが多い。若くして働き始めた人もいれば、自分の子育てが一段落してから働き始める人もいる。採用する際は何をプライオリティとするかで選ぶヘルパーさんも変わってくる。例えば走り回る年齢の子供のいる家庭で外遊びも付き合ってほしければ若めので体力のある方がいいし、生まれたての赤ちゃんの世話を頼みたいなら子供を産んでる人がいい、など。

我が家は当時0歳児と2歳児がいてまだまだ手が掛かるから、求める条件としては①30代でまだ若くて体力があり②赤ちゃんを育てた経験あり(自分の子供でも以前の雇い主の子供でも)③英語が上手でちゃんとコミュニケーション取れること④西洋人家庭で働いたこと経験あり(洋食western cuisineが作れること)⑤性格的には明るくて覇気がある人、が良いと思っていた。あとは面接時のフィーリング!を大切にしたかった。

復帰の1ヶ月前ほどから採用に向けて動き出し、ヘルパーさんエージェンシーでお見合いパーティーのようなやり方で10人以上面接して無事採用に至った。ついに2人目の育休を経ての海外での職場復帰を迎えることになった。

復帰後の1日の流れwithヘルパーさん

朝はだいたい7時前後に家族みんな起床、その頃には朝ごはんをヘルパーさんがテーブルに用意しておいてくれる。我が家は基本は朝ごはんは調理なしスタイルなので(フランスもそうだから夫も問題なし)、食パン・バター・ジャム・牛乳とお皿などが置いてあるだけ。ヨーグルトやフルーツなども大体買ってあるからそれらも食べたい人が自由に食べるスタイル。子供も1歳未満と3歳未満だったからまだまだ食べる手伝いも必要だからそれもヘルパーさんがしてくれる。

その後出社の準備をするから私と夫はそれぞれシャワーを浴びたり、身支度の時間。同時進行で子供の着替え、歯磨き、学校のカバンの用意を済ませておいてくれて、出かけるまで子供たちと一緒にいてくれる。8時半までにはみんなで出発し、駅で子どもたちにバイバイしてヘルパーさんが学校へ連れて行ってくれた。下の子はまだ学校に通っていなかったから、日中はヘルパーさんとずっと一緒に過ごしていた。家の中で遊んだり、同じコンド内の子どもたちと遊ばせたりした。

私たちが留守にしている間に家中の掃除、洗濯、食材買い出し、夕飯の支度をしてくれた。もちろん0才児の子供のお世話をしながらだから、ものすごく効率よく動かなければいけない。しかも普通の主婦ならやって当たり前の「今日は疲れたからお惣菜買ってきちゃおう〜」とかヘルパーさんはできないから、本当に家事のプロなのだ。

私と夫が夜7時台に帰宅する時、子どもたちはお風呂も済ませてパジャマに着替えて、あとはもう寝るのみの状態で私たちを待ってくれている。帰宅後すぐ夕食をサーブしてくれて、食べ終わったらお皿洗いをしてキッチンをピカピカにして、我が家のヘルパーさんの1日の仕事は終了。夕飯後の私達は子供たちと遊んで、あとは子ども部屋で本を読んであげて寝かしつけ終了。子供が寝た後は夫婦の自由時間。

私は(コロナ前は)月に1回は周辺の国に出張があったので、長い時で1週間以上不在だったから、そういう時もヘルパーさんがいるのがありがたかった。出張の前は仕事も忙しいことが多いから、そんな時にご飯の作り置きや家のことを心配しなくて良いのは助かった。

平日は一切家事をせず100%ヘルパーさんを頼ることに決めたので、仕事+子供たちとの時間だけに集中することができた。私たちは1人目の時東京で普通のワーキングペアレンツライフを経験したことがあるので、とんでもなくありがたかった。仕事がきつい時でも毎日家はピカピカ、おいしい手作りごはんが出てきて、洋服もきれいにクローゼットに並べられているのを見ると、「もっと仕事がんばります!!」という気持ちにさえなった。

振り返り

私が働いたシンガポールのオフィスは20以上の国籍の人がいて、同じ共通言語の英語を話していたとしても、伝え方の違い・仕事のやり方の違いで慣れるまでは毎日とても精神的に疲れた。ヘトヘトで疲れ切って、マインドもやられているときに家に帰り、倒れるようベッドに入ることも良くあった。そんな日に、取り替えられたばかりのシーツの気持ち良いベッドに入ったとき、私は涙が出るくらい癒やされたことを覚えている(大げさではなく本当に笑)

住み込みメイドさんが日本で一般的になる日は永遠に来なそうだけど、(家の作り的に&日本人のマインドセット的に普及するのは難しそう)、経験してみて素晴らしいサービスだと思った。こういうオプションがあればもっと色々な働き方に挑戦していけそうだと思うし、家族と向き合う時間も増やせるのが最高だと思う。2年以上一緒に働いているヘルパーさんはもはや家族のようだし、子どもたちもすっかり懐いている。

いつまでこの暮らしが続けられる分からないけど、今ヘルパーさんという強力なサポーターが我が家族にはいるので、今しかできないことを(仕事も子どもたちとの時間も)大切に毎日を過ごしたいと思っている。



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