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すべては恵比寿ウェスティンホテルのバーから始まった【スカイラウンジコンパスローズ】

去年の秋ぐち、私はマイマザーと恵比寿にいた。


恵比寿なんてすることがない。

ご飯屋さんもあまり知らないし、恵比寿まで行かなくても渋谷や表参道ですむものはたくさんある。

恵比寿にしかないお店というものがそんなにあるとは思えなかったし、

いくつかバーやカフェは知っているけれど、それでもめったに行くことのないエリアだ。


そんな恵比寿だったけれど、マイファザーが、都内のホテルを安く泊まれるというなにかの優待をもっていたので、

せっかくだからと私とマイマザーが恵比寿のウェスティンホテルに一泊することになった。

どうしてウェスティンにしたのかは覚えていない。


お昼にホテルでマイマザーと落ち合い、恵比寿ガーデンプレイスのカフェでアペロタイムを過ごし、ホテルに戻ってマイマザーはシャワーを浴びているなか、私はガーデンプレイス内をうろうろしていた。


ディナーは恵比寿のタイ料理屋へいき、飲み直そうと店をでたら雨が降っていた。

マイマザーが一度行ったことのあるスナックへ行こうとしたのだけれど、お店の場所があいまいだったのと、やっとたどり着いたはいいが営業していなかったので、これまたマイマザーが一度行ったことのあるというバーへいった。


なんとなく、このまま終わらせちゃいけないと思った。

だから、ホテルのバーに行かない?と誘って、そのお店を出た。


恵比寿ウェスティンホテルのバーは22階にあって、外人がほとんどだった。

「ロスト・イン・トランスレーション」みたいだと嬉しくなった。

カウンター席に座る。

雨がすごくて霧がかかっていたけれど、眺めはさすが22階だった。

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絵が描いてあるのはインスタ用にしたものなのでご容赦くださいまし。

たしかこの一杯目は季節のカクテルを頼んだ。

マイマザーはピニャコラーダだ。

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はじめて飲んだロングアイランドアイスティーはとても美味しかった。

だけど後になって渋谷と六本木のクラブで同じものを頼んだらあまりに違いすぎて飲めなくなった。

ちゃんとしたバーって、美味しいんですよね、当たり前だけど…。


そう、ここから私のバーめぐりが始まるのであった。


お酒は好きだけど、今までワインしか飲んだことがなかったし、ひとりで飲みに行くと言っても、ご飯とセットで美味しいワインが飲めるところ、だった。

バーで働いたこともあったが、ジンとかウォッカは大学生が宅飲みでのむ、潰れるためのお酒だと思っていた。


それが、バーという雰囲気を知ってから、私はありとあらゆるバーに行くことになった。

バーテンさんに教えてもらったバーには必ず行った。


恵比寿ウェスティンホテル22階のスカイラウンジバーでのあのときめき。

バーテンさんは女性だった。

シンプルな動き。

こんな素敵なところで働くなんて、なんて大変なんだろうと思ったのを強く覚えている。

外人もたくさんくるし、というかお客様の大半が外人だ。

接客はもちろん、語学もないとやっていけないのだろう。


そして今、私の憧れになっている。


とても素敵な空間に、そこで働く人々に、畏敬の念を抱かずにいられない。

翌週、私は近所のバーをまわった。

そこのひとつで今の彼氏と出会うんだけど、人生なにが起きるかわからないですねえ。


私はその後会社を辞めるし、水商売をしていた家業を手伝おうとするも大ママは店をたたむし、人の縁でホテルのバーに雇ってもらえることになったしで、まったく想像していなかった世界に入ろうとしている。


「お酒は自分で作らない、人に作ってもらうお酒しか飲まないわ」

なんて言っていた、黒服時代の私よ。


人はなんてことないことがきっかけで、いろんな縁に導かれていく。


私は運がいい。それは人脈運だ。

それは私のおかげではなく、まわりのおかげなのだ。

会社に入れたのも、まわりのおかげであって、私の実力ではない。

今こうしているのも、私は運がいいからだ。


運がいい。そのことに強く深く感謝すべきだし、感謝しているし、これからも感謝し続けたい。


人の縁は思わぬところでつながっていくのだから。

嬉しい!楽しい!だいすき!