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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#リーダー開発

「想定外の世界」のリーダーの役割

written by 市毛智雄 コロナ禍という「想定外の世界」の体験が始まって、3年目に突入しました。対人接触や移動が制限され、以前の当たり前が当たり前でない世界を、私たちは日々体験しています。 「想定外」とは、「事前の予測を超える」という意味です。その観点では、ある人にとって「想定外」でも、別の人にとっては「想定内」ということはあるでしょう。コロナ禍が「想定外」と言われるのは、世界中の多くの人にとって予想を超える事態だったからにほかなりません。 「想定外の世界」は何を

人はどのように成長するのか

written by 有吉祐介 人生100年時代と言われるいま、人は死ぬまで成長し続ける必要があるといってもいいかもしれません。コーチングにおいても「成長」は重要なテーマですし、人がどのように成長していくのか、そのメカニズムを少しでも理解することは、個人的にも非常に興味深いことです。 コーチ・エィにはアドバイザリーボードという仕組みがあり、ボードメンバーには著名な経営者や学者の方がいらっしゃいます。経営等に関するさまざまなテーマに関して議論させていただく機会が定期的にある

成功体験を超えてリーダーが学び続けるために

written by 鈴木義幸 先日、弊社のオンラインフォーラムに三菱UFJフィナンシャルグループ会長の三毛兼承さんをお招きし、対談をしました。対談のタイトルは『エグゼクティブが学び続けるうえでの要諦』です。 三毛さんとは、ここ数年おつきあいをさせていただいていますが、日本を代表するメガバンクのリーダーであるにもかかわらず、いつお目にかかっても気さくな方です。そして、いつも驚かされるのが、「学び」に対してとても真摯でいらっしゃることです。三毛さんより10歳ぐらい年下の私の

答えのない問題にどう向き合うのか

written by 小池恭久 私は上海にて、在中国の日系企業のマネジメント層の方が、中国人部下の目標達成に向けてコーチングをするというプロジェクトに、数多く関わらせて頂いています。 先日、プロジェクトをスタートしたばかりのクライアントAさんから、次のようなリクエストがありました。 「昇格をしたいという目標を持っている中国人中堅社員がいるが、実際には難しい。どう回答すればいいか? その考え方、並びに対応のスキルを教えて欲しい」 Aさんは、目標設定をするセッションで、部

Think together 一緒に考える

written by 今城直樹 2021年2月、コーチングによる組織開発を実現するサービス、Driving Corporate Dynamism(DCD)が刷新されました。DCDの特徴は、お客様の組織内でリーダー開発の連鎖を起こす構造にあります。 DCDというサービスの中核にある哲学は、"Think together"、つまり「一緒に考える」、あるいは「一緒に探求する」ことです。"Think together"とは、複数の人が異なる意見を持ち込み、互いに問い、問われる過程

対話なくして変革なし

written by 内村創 「対話の時代」がやってきている。 そう言いたくなるほど、「対話」という言葉を様々なところで目にするようになってきました。 私たちの住む世界は、日々多様性を増し、答えがはっきりせず、複雑になり、未来もどうなるか、より不透明になってきています。 「だからこそ対話が必要」「もっと対話する機会を持とう」「上司は会話じゃなくて対話を意識しよう」。そんな風に単純に考えてしまいがちですが、対話をする上で最も大切なことは何でしょうか。 どういう意図をも

何のためのコーチング? 誰のためのコーチング?!

written by 片桐多佳子 コーチングを学んで欲しい」 「コーチングは誰にでもできる、その気にさえなれば」 コーチ・エィに入社後、そう思い続けて15年が経ちました。 「人は関わりの中に存在している。誰からも影響を受けずに生きることはできないし、誰かに影響を与えずに生きることもできない」 このような前提に立つコーチ・エィのシステミック・コーチング™においては、自分の存在意義と組織の存在意義の結合点を自ら見出し、組織変革に当事者意識をもって取り組む人の数をいかに増や

組織変革と組織開発

written by 鈴木義幸 弊社のサービスに「エグゼクティブ・コーチング」と「Driving Corporate Dynamism(DCD)」があります。そして、エグゼクティブ・コーチングの資料には「エグゼクティブコーチは組織変革のためのパートナーである」とあり、DCDの資料では「組織開発を進めるプログラム」と説明しています。 弊社に入社したばかりのコーチから、「なぜエグゼクティブ・コーチングでは『組織変革のパートナー』という表現を使い、DCDでは『組織開発を進める』

変容を促すための3つのポイントと2つの条件

written by 栗本渉 "The problems of today will never be solved at the same level of thinking that created them." (今日我々の直面する重要な問題は、その問題をつくったときと同じ意識レベルでは解決することはできない。) これは、アインシュタインの言葉だそうです。 逆を言えば「意識のレベルが変化すれば、問題は解決できる」。つまり、この言葉は、私たちが次元を変えて、視点を変

組織はなぜコーチングができる人材を求めるのか

written by 栗本渉 コーチングができる人材が求められつつあります。 「有能なマネージャーの資質のトップは、良いコーチであること」というGoogle社の調査結果(※1)や、「83%の組織は、今後5年でマネージャーの職務要件としてコーチとしての役割が加わる」という2019年の国際コーチング連盟の調査結果(※2)については、これまでコーチ・エィのコラムでもよく紹介してきました。 実際に私たちが企業の経営幹部と接する中でも、人材への要求が変化していることを感じます。自

エグゼクティブ・コーチングの進化

written by 鈴木義幸 エグゼクティブ・コーチングは、長らく「エグゼクティブである一個人を強くする」ことが目的だと考えられてきました。 「0コンマ何秒の競争にさらされているオリンピック選手のように、エグゼクティブも熾烈な競争に勝ち残る必要がある、だからコーチをつける」 エグゼクティブ・コーチングの必要性を訴えるために、こうしたメタファーが繰り返し語られてきました。アスリートにコーチがつき、その能力を最大限高めるためにコーチングをする。 特にアメリカでは、エグゼ