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対話なくして変革なし

written by 内村創

「対話の時代」がやってきている。

そう言いたくなるほど、「対話」という言葉を様々なところで目にするようになってきました。

私たちの住む世界は、日々多様性を増し、答えがはっきりせず、複雑になり、未来もどうなるか、より不透明になってきています。

「だからこそ対話が必要」「もっと対話する機会を持とう」「上司は会話じゃなくて対話を意識しよう」。そんな風に単純に考えてしまいがちですが、対話をする上で最も大切なことは何でしょうか。

どういう意図をもって対話に臨むのか

先日、日本コーチ協会の年次大会が開催され、「今、なぜ対話なのか」をテーマに4人のゲストスピーカーによる講演がありました。どの話も示唆に富み、私は手に汗握りながら拝聴しました。

中でも心に一番残ったのは、心理学者で、世界的にも「対話」研究の第一人者として知られるハーレーン・アンダーソン博士の言葉です。

「対話に臨む意図が大切。対話には変化を生みだす可能性がある、その意図があるかが大切なのです」

この言葉に私は軽い衝撃を受けました。

対話は変化を生み出す。私たちはどれだけその意図をもって対話に臨めているでしょうか?

「当たり前」に対する再解釈

私はアメリカの大学で哲学と物理を学びました。哲学の最初の授業で教授がこんなことを言いました。

「君たちが4年間、大学で学ぶ目的は何だと思う? 君たちは高校までの12年間、何が正解かをひたすら与えられ続けてきた。大学の4年間では、これらを全て疑いなさい。そして与えられた答えではなく、あなた自身で何が価値あることなのか、何があなたにとっての答えなのか、それを考えなさい。それが大学で学ぶ意義です」
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筆者情報: 内村創
株式会社コーチ・エィ 執行役員
国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ
一般財団法人 生涯学習開発財団認定コーチ

米国レンセラー工科大学理工学部にて物理と哲学を専攻。日本IBM株式会社にて、複数の大規模システム開発プロジェクトのプロジェクトマネージャー、コンサルティング部門の外国人役員補佐、社内オペレーション部門のマネージャーなどを担当。前職では、さまざまなプロジェクト経験から、どれだけ困難なプロジェクトでも、最後にそのプロジェクトを成功に導くのは「主体的に行動し、最後まであきらめないメンバーの存在が重要」と考え、リーダーとしてチームや組織のメンバー一人ひとりの主体性を高めながらを育成することを主眼にマネジメントを行ってきた。この経験を基に、「主体的な組織づくり」「主体的なリーダーの育成」にむけたコーチングを持ち味とする。また、大手グローバル企業で経営陣と関わってきた経験を活かし、多様な変化に対峙するリーダーシップ、自ら変化を起こすリーダーシップなどにフォーカスしたエグゼクティブ・コーチングを多数行っている。


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