4月24日:文脈を読めなくなった日本人なんてただのアホの集まりじゃないかと思う。
おはようございます。
昨日、放デイ+オンライン講義で完全燃焼して、今日になってしれっと2本書いているへいなかです。
ちなみに昨日のオンライン講義(もあふる)は特大ホームラン級のクオリティでした。楽しかった。
さて…
ということで今日は、全然関係ありませんが、毒吐き回です。
解像度の低い思考で表面的な賛同ばかりを積み重ねてる大衆ってマジで馬鹿じゃねぇか?という話。
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法務教官時代、院内の研究授業でこんなことがありました。
暴力防止指導。
指導担当者は僕。
慣れ親しんだプログラム。
院長、次長ら幹部をはじめ15名ほどの法務教官等が見ている中で僕が講義。グループワーク型式で子どもたちの発言を引き出し、それを全体に共有しながら理解と気付きを深めていく…。
20も30も工夫を散りばめた会心のできだった。
終了後の同期や信頼する先輩との語らいでは、「どこまでが狙いだったのか」「あの発問はなぜあのタイミングであの子にぶつけたのか」「あの比喩は誰を狙ったものだったかのか」と本当に細かく、具体的な振返りと検証ができた。
いつも講義に立ち会ってくれる僕が絶大な信頼をおいている心理技官も、僕の言動一つ一つからその意図を読み取ってくれていた。
でも…
公式に行った研究討議は、それとは全く違う内容になった。
約40分の討議の間、主な議題は2つ。
ま、どっちも学校教育でよく挙がる問題だろうと思う。理解はできる。もちろん僕も、研究授業では普段以上にそこに気をつけていた。
ちなみに僕は、子どもたちから「安部先生にお前と呼ばれてムカつきました」みたいなクレームをつけられたことが一度もない。
他の先生はたった1回そう呼んだだけで大臣申立にまでなったことがあるが、日常的に「お前」という単語を口にする僕は、9年間一度もそれで問題になったことがない。
とは言え研究授業だから、面倒をさけるため基本的には使わないようにしていた。記憶が間違ってなければ授業中に僕が「お前」と発したのは1回。
子どもの発言を受けて話題を全体に拡げ、冗談を言い合っていた場面での「お前そりゃねぇだろw」だけだ。
ちなみに指さした云々も似たようなもの。
発問し、子どもたちからいくつかの意見を拾い上げたその中で、「お!それは確かに!おもろいな!…じゃ、◯◯はどう思う?」と油断していた反対側の席の子に奇襲で話題を振った場面での一度だけ。
授業は50分あった。
本題に入る前の余談から伏線を張り、比喩も発問も、そのタイミングや誰を指名するかまで無数に意図と工夫を張り巡らせた授業に対して、そんな枝葉の話で20分…くだらん議論が続いた時点で僕はもう発言をやめた。
残りの時間も似たようなものだった。
指導案がどうだの、そこから外れた子どもの発言の是非がどうだの…。何の生産性もなく、子どもたちの成長も無視した議論。こいつらと指導論を交わすのはやめようと思った。
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今この国では「切り取り」が流行っている。ゴシップも動画も発言も、とにもかくにも切り取ってその部分だけで判断する。
価値も是非もすべて単品で考えている。
フルコースの料理を食べながら、その中にたまたま入っていた自分の嫌いな食材を取り上げて、そのコース全体を否定する。
そんな雰囲気がある。
もうこの国の「大衆」はめんどくさいのだと思う。時間をかけて全体像を見渡して、文脈次第で変わる価値をきちんと見極めて反応するということが。
だから無駄にキラキラした言葉だけがあっという間に市民権を得る。
なんてその最たるもの。
理念としてそれはまちがってないが、現実にはどこの誰だって、他者の個性を度外視した消費活動を行っている。マックの店員に個性は求めない。もし店員の個性を認めるとしたらそれは、「マックのハンバーガー」をきちんと作った上で「より上質なサービス」となって表れる店員の工夫の部分であって、質の下がる個性なんて確実に拒否する。
「マックのチーズバーガー俺らしさver.」なんて金払う奴いないだろ。
現実に目の前の人の個性を無視してる場面があるというのに、それを無視して個性尊重だけを叫ぶ…。
そんなことのおかしさにも気づかずキラキラした言葉だけが無限に広がっていく大衆。
そういう人に限って、リスクのある発言に過剰反応してその一部だけを切り取って批判する。
組織で働くと、基本的にはそういうあんぽんたんの方が多数派だ。だからこそ、この国で実力のある人間が実力を発揮するには政治力や交渉力が必要になってくる。
指導力があれば優秀な教員?
膨大な心理学の知識があれば優秀なカウンセラー?
違う。
実力も哲学も違う人を相手に、きちんとコミュニケーションを取り、必要に応じて自分の意見を通していく政治力や交渉力がなきゃ、その「主戦場での実力」は活かされない。
政治力、交渉力は「実力」のひとつだ。
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といことでそんな交渉力の話をセミナーでやってみます。
内容はこれから詰めますが、きっと「マジメな社会人」からは出てこない話になるだろうと思います。
どうぞお楽しみに。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。