記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【映画】スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド

登場する映画はWikipediaに詳細が載っています。
本編がyoutubeにアップされていたけど、日本語字幕はなし(自分はDVDで見てます)

以下、内容をメモしたもの

第1部

人間の欲望は自然なものではなく、学習されたものである
映画は、その「欲望」(desire)について教えてくれる

現実世界から幻想を取り除いてしまうと、現実世界そのものが壊れてしまう? 現実が、あまりにも「怖かったり」「楽しすぎたり」してしまうから
幻想が必要とされる(?)

従えば従うほど罪悪感を感じてしまう(スーパーイゴ=超自我の説明)

人間の「声」について。チャップリン映画を例に
カートゥーンと同じだったキャラクターが
声を持った途端に、内面性、深さ、罪の意識、責任などを持ち始める。
(interiority, depth, guilt, culpability)

"Dead of Night"「夢の中の恐怖」(日本語版見つからず)
腹話術が人形を殺したあと気絶?して、目が覚めたら、人形の声でしか喋れなくなっていたというエピソード。

第2部

フロイトを読んだ時、あまりにも性的な事ばかりだと人は思うが
実際に問題となるのは「性行為のとき、人は何を考るか」ではないか。

それには空想が必要で、それが途切れると
「なんて自分はへんてこな反復運動をしているんだ」と自問してしまう。

この箇所で糸井重里氏の小説(家族解散)を思い出した。

>つい数日前の、最後にセックスした日も、自分が役者になったような気がした。文彦氏は、汗をかきながら自分でも不思議になるような格好をして「彼女」に「優しく」していたのだが、その時、ふいに「愛してる?」などとたずねられてしまったのである。


「マトリックスはなぜエネルギーが必要か?」の問いを反転して
「エネルギー(=リビドー)はなぜマトリックス(=空想)が必要なのか?」

生きている人間であれば、別れたり殺したりできるが
幽霊や記憶は消し去るのが難しい

「男らしさとは逃避」とあったけどよく意味がわからん、、
(To confront subjectivity means to confront femininity.
Woman is the subject. Masculinity is a fake.)

>実体化したファンタジーにはれっきとした名前がある。
>それは”悪夢”と呼ばれる
And, of course, we have a perfect name for fantasy realised.
It's called "nightmare".

彼は相手の女性ではなく筋書きに恋をしている(映画「めまい」)

ポルノの筋書きはとにかく荒唐無稽で
リアリティがあってはならないという検閲があるかのようだ

不安以外の感情はすべてフェイク

第3部

人は嘘だと分かっていても騙される、という話
(映画「ドッグヴィル」を例に)


「人間は死ぬのが怖いから不死になりたい」というが、
不死こそ悪夢である

デヴィッド・リンチの「ブルーベルベット」「ロストハイウェイ」などに出てくる父親像。スーパーエゴ=超自我、には不安がなく、不安の元であることを楽しんでいる

ファルス的な象徴(王冠、勲章とか)を身につけることで、無敵になったと感じる?👑
女装した男性のパワフルな状態を見ていると、カツラやハイヒールがそれに該当する気がするがどうか(女装した女性も同じく)👗👠

共産主義と裁判

メタバースや、ゲームのキャラクターとして演じているアバターのほうが
現実の状態よりも自分自身に近いのではないのか。

タルコフスキーの映画「惑星ソラリス」と「ストーカー」は正反対。
知らないうちに望みが叶ってしまうのと、体系的に示さないと望みが叶わないのと


イメージフォーラムの上映で見てDVDを購入したのですが、
友だちに「面白かったよ!!」ってオススメしたところ

「映画ガイドっていうか、この人が勝手にそう思ってるだけじゃん?」
という身も蓋もない感想をいただきました😇

こちらもどうぞ↓


この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?