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【挿話】エルマーのぼうけん展

 ずっと行きたかった「エルマーのぼうけん展」へようやく行くことができました。
 エルマーやボリスとの出会いは、小学校1年生のときです。転校先の小学校の担任が毎日数ページずつ読んでくれたのがきっかけでした。と言っても、私は転校生。いわば”途中参加”であるため、お話の途中から聞くことになってしまい、内容が全然分かりません。はじめの数日は興味がもてず「早く終わらないかな~。」とぼんやり窓の外を眺めていました。
 興味が湧いたのは、エルマーがライオンのたてがみをブラシでとかしている辺りです。表紙にもなっているかわいらしいリボンを付けたライオンが気に入り、「次はどうやって動物と仲良くなるのかな。」と思ったのを覚えています。
 正確には”仲良くなった”わけではないのですが、当時の私はそう受け取りました。そして、ワニの背を渡っていく場面が『いなばのしろうさぎ』のようであり、さらにエルマーがペロペロキャンディーやら虫メガネやら、普通の「冒険」には持って行かないような持ち物をたくさん持っているところに惹かれました。
 『エルマーのぼうけん』について語りたいことはまだまだありますが、今回は「エルマーのぼうけん展」についての物語なので、続きはまたいずれ。

 さて、館内は写真撮影O.K.だったので、印象に残った5枚を。
 中に足を踏み入れると一本道があり、その両脇には動物たちのパネルがありました。まるで「どうぶつ島」に迷い込んだかのようです。
 壁に書かれた「この島にやってきた たんけんかは、ひとりも いきてかえれないということを しっとったかね?」という文章を見て、「年老いた猫は帰ってきているから嘘だ。」という言葉が頭の中に響きます。これ、エルマーの言葉です。まるで自分がエルマーになったかのようでした。

●一人も生きて帰れない●

 ネズミやカメはエルマーの正体に気付いていなかったので、一番に気付いたのはトラだと言えるでしょう。トラとチューインガムのくだりから、動物との奇妙な関わりが始まります。

●ここから始まった●

 私が『エルマーのぼうけん』にハマるきっかけとなったライオン。このパネルでは強そうに見えますが、この後のリボン付きたてがみを見るとくすっと笑ってしまいます。

●ライオン、大好き!●

 館内には、たくさんの原画が飾られていました。一枚一枚を見るたび、「これは〇〇の場面だ!」と物語が頭の中をかけめぐっていきます。
 『エルマーのぼうけん』の魅力は子どもらしい冒険にありますが、この”りゅうの子”、ボリスのデザインも魅力的です。空色と黄色のしましま、そして真っ赤な爪とトサカ…こんなにかわいらしい見た目をしていたら、誰だって好きになると思います。

●竜のデザインがとにかく好き●

 目の前がパッとひらけたところに、憧れの「そらいろこうげん」がありました。『エルマーのぼうけん』シリーズの中で一番好きなのが『エルマーと16ぴきのりゅう』なので、この「そらいろこうげん」は小さい頃から行ってみたい場所でした。

●空を飛んでみたい●

 さて、この『エルマーのぼうけん』は今年、日本語版刊行60周年を迎えるのだそうです。この「エルマーのぼうけん展」も、60周年を記念したものなのだとか。恥ずかしながら、この展覧会に行くまで知りませんでした。

 そして、その60周年に合わせてポケット版が発売されました。これも全然知らなくて、全ての展示を見終えた後にグッズショップで発見してびっくり!かわいい!これは買わずにはいられません。

●限定発売のポケット版●

 家に帰って早速中身を取り出すと、本の帯に応募券が付いていました。9/30までに応募すると、抽選でエルマーグッズが当たるそうです。40名に当たるすごろくか、1名にしか当たらないボリスのぬいぐるみか…悩んだ挙句、ぬいぐるみに応募しました。当たるといいな。

 本の他にも色々グッズを買ったのですが、一番気に入っているのがTシャツです。大好きな『エルマーと16ぴきのりゅう』の表紙が描かれたTシャツ!私の宝物になりました。

●大好きなエルマーとボリス●

 絵本を読むことから本を読むことに移行するきっかけとなった『エルマーのぼうけん』シリーズに再び出会えて(もちろん絵本も大好きで、今でも読んでいます)、幸せなひと時でした。
 今思うと、「行きて帰りし物語」が大好きなのも、エルマーたちとの出会いがあったからかもしれません。
 購入したばかりのポケット版を読みながら、残りの休日を楽しみます。

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