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【本棚から冒険を】ゆうびんやさんおねがいね(絵本)
スマホやiPadといった機器の普及に伴い、遠くにいる人とのやり取りはテレビ電話やLINEアプリ等で簡単にできるようになりました。
テレビ電話は互いの顔も見られますし、zoomやGoogleMeetを使えば複数人で顔を見ながら会話ができます。
そんな現代に生きる子どもたちに、サンドラ・ホーニング作『ゆうびんやさんおねがいね』はどのように映るのでしょうか。
もうすぐおばあちゃんの誕生日がやってきます。コブタくんの家から遠く離れた地に住むおばあちゃんに、何か喜ぶものを贈りましょうよ、とお母さんが提案します。
”すると コブタくんは、りょうてを おおきく ひろげて いいました。
「おばあちゃんは、ぼくが ぎゅって すると よろこぶよ。」
ぼく、おもいっきり ぎゅうーって してあげたいな。”
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「ぎゅっ」と抱きしめている絵を送ったら?と提案するお母さんの言葉に首を振るコブタくん。素敵なアイディアを思いつきました。
”「ううん。ぼく、ほんとに ぎゅって してあげたいの。
ぼくが ゆうびんやさんを ぎゅって したら、
ゆうびんやさんが おばあちゃんに とどけてくれるんじゃないかなあ」”
そこでコブタくんは郵便局へ出掛けていき、郵便局の受付を担当しているイヌさんに「ぎゅっ」を届けてほしい旨を伝えます。
”コブタくんは カウンターの なかに はいり、りょうてを おもいっきり おおきく ひろげて、イヌさんを ぎゅっと だきしめました。
「はいたつの ゆうびんやさんに わたすときも、これくらい とくだいサイズの 『ぎゅっ』に してね。」”
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しかしイヌさんは配達員には会わないことが分かります。ここから、コブタくんの「ぎゅっ」がたくさんの人たちを介しておばあちゃんの元へ届けられることになります。
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この後も様々な運搬担当の動物たちに「ぎゅっ」が引き継がれていきます。中には元気のない人(動物?)もいるのですが、この「ぎゅっ」のおかげでハッピーが訪れます。なんて素敵なのでしょう。
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ようやくおばあちゃんの元へ届きました。おばあちゃんを喜ばせるために送った(贈った)「ぎゅっ」が、これに携わる人々を戸惑わせつつも笑顔に変えているところがとても好きです。
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自分の言動が、自分の知らないところでたくさんの人を笑顔にしている。そんなことができたらいいなと思います。
世の中・世界とつながる手段が増えた現代だからこそ、知らない人たちを笑顔にする方法もたくさんあるはず。ーーこれからを生きる子どもたちにも、そんな作者の思いが伝わるといいなと思う一冊です。
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