あんまり完璧にしなくていいよ、最初から全部分かろうとしなくていいよ

 転職する話をしようと思っていたのだけど、わたしの怠惰のおかげで何も書かずに本日上長との退職面談を終えたので、まずはその話からしようと思います。


 部長は穏やかだけどちょっと人間不信っぽいところがある人です。
 不信なだけで攻撃したりはしない。でも自分から人を構おうとしたり話しかけたりはあまりしない。
 でも、こちらから働きかけると誠心誠意話してくれる人です。

 課長は日本で一番の大学を出たとっても優秀な人。
 この人のすごいところは、どんな時でも誰に対しても常に態度が変わらないところ。くそ忙しくても子供が受験でも、そしてわたしがどれだけ仕事ができなくても、同じように平等に接してくれる。
 仕事ができなかったら嫌われるに違いないと思っていたわたしに、そんな人ばかりでもないと示してくれた人。


 一応形式だけでも仕事を辞める理由は言う必要があって、「えっと」「その」「それで」を何度も繰り返しながら、仕事が向いてないから別の場所へ行きたいと思ったと伝えた。

___そっか、少しずつできることも増えてきて調子良さそうだと思ってたんだけどね。でも自分として納得できなかったんだよね。

___まぁ、でもね、次の仕事でもあんまり完璧にしようとしなくていいよ。最初から全部分かろうとしなくていいと思うよ。
みんな案外分かってないんだから。
知ったかぶりするくらいの気持ちでいいんだよ。


 わたしはあまりにも仕事ができなすぎて、就職を機に自分のプライドや完璧主義は粉々になったと思っていたけれど、あぁやっぱり三つ子の魂百までというか根っこの部分のものは残ってるんだなと思った。

 それと同時に、うまくやれないわたしでも、当たり前のように存在を受け入れられていたのだと気づいた。

 思えば、わたしがこの仕事が続けられないと思ったのも完璧を目指したい心ゆえなのかもしれない。
 わたしくらい仕事ができなくても会社に残り続ける。残るうちに生存戦略や居場所を見つけていく。
 それだって1つの選択で、1つの正解なのかもしれない。



 後悔とかは特に考えてない。というか、何を選んでも何かしら後悔すると思っている。
 転職してから辞めなければよかったと思う日も、やっぱり会社を出て良かったと思う日もくると思う。
 過去の見え方はその時の自分によって変わるものだから。

 でも、ここ以外にも生きていける場所があるかもという気持ちが確かに希望になって、他の場所へ行ってみたいという胸の高鳴りは否定しようも無くて、やっぱり今のわたしには新しい場所へ行くという選択肢を選ぶほかなかった。
 その選択で未来のわたしがどう思うかは分からない。


 きっとどこへ行ってもいいし何を選んでもいい。
 新しい場所へ走っていっても、1つの場所へとどまっても、後悔しても、喜んでも。

 でも、次の会社ではなるべく長く勤めたいと思っている。
 行きたい場所にどこへでも行けることは今回の転職活動でわかったから、今度はどこへでも行けるからこそ今いる場所を大切にしてみたい。
 完璧であれないわたしと共に、ひとつの場所へいられたらいいなと思う。

 まあ転職したくなったらそれもそれでいいと思います。


 そう、どこへでも行けるわたしが選んだのが今の場所なのだから、どこへでも行けるからこそ今いる場所や出会った人を大切にしたいよね。




 最終出社日が近づくまではわたしの退職は3人だけの秘密です。
 しばらくは3人とも、まるで何事も無かったかのように普通の態度で過ごします。

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