2020年12月27日(日) ダムタイプ「2020」見た わからない世界が存在することをわかっていたいから

 今日まで無料公開されているダムタイプの新作パフォーマンス「2020」を見た.


 みんなはアートを「わかる」ことって出来ますか

 現代美術とか見て,「好き」「感動した」って思いますか 


 たまに家族に連れられて美術館に行く時があっても,どうしてもアート作品がわからなくて,何がすごいのかわからなくて,何が言いたいのかわからなくて,
わからないから自分の中でなかったことにしてしまおうと思って,美術なんて見た目が綺麗ならそれでいいんだということにしてました.

 そのはずだったのに,
なんかの拍子にダムタイプに出会ってしまい,35歳で亡くなった古橋悌二と彼の残した作品である「pH」が何だか忘れられないのです.


 さっき「アートを『わかる』ことって出来ますか」と書いたな,
実は自分も未だに胸を張って「わかる」なんて言えないんです.

 ただ,偶然ダムタイプと出会ったことを大切にしたくて,
ダムタイプが表現していることが分からなくてもちょっとでも近づきたくて,
アートとか現代美術とか,自分が一度はなかったものにしてしまった世界の中で生きている人がいることをわかっていたくて,
自分がわからない世界が確かに存在していることをちゃんと知っていたくて,

だから今日もよくわからない作品を見て,「わっかんねぇなぁ,でもこの場面面白いなぁ」「わっかんねぇなぁ,でもこういうことかなぁ」とか考えたりしています.



 そんなわけでダムタイプの18年ぶりの新作「2020」,上に書いた通り自分は基本わかんねーーーーと思っているので正しく理解しているか分かりませんが,楽しく鑑賞しました.


 わかんねーーーと言っている人間の感想なんでアレですが,
海から生まれたいきものが進化を遂げて現在の2020年に辿り着いたこととか,現在から更に変化を続けていきものはどこへ向かうんだろう,といったこととか,そんなことを想像しながら見てました(個人の感想です).

 あと途中スーツ姿のパフォーマーが5名出てきて,パイプ椅子に座っていたりして,何となくこの画一的な感じは就活を表現してるのかな?と思ったのですが(ちょっとグループディスカッションみたいなのしてた),

そのあとパフォーマーが1人ずつスーツを脱ぎ捨てていって,その時スーツの下に着ていた衣装が柄物のシャツだったり変わった色のスカートだったりして,それがすごく個性的で可愛く見えて,自分も2021年はちょっと個性的な柄物の服を買って街へ出ようと決めました.



 もしかすると正しい見方があるのかもしれないし,こんな感想間違ってると言われるかもしれないけれど,
「正しく鑑賞しなければ」と考えすぎて臆病になるのももったいないので,せっかくなので好きに見ようと思っています.


 誰かが言ってた,「正しいものなんてなくて,あるのは『今現在正しいとされているもの』だけ.だから『それは本当に正しいのか』とみんなに考えさせること,新しい見方を生み出すことこそ大切なんだ」という言葉がとても好きです.

 だから作品についての正解が分からなくても,その作品を見て自分の中で新たな考えが生まれることこそがとても尊いことなのかなぁ,なんて思ったりしています.


 わからないし,感動しているともいいにくいけれど,それでも自分はアートの世界に触れていたいので,これからも図々しく作品を見に行こうと思っています.

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!