SOLA

美しさを知る空。 Twitter→ @heartmaker_xoxo

SOLA

美しさを知る空。 Twitter→ @heartmaker_xoxo

最近の記事

優しくなれるまで、もう少し一緒にいて

「ねぇねぇ、誕生日プレゼント何がいい?」 君はスマホを握りしめたまま、真っ直ぐこっちを見てそう言った。 「そういうのってサプライズじゃないの?」 少しだけ戸惑いながら僕はそう返した。 「だってさー、そんなに欲しくない物貰ってもさー」と君はスマホに目線を落とした。 「何でも嬉しいよ、そうやって考えてくれることがまず嬉しいから」 そう言った僕に「そういうの言ってても、結局はハードル上がってるんだよなぁ」と君は頬を膨らませながら僕の隣に座りスマホを見ていた。 「もうそろそろ誕生日

    • 君との夢はもう見ない

      この世界は残酷だ。 突然、逃げることのできない悲しい現実を突きつけられることがある。 毎日の笑顔も、ぬくもりも、優しさも全てが灰色になる。 変わらない朝はもう来ないのだろう。 未来に希望を抱いていた人から未来を奪う。 過去に縋ってばかりで、未来を捨てようとしている人にも明日はある。 一生を共に生きていたいと思った人に、悲しさを与えてしまうことが苦しくてたまらない。 もう二度と誰かを愛することはないと自分に蓋をして生きる人は、それが自傷行為に似た何かだと感じ始めている。 全

      • 3秒間のわがまま

        君と過ごした日々はその全てが楽しかったものとは言いきれないけれど、君が残してくれた日々はその全てが穏やかであたたかいものでした。 僕の中に残る君の姿がこれから変わっていくことはないけれど、その変わらない姿のまま僕の中で生きていって欲しい。 僕の姿だけが変わっていくのを見て「ずるいよ」と怒る君が待つ、その長い道が僕らを繋いでくれる。 思い出が増えないことが怖いんじゃない。 あの優しかった日々が消えてしまうことが怖いんだ。 もう一度だけ会いたいなんて言ってしまえば、何か

        • Lilac

          好きな人がいます。 可愛い人です。 好きな人がいます。 綺麗な人です。 好きな人がいます。 よく笑う人です。 好きな人がいます。 よく泣く人です。 好きな人がいます。 夢を持っている人です。 好きな人がいます。 努力を見せない人です。 好きな人がいます。 時々、頑固な人です。 好きな人がいます。 優しい人です。 好きな人がいます。 真面目な人です。 好きな人がいます。 本をたくさん読む人です。 好きな人がいます。 よく食べる人です。

        優しくなれるまで、もう少し一緒にいて

          『私と彼の痛みと言い訳』エピソード2

          「これ僕の連絡先です」 そう言って彼は私に一枚の紙を渡した。 ただ、私はまだ数秒前に彼の口から発せられた言葉を処理しきれずにいた。 「もう聞かれてると思うんですけど」と彼は言いにくそうに言ったけど、私には全く身に覚えがなかった。 その後、彼が言った「好き」という言葉も自分に向けられた言葉じゃないように感じていた。 「返事はいつでもいいです」 「誰かから聞く言葉じゃなくて、自分自身の言葉で直接気持ちを伝えたくて」 そう言って彼は自分の部署に戻って行った。 かろうじて、その言葉に

          『私と彼の痛みと言い訳』エピソード2

          『私と彼の痛みと言い訳』エピソード1

          大学を出て国家試験に受かり、生まれ育った土地から出て就職した私は大学生の時から付き合っていた彼氏とは遠距離になってしまった。 でも私は別にそれでも良かった。 確かに好きだったとは思う。 だって、好きだったから付き合ったんだから。 でも、愛されていたとはあまり思えなかった。 小さなモヤモヤを抱えたまま、私は遠距離恋愛を選んだ。 彼もそのことについて何も言わなかった。 そんな恋愛はやはり上手くいくはずもなく、私の遠距離恋愛は呆気なく終わってしまった。 もう恋愛なんてしない仕事を頑

          『私と彼の痛みと言い訳』エピソード1

          「ごめん、もう会えない」と君に言えたことは僕の本当の強さだったのかもしれない

          楽しかった日々が消えることはない。 確かにあの日々は現実で、楽しくて笑い合ったことも下手な勘ぐりで泣いたことも消えることはない。 ただ今でも不意に思うことがある。 あの日々にまた戻りたいと。 どうでも良かったわけじゃないから、区切りをはっきりとさせたかった。 曖昧な気持ちの「好き」や、少しの嘘が混じった「好き」で君のことを繋ぎ止めたくはなかった。 でも、本当は傷つけたいわけでもなかった。 「ごめん、もう会えない」 一度口から放たれた言葉はもう戻ってきてはくれない。 その

          「ごめん、もう会えない」と君に言えたことは僕の本当の強さだったのかもしれない

          君がピアスを開けない理由

          フラれたのは僕の方だったのに、泣いていたのは君で僕は笑ってた。 一生懸命に言葉を選んで泣きながら僕に気持ちを伝える君と「ありがとう」と笑った僕。 「なんで私の方が泣いてるんだろうね」とやっと笑った君の涙をティッシュで拭った僕。 「優しすぎるよ」とまた泣きながら僕を抱きしめた君と「どっちがフラれたのか分かんないね」と笑って抱きしめられた僕。 僕は多分こうなることは分かってて、それでもどうしても伝えたくなってしまったから君に気持ちを伝えた。 “いつか”を“いつか”のままにしておき

          君がピアスを開けない理由

          句読点

          数年振りに学生時代ずっと片思いしていた先輩に再会した。 ずっと、本当に小さな小さな繋がりだけが残っていたような状態で、淡い期待のようなものはあったんだけど。 別にまた会って何かしたいとか付き合いたいとかはなくて、ただもう一度だけ会いたいという気持ちだけは自分の中にずっとあったんだと思う。 僕は顔を見た瞬間に先輩だと気づいた。 でも先輩はどうなんだろうって不安があって、僕のことなんてもう忘れてるんじゃないのかって。 当たり障りのない会話があって、少しして先輩が「同じ部活でしたよ

          句読点

          ショコレ

          「私、自分のこの声コンプレックスなんだよね」 『君の声が優しくて僕は惹かれたんだけどな』 『今日もやっぱり可愛いと思ってるよ』 「可愛くなんかないよ、見る目ないんじゃない?」 『そうかな?でも僕は好きだよ』 「知ってる」 『良かった』 「私も」 『え?』 「好きだから、私も、ちゃんと」 『うん、知ってるよ』 僕らは2人でよくココアを飲んだ。 特別、何を話すわけでもなくボーっとテレビを見ながらソファに並んで座った。 好きな人のことを好きだという気持ちが、日

          ショコレ

          あとがき

          「もういいんだよ」と、言われている気がする。 「まだそんなこと思ってるの?」と、呆れられている気がする。 本当はもう何も思っていない。 自分の中に何も残っていない。 そんな風に感じられる日はまだ来ていない。 本当はそんな風に感じられる日を自分が望んでいないことも知ってる。 でも、 でも少しずつ消えていることは確かだ。 それを誰かが望むのなら、素晴らしいことなんだとも思う。 僕も心の中ではそう望んでいたのかもしれない。 でも、本当のことを言ってしまえば、“分からない

          あとがき

          +9

          いつか

          いつか

          +9

          緑のラグマットと鳩の箸置き

          “失恋した” 友人からの短い連絡。 先に好きになったのはこっちだけど、向こうも好きって言ってくれたのに結局終わっちゃうんだもんね。 悔しいよ、やっぱり。 あんなに「好き」って伝えたのにさ。 別れたら何にも残らないんだね。 せめて、あの時の「好き」って感情や言葉を返して欲しいよ。 じゃないとさ、次に進めないと思わない? もう私の中の「好き」は空っぽになったんだもん。 それくらい、あの人に私の「好き」を渡したんだから。 そう言って、泣きながら話す友人。 幸せそうに笑って

          緑のラグマットと鳩の箸置き

          +11

          春紫苑と5本の薔薇

          春紫苑と5本の薔薇

          +11

          眠れない夜の唄

          上手く言葉に出来ないし、説明も出来ないけれど、何かに残したくてこれを書いています。 別にこれを読んで何かを思って欲しいわけじゃなくて、何かを言って欲しいわけじゃなくて、ただ自分自身のために書こうと思ったんです。 書き終わったあと、自分自身の中で何かが変わっているなら、それもいいのかなって。 ごめんなさい。 それでもいいと、もし読んでくれる人がいるのなら「ありがとう」 いつかは失くしてしまうこと いつかは離れてしまうこと そんなことは分かっていたつもりで、でもやっぱりそれ

          眠れない夜の唄

          +10

          積み重なった想いは、いつかあなたの背中を押してくれる。

          積み重なった想いは、いつかあなたの背中を押してくれる。

          +10