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眠れない夜の唄

上手く言葉に出来ないし、説明も出来ないけれど、何かに残したくてこれを書いています。
別にこれを読んで何かを思って欲しいわけじゃなくて、何かを言って欲しいわけじゃなくて、ただ自分自身のために書こうと思ったんです。
書き終わったあと、自分自身の中で何かが変わっているなら、それもいいのかなって。
ごめんなさい。
それでもいいと、もし読んでくれる人がいるのなら「ありがとう」

いつかは失くしてしまうこと
いつかは離れてしまうこと
そんなことは分かっていたつもりで、でもやっぱりそれは“つもり”だったんだと気づいた

「この世界で一番僕を愛してくれた女性
この世界で一番僕が愛した女性」

『この世界で一番僕を受け入れてくれた女性
この世界で一番僕が好きになった女性』

恋愛はタイミングだと、ずっとそう思ってきた
そしてそのタイミングは時に残酷だった
悲しみと後悔の中で、もがいて苦しんで、それでも生きて、どうにか前を向いている
送れなかったメールも、言えなかった言葉も、心の奥底にしまったまま
それでも僕はまだ生きている

僕には大切な女性が2人いた
そんな自分の感情に気づいたのは、2人とも同じ時期だった
未熟で弱かった僕は進むべき道が分からないまま悩んでいた
どちらの女性も大切だった
たくさん悩んで、たくさん考えた
僕は2人について、“選べる”のは自分自身だけだと思っていた

でもそれは違っていたんだ

別にあの時の選択を間違いだと思ったことはないし、もう一度同じ選択を迫られたとしても僕は同じ方を選ぶ
それは間違いない

僕は「この世界で一番僕を愛してくれた人」を選んだ

それはもう愛“情”だったのかもしれない
本当に大切に想った
5分でもいいから会いに行った
何でも犠牲にできた
自分自身を擦り減らすように

でもその時間も長くは続かなかったんだ

もう二度と会えない日々
もう二度と表示されない電話番号や、耳の奥にこびりついた声
微かに残った香りや、ぬくもり

正直、僕もこの世界から消えてしまおうと思った
思い出の残るこの街から消えてしまおうと思った
でも最期にあの人から貰った言葉が僕を繋ぎとめた

モノクロの世界で、僕は色の付いたフリをして生きていた

そんな世界で僕に自分の色をわけてくれた人がいた
その人は『この世界で一番僕を受け入れてくれた人』だった
その人は選択を迫られたあの頃の僕が選ばなかった人だった

あの時の僕は「もうこんな風にはきっと会えなくなるから」とそれ以上を彼女に伝えず、自分から距離をつくった
本当に自分勝手だったと思う
そんな僕に彼女は色をわけてくれた
会わなかった時間、会えなかった時間、彼女にもたくさん過ぎていった景色はあったはずで
それでも僕には前と変わらない顔で笑ってくれた
それが僕は何よりも嬉しかった

別にまた前みたいに会いたいと思ったわけじゃない
そんなことを思う資格は僕にはもう無いのだから
あの日、彼女を選ばなかった僕にそんな資格は無いのだから
色をわけてくれた彼女から、幸せまでもらうことはできない

彼女には夢があった
希望があった
もしかしたら、彼女の中では隣に僕が存在する夢だったのかもしれない
あの頃の僕は未熟だったから、そこに自分の姿を重ねることが難しかった
ただ応援することしか思えなかった
見ていた場所が違っていたんだと思った

時間が経っても、彼女は以前と変わらない笑顔のまま近過ぎず離れ過ぎず、僕に寄り添ってくれた

そんな彼女も次に進む日が来た
多分きっと、もう二度と会えないかもしれない
触れようと手を伸ばせば触れてしまえそうな距離も、もう2人の間にはなくなって
それでもただ僕は彼女の背中を押すことしか出来なかった

もしかしたら僕の中にはまだ、彼女に対する気持ちが残っているのかもしれない
好きなのかもしれない
でも、そうだったとしても戻れない時間もある
もう取り戻せない時間がある

それくらいに僕にとっては大切な時間だったから
世界で一番愛した人との時間も、世界で一番好きになった人との時間も
その両方が僕にとって大切な時間だったんだ

結局、僕は誰も選べなかったのかもしれない
誰も幸せにできなかったのかもしれない
それでも今の自分があるのは過去の自分がいてくれたからで、過去の自分が選んだ道があったからだ

ただ僕は「ありがとう」と言いたい
会えなくなったとしても「ありがとう」と言いたい

「またね」とも「じゃあね」とも違う
「ありがとう」と伝えて最後にしたい

幸せにするのが僕じゃなかったことは残念だけど、笑っていて欲しい
僕からそんなこと言われるなんておかしいかもしれないけれど、やっぱり笑っていて欲しい
僕に色をわけてくれた時のように、ケラケラと笑っていて欲しい
僕はそんなところが好きだったから


眠れない夜の唄
受話器越しの寝息は幸せを運んでくれた

いつか、こうなることは分かっていた
分かってはいたはずなのに
やっぱりどこか、少しだけ寂しい

眠れない夜の唄
いつかきっと、朝は来る
明けない夜はない

眠れない夜の唄
雨降りの日ばかりじゃない
いつかきっと、空は晴れる

最後まで読んで頂きありがとうございます。
結局まとまらないまま、こういう形で出してしまいました。

何がしたいの?
何が言いたいの?
そんなことばかりだと思います。

全てが伝わるなんて思っていません。
伝えられるなんて思っていません。
伝えきれないことの方が圧倒的に多いし、全てを伝えようとも思っていません。

ただ受け取り方は自由です。
それ以上でもそれ以下でもない。

ごめんなさい。

「ありがとう」

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